『2020年の日本人』を読んで考えたこと。その2
介護・看護労働に従事する人が足りない問題についても、松谷さんは以下のように指摘している。非常に的確だと思う。この分野にマンパワーが足りないから、外国人労働者を受け入れるとは言えない、今の条件では、ということだろう。
P.101
そもそも日本ほどの人口大国において、マンパワーの不足が指摘されるほど供給が少ないのであれば、その原因は賃金、つまり労働の価値が低過ぎることにあるのではないかと考えるのが、当然の思考順序というものである。加えて介護も医療も公的保険で行われている。となれば、この問題の解決のために第一に分析されるべきは、政府が介入していることによる賃金の硬直性である。マンパワーの賦存状況などの分析はその後でよい。つまり、まずは介護や看護に当たる人々への賃金の適正化を図る。その上で足りないとなれば、その段階で外国人労働者の活用を含めて対応策を議論する、というのが政策のあるべき順序なのではないか。
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