「生きている図書館」
朝日新聞6月28日付国際面「生きている図書館」という記事を読む。こんなことが行われていることを、これまで知らなかった。生きた人間を「本」として、読む人間はその「本」に質問する。そこで対話が生まれて、相互理解が進むのだ。とくに、おもしろかったのは、障害のためにあごの骨が発達しすぎて目が飛び出してしまった顔になった人の、「人が何か違うものをジッと見るのは自然なのね。なのに、勝手に傷ついてきた」という発見だ。自分の側からだけ見ていれば、たしかに、人の顔をじろじろ見られるのは失礼なことだと思う。何か顔についているのかなと思ったりもするのだけれど、他の人とは違う顔との自覚のある人であれば、「笑われているのではないか」とか「馬鹿にされているのではないか」と受け取りがちになっても仕方のないことのようにも思う。しかし、それが、とくに他意のない素朴な疑問から生じる行動なのだと知ることで、見られているほうも救われる気がするのだろうか。社会的な儀礼としては、「儀礼的無関心」を装うことがもとめられることかもしれない。でも、そのことで、無知なまま終わるよりも、顔に変化が現れる病気があると知ることで、知るほうの世界も広がるのだ。
私たちの社会では、「そっとしておく」「触れないでおく」といったことが思いやりになっている部分は大きいと思う。そのことは、必要なこともあるが、人間には不思議なものや知らないものを知りたいと思ったり、知らないままだと不必要に不安を感じたり怖がったりするものなのだ。だから、素朴に「本当なら失礼だから、聞いてはいけないかもしれない」ようなことを自由に遠慮なく質問する機会が与えられることは重要なことなのかもしれない。
最近は、なんでも遠慮して表面的な会話に終始するような場面も多いような気がする。でも、人は「こんなこと、言うと引かれるかも」と思うような心の内を聞いてほしいと思っているところもあるのかもしれない。
と、いろいろなことを考えさせられる記事だった。
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