7つのフレームワーク力。その2
『勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践』について、きちんと書いておこうと思いつつ、IEの調子が悪いため途中になっていた(ここ)。それにもかかわらず、勝間さんの公式ブログにリンクを張ってもらった。ありがたいのですけども、なんだか、申し訳ない。
それで、今日は続編。というか、本編(?)。
7つのフレームワーク力のちからについて考えた。
本書のウリは、これまで出版されている他の「勝間本」と同様に、
1.類書にはない新鮮な切り口があること
2.具体的な方法論と、商品名・書名を挙げての紹介があること
3.それらは、著者の経験から導かれているため、説得力があること
4.自己分析をオープンにしていること
5.おそらく、これまでにあちこちで言われたり書かれている(のだろう)批判や指摘を押えたうえで、説明や反論として回答していること
6.理屈はわかるが、実践ができない理由を「腹落ちしていない」(わかるとはできることに結びつくほどの深い理解を指す)と主張していること
7.行動にうつせないでいる人に「敷居をさげさせる心理効果」を与えていること
などではないかと思う。
それらのことと、既刊本の効用による「勝間本」ブランドに対する信頼が生まれていることが相乗効果を生みだし、出版社や書店へもよい影響を与え、ポジティブフィードバックを発生させている。
著者の主張ですばらしいのは、「本当にわかっているのなら、行動にうつせるはずだ」という明快な信念を表明しているところではないだろうか。
「フレームワーク力」とは、別のことばで表現するならば、「そこそこ正しい判断基準・方法をもっていることと、それを自分でも作れること」ではないかと思う。つまり、「目のつけどころを心得ているかどうか」なのだ。たとえば、全部を通して読まなくても、「この本はこの分野では価値が高い」と比較的短時間に判断できることなど、「ある部分を見れば、比較的適切に誤差が少なく判断できる眼力がある」ということだと思う。そして、物事によって、何を「判断に不可欠なある部分」と認識できるかが(明確な意識のもとでなく、無意識だとしても)ポイントになるのだろう。
卑近な例では、魚を買いに出かけたときに、新鮮な魚を買うためにはどこをみればよいかがわかっているかどうか。おいしいスイカはどこで見分けるのか。その日に炊くご飯の量を決めるときに、基準とするものがあるかどうか。
「勝間本」に一貫しているのは、「行動せよ」そして、「行動しつづけよ」だと思う。そのためには、どうすれば効率がよいか、何を使うとよいか、どう考えればよいかがある。次々と新しい試みを実践してみて、実際にどうか、改善を加え、さらに実践、を繰り返す。それも、成功するまで。
私がかなり気に入った箇所を少し抜き出してみる。
拙速は避けるべきですが、鈍足はもっと避けるべきです。
「間違った仮説・結論であっても、仮説がないよりはずっとまし」
あとは、「失敗」に関する記述も好き。
よい失敗…未知の状況の中で、見込める最大のリスクの範囲内でベストの判断だと思って行ったけれども、結果的に失敗になったもの
悪い失敗①…一度行ったことがある種類の失敗を、自分の能力を過信したり、過去の失敗を否定したりして、単純に繰り返すもの
悪い失敗②…はじめての失敗であるが、自分の能力を過信し、失敗したら取り返しがつかない結果(=即ゲームオーバー)を招くにもかかわらず、無謀なチャレンジをしてしまうもの
悪い失敗③…失敗を恐れて何もしないうちに、結果として現状が悪くなってしまって、何もしないことが失敗になってしまうもの
もう少し時間をかけて、消化してから、再度、この著書について考えてみたいと思う。
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