(ここからの続き)
勝間さん
全部財源が必要で、どこからそれをもってくるのかを考えなければならない。
司会
少子高齢化になっていくと、労働力の問題として考えてしまうが、労働力を受け入れるのではなく、生活者を受け入れるという考えでなければならないのではないか。
勝間さん
移民の方も人生がかかっている。労働者であり、生活者であり、消費者であり、納税者である側面をきちんと考えなければならない。アルバイトを雇うというような簡単な気持ちではいけない。
司会
もし、移民を受け入れることになったら、来るのは日本よりも経済的に恵まれない国の人が多いと思う。その場合に、「出身国と比べれば待遇がよいのだから、それで我慢しろ」というような働かせ方をすることにならないのか、心配である。
勝間さん
移民は能力のある若い人が来てくれることが望ましいことなので、日本人がやりたくない仕事をしてもらうために、来てもらうわけではない。
三重県の男性
三重県でも外国人労働者を多く見かけるが、この人たちが日本社会になじんでいるようには見えない。
司会
それは、日本人が排他的なのか、外国人が自国人たちだけで集まっている様子なのか?
三重県の男性
外国人は自分たちだけでいる。ときどき、日本人と交流をしたという情報が流れるけれども、現状では、距離を感じる。
豊島区の女性
ベルギーに留学していたが、ヨーロッパの人は階層意識が高いので、移民してきていたモロッコの人などは、あまりいい思いをしていなかった。受け入れるのはかなり大変だと感じた。
別の意見
移民を受け入れずに成り立つような国のあり方に変えるとよい。
勝間さん
移民を受け入れずに成り立てばよいが、もう成り立たないということがわかっているので、いろいろ大変なこともあるかもしれないが、「だから、受け入れない」のではなく、「どうすれば、うまく受け入れることができるのかのしくみを考えなければならない」のではないかと思う。
司会
今日は日本が移民を受け入れるべきかというテーマです。ちょっと考えれば、難しい問題で、あまり成功している国もないと思うが、移民を受け入れないとやっていけないから、受け入れようという議論があるのだと思う。
勝間さん
最初は、技能職からはじめて、慣らし運転をしていく感じでやっていくのがよいのではないかと思う。そうすれば、日本人も彼らに慣れるし、だんだんと好循環になっていくのではないかと思う。
司会
少子化になるので、人口の規模に合わせて国のサイズを小さくしていくことで、うまくいくようにはならないのか?
勝間さん
それは、無理です。日本全体が均一に小さくなっていけばよいのだけども、過疎はもっと過疎になるという不均一な変化が起こってしまう。そうすれば、現在の規模を小さくするだけのシステムに組み替えることは無理なのだ。その中で、社会保障を現在と同じような水準で行うことは無理で年金も破たんする。どうするのかといえば、移民を受け入れていくしかないのではないか。
司会
少子化の原因として、国内にいる日本人でもワーキングプアという立場の人がいて、結婚できないし子どもももてない人がいる。外国人のことを考えるよりも、まずは、この人たちを何とかしないと、ますます少子化に拍車をかけてしまうのではないか?
勝間さん
そのとおりで、非正規雇用の人の待遇の悪さは本当に問題。ただ、この問題は、さっさと早いうちに解決してしまわないといけない。
子どもに対する国の手当てが、日本は非常に少ない。こないだまで5000円だったのが、やっと10000円になりましたけど。シングルマザーになると、貧困になってしまうし、非正規雇用は貧困なので子どもがもてない。本当に大変です。
(こんな感じの話をしているうちに、あれよと言う間に、「また来週」と終わったような気がしますが)
【ちょっとした感想】
日本国内の人口減は、少子化が原因のひとつで、これはこれでもっと強力な対策がもとめられると思うが、勝間さんもおっしゃるように、子どもを産む世代の人間が非正規雇用などの劣悪な労働条件にあるために、なかなか結婚したり子どもを持ったりすることができないでいる。それとは別に、今から出生率が回復したとしても、その子どもたちが労働力として期待できるようになるには20年は待たなければならない。それまでに、どうしていくかを考えると、外国からの技能の高い労働者を受け入れて働いてもらうしか、他にとるべき道は少ないように思う。国内の女性たちももっと基幹として働いてもらえるようにすればよいとも思うのだけど。
勝間さんの、「国内のワーキングプアの問題も取り組まなくては」という意見に対するご意見がすばらしかった。たしか、「(それも非常に重要で)特に、早くさっさと解決してしまうことが大切です」といった趣旨のことばは、本当にさっさと解決しそうな感じがして、頼もしい気がした。実際、政策決定すれば、そこそこさっさと解決するような気もするのだから。
拙速は避けるべきですが、鈍足はもっと避けるべきです。
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