グーグル、あれこれ。その2
もうひとつ、別のGoogle関連の書籍について。
『グーグルのすごい考え方』から、グーグルが発見した「10の真実」とは、以下のことだ。
1.ユーザーに焦点を絞れば、「結果」は自然に付いてくる
2.1つのことを極めて本当にうまくやるのが一番」
3.遅いより速いほうがいい。
4.ウェブでも民主主義は機能する。
5.情報を探したくなるのは机に座っているときだけではない。
6.悪事を働かなくても金儲けはできる。
7.世の中の情報量は絶えず増え続けている。
8.情報のニーズはすべての国境を越える。
9.スーツがなくても真剣に仕事はできる。
10.すばらしい、では足りない。
著者は、これらはどれも当たり前のことなのだが、当たり前のことを続けることはすごいことだと言う。これだけ見ても、「10の真実」として列挙するほどすごいことなのかどうか、私にはよくわからないけども。
私がすばらしいと思ったのは「20%ルール」だ。業務時間の20%をその時の仕事にではなく、未来のために使うこと。何をするかはその人が自分で決めればよくて自由なのだ。それだけでも、おもしろいのに、「使ってもよい」ではなく「使わなくてはならない」というほど、しっかりと打ち出しているところ。
どういう職種でも日々の業務だけをやっていては、先々に必要なスキルを身につけることはできないのだから、自己研鑽や勉強は必要なのだと思う。けれども、それを、一般の会社では業務時間外の自分の時間を使ってやることを前提としている。そのため、長時間労働が当たり前になっている日本では、勉強の時間をとることができないまま疲弊していくだけの状態になっている。
グーグルでは、そういった従業員の未来への投資を、業務時間内にやることを義務付けていると読むことができる。この発想も、単に長く一生懸命働きさえすれば、いい結果がついてくるといった考え方とは全く違うものだ。
企業としての利益をあげるために、従業員を大切にしていい仕事をしてもらう、と考えたグーグルが、現実にしていることを見れば、どの企業もこの理念を取り入れたほうがいいと気づくはずだと思う。それが、ワークライフバランスのとれた働き方・生き方につながるのだろう。
グーグル八分については、この著者は違う見解を持っている。「グーグル八分」という言葉も使わないのだけども、中国に進出したときに、検索できないページを作る(具体的には、天安門事件や法輪功など)ことを受け入れるか、それとも、進出自体をあきらめるかという選択を迫られた。そして、前者を選択した。これは、この著者の解釈によれば、最善ではないが、次善の策を選ぶということ。中国国内でグーグルが全く利用できないよりも、いくらか検索にヒットしないページがあろうとも、グーグル自体は利用できるようにしたほうがよいと判断したからだという。また、グーグルはその国の文化を尊重するのだが、検閲があるというのもその時点でのその国の文化というか状況であるわけだから、それをどうするかは、その国の人間が決めることだと考えているとか。
どういう政治体制を選択していくかは、基本的にはその国の人間たちが決めていくことだ。ただ、その内容によっては、国際社会が口を出していくことはこれまでもあったこと。たとえば、甚大な人権侵害が行われている場合などだけど、その判断そのものも、判断者の文化的背景が大きく影響するのだろうから、むずかしい問題だ。
ベストがなくても、ベターを選択する、というのは、現実的な対応とは思う。
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こんにちは、またまた参考にさせていただきます。
えふさんのアウトプットすきですね!
心におちます。
20%のルールなんかで読んだ覚えがあります。またえふさんのブログで再確認ありがとうございます。
投稿: kiti 伊藤裕二 | 2008年4月 5日 (土) 11時33分
kiti伊藤裕二さん、再度のお越し、ありがとうございます。
つたないまとめで、お恥ずかしいのですが、お褒めいただき、大変光栄です♪
「20%ルール」は、一般には数年前にいろいろ言われていたことだと思います。私もなんとなく、聞きかじった記憶があります。
ただ、その当時は今のような関心の持ち方とは違っていたので、あまりきちんと知ろうとしていなかったようです。
このように、一時期盛んに世間では言われていたことでも、自分自身の関心の向きが違っていると、知らないことも結構あるのでしょうね。
勝間さんのことにしても、ベストセラーをお出しになってすぐに出版界では騒ぎになっていたのに、ずっと後になるまで、私は知りませんでしたので。
数年も経ってから知るのは、世の中の動きに敏感な方から見ると、間抜けな感じではありますが、それでも、今頃になって数年前に出版された書籍などを読んでみるのもなかなか勉強になります。
投稿: えふ | 2008年4月 5日 (土) 22時48分