痛みは怒りをごまかすための手段。その1
宣言(?)どおり、書籍の整理をしている。古本屋さんにひきとってもらうものを選び出しているつもりなのだけど、すぐに判断できるものとできないものがある。
片づけ上手にはわからないことかもしれないが、しばらくぶり手に取った書籍にまた興味をもってついつい読みふけってしまうようなことは、なかなか片づけがスムーズに進まない人のよくやるパターンと言える。
反面、以前読んだ書籍からの再発見もある。
以下では、その気づきを書いておく。
『心はなぜ腰痛を選ぶのか サーノ博士の心身症治療プログラム』(1998=2003)
『腰痛は<怒り>である 痛みと心の不思議な関係』(2002)
アメリカの小児科医であるサーノ博士が提唱しているTMS理論とその治療法がその内容。とくに、腰痛をはじめとする身体の痛みの症状を抱えている人に対し、整形外科的な治療によって痛みを取り去ろうというのが大半の医者の方法なのだが、サーノ博士は全く違う立場をとる。
『心は 』はサーノ博士の著書であり、『腰痛は 』はサーノ博士の提唱するTMS療法を日本で展開している(らしい)著者のサーノ博士とのQ&A形式をとっている。
これらの著書では、腰痛を引き起こす内臓の病気や骨格の異常などを全く疑わなくてよいとは言っておらず、まずは、悪性の腫瘍や脊椎の病気などり患していればすぐに手を打たなくては深刻な事態を招いてしまう病気ではないかをきちんと検査するべきだと言う。
その上で、そういった深刻な病気の兆候が認められず、痛みはとれないままであるのであれば、それは、TMS理論で説明がつくのではないかと言う。
具体的には、よく言われる「腰痛は二足歩行をするようになった人類の宿命である」といった説明は、患者に「もう治ることはない」という暗示を与えるための「呪い」の言葉であり、そういった暗示をかけられることによって、腰痛を長引かせて治ることを邪魔しているのだと主張する。
博士によれば、たしかに人類は二足歩行をするという点で、他の四足歩行の動物とは違うが、腰痛をわずらうような整形外科的な問題を抱えているのは、四足歩行の動物のほうが多いということだ。そして、人類は二足歩行をするようになて350万年も経っているのだから、その間にこの歩行法に十分に適応するだけの骨格や腰の強さを獲得してきているはずだとも言う。たとえば、フルマラソンを走ったり、飛んだり跳ねたりする動きをすることも体重の何倍もの負荷がかかってはいるが、それをしたからといって腰痛になるというわけでもない。
腰痛患者は20代をピークに減ることから、もしも、年齢による椎間板の摩耗や骨格の歪みが痛みの原因とするのならば、年齢を重ねるほどに患者が増えないとおかしいということにもなる。
これまで、腰痛に対する常識にひとつひとつ反論しながら、結局のところ、原因は身体にあるのではなく、心の中にあるとの仮説を展開していく。博士によれば、腰痛をはじめとする身体の痛み、とくに骨格や筋肉に生じる痛みは、心身症的な症状のひとつと理解するのが妥当なのだ。
こう仮定すると、痛みをとるための治療もおのずと方向が定まってくる。つまり、身体に働きかける物理療法ではなく、心に働きかける認知(認識)療法だ。
TMS治療プラグラムは、以上の考えのもと、設計されている。(つづく)
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