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2008年7月24日 (木)

『生きかた上手』に見る失敗観。

 本書は現在90代半ばで現役の日野原重明さんが書かれた、上手に生きるための考え方指南本とでもいうべきものである。2002年に刊行されたものだが、久々に読み返してみた。気に入った箇所を抜き出しておく。1つ目は習慣について、積み重ねの大切さを説いておられる。よい習慣を早いうちに身につけて続けていくことが結果として人生となるということだ。

人生とは習慣である

 人生は、ひと言で言えば習慣です。

 アリストテレス(前384~322)は、「習慣とは繰り返された運動」であり、習慣が人間の性格や品性をつくると言っています。

 習慣に早くから配慮した者は、おそらく人生の実りも大きく、習慣をあなどった者の人生はむなしいものに終わってしまいます。習慣は日々の積み重ねですから、それが習い性になってしまえば、その後はつらいとも面倒だとも感じなくなります。よい習慣をからだに覚え込ませればよいのです。(P.99)

 2つ目は、からだも頭も使えば使うほどよくなるという非常に前向きな主張。医師の著者だからこそ、重みがある。ここでも、続けることの大切さと、行動・実践の重要性が説かれている。

からだは休みなく、切れ目なく、使い続ける

 年をとれば、からだも頭も老化します。けれど、老化は避けられなくても、だめにしないことはできます。要するに使いかたです。使わなければ頭もからだもだめになります。毎日、休みなく、切れ目なく、使い続けることです。

 私たちのからだは、動かしながら使いながら、同時に調節したり治したりしていくことができるようにつくられています。

 健康には、何よりもよい習慣が欠かせません。いつか、いつかと頭で考えているだけではだめなのです。今日の一歩を踏み出すこと。なぜなら、健康は行動の結果です。健康は実践のなかにあるのです。

 病気を治すことに主眼を置く医学に、あなたの健康のことまで期待するのは筋ちがい。めいめいが生活になかに実践するしかありません。そう、いますぐに。(P.104)

 

 3つ目は失敗について書かれたところ。著者の前提も、「失敗は起こるもの」である。完璧であると思われ、それを期待されている医師だからこそ、そうではないことを強調されているのかもしれないが、どういう職業の人であろうとも、不完全さの自覚は必要なことだ。

まず、人間の不完全さを謙虚に自覚する

 では、ミスがなぜ隠され、なぜ減らないのかと考えていくと、どうも医師も患者さんも世間の人も、「人間はパーフェクトではない」ということをすっかり忘れているからではないかと思いいたります。

 考えてみてください。どんなに最新の医療機器、医療設備を用いようが、医療も所詮「人が人になす行為」なのです。だからこそ、そこには相手を思いやる「心」があってしかるべきですし、また反面、「絶対」や「完全」はありえない。つまり、病気を治せないこともあるし、医療上のミスも起きうるものなのです。

 私たちはどんなに努力し、注意をしていても、完璧ではありえません。それは求めても詮ないこと。むしろ謙虚に、おごらず、まずわが身を含めて、人間のいたらなさ、弱さ、不完全さを、つねに自覚することから始めなければなりません。

 科学が進歩すればするほど、その自覚は一層強く求められます。ハイテクノロジーを盲目的に信用すれば、人は油断と慢心をまぬがれません。ふとした不注意が思わぬ惨事を招くということを、2001年2月9日(現地時間)の、ハワイ沖での日本の水産高校の実習船えひめ丸とアメリカの原子力潜水艦との衝突・沈没事故で、私たちは思い起こし震え上がったばかりです。

 医療の世界で起きている問題は、実は医療にかぎらず、科学の恩恵に浴する現代社会共通の問題でもあるのです。当然、その対応策は広く共通して語れるはずです。

 そうであれば、ミスを起こした当事者を必要以上に厳しく処罰したところで、何になるのでしょう。むしろミスを隠そうとする傾向に拍車をかけるだけです。失敗こそが、未来の安全を手にするための、貴重な財産なのです。

 私たちは、この先に起こりうるすべてのミスや突発的な事故を予測することはできないのですから、おかしたミスに謙虚に学ぶよりほかありません。実は、それが最短にして最良の道なのです。医療ミスはゼロにはできませんが、減らすことなら私たちにできます。(P.134-136)

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