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    2008年9月8日~11日までの、田舎での時間。

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2008年8月 8日 (金)

『論争 日本のワーク・ライフ・バランス』、誰にどう薦めるか。

論争日本のワーク・ライフ・バランス

 ここにも書いたように、本書は治部れんげさんが管理職研修のテキストとして読むよう薦めておられる。私もそういう場で活用されることで、管理職の人たちに対して、ワーク・ライフ・バランスの大切さやそれが企業価値を高めていくことの認識を深めてもらうことにつながればと思う。とはいえ、この点については、すでに治部さんが書かれていることでもあるので、私は別の観点から書いてみる。

  本書が想定する読者は、タイトル通り、日本のワーク・ライフ・バランス議論において、何が論点となっているのかを知りたい人かと思う。そこには、一般読者、研究者、政策決定者などが含まれる。

 一般読者とは、この分野について研究をしているとか、特に詳しく調べたりしなくてもよい人のことを想定している。現在では、ワーク・ライフ・バランスとその意味するところは常識としても知っておくべきことになりつつある。よって、単に言葉を知っているだけではなく、ある程度は知識をもっていることが不可欠になってくると思うからだ。学術論文の講読になれていない一般読者にとっては、それぞれの研究者の方が別々に書かれた論文を読むよりも理解しやすく、さらに1冊にコンパクトにまとめて、それぞれの論者の主張と論点が説明されているのは、お得(お金+時間)だ。

 研究者にとっては、本書を読むまでにも別のところで知識を得ておられると思うが、論争形式になっていることで、類似点や対立点がクリアになっており、それぞれの論者間のやりとりも読めるところがよい点かと思う。ワーク・ライフ・バランスの分野を専門に研究しているわけではない方に、特にお薦める。自分の専門分野をフォローするのでも精いっぱいなほど次々といろいろな研究成果が発表される状況において、ある種の解題的な読み方ができるという点で有用。

 政策決定者にもぜひ読んでもらいたいと思う。企業においては、管理職などの意志決定過程に大きく関与する人にお薦めしたいのと同様、社会制度を実際に作っていく人に、ワーク・ライフ・バランスの重要性とともに、何がその実現を妨げているのかについても知り、そして、その障壁を取り除くにはどうすればよいのかについて、現実にとりうる枠組みの中からもっとも適切な政策を提案してもらえればと思う。

 さらに、私は、以下の人びとにも本書を薦めたいと思っている。それは、シンポジウムの企画者、オーガナイザー、そして、シンポジウムのオーディエンスである。おひとりでも2,3時間の講演を企画すれば、多くの集客を見込めるような方を数人集めているのにもかかわらず、ひとりひとりの講演のほうがよいのではないか、あるいは、一同に会した意味があまり感じられないようなシンポジウムというのは少なくないように思う。それぞれの報告が単独であるだけでなく、それらが互いに有機的な結びつきや論争を巻き起こすような時間にできるかどうかは、おそらく、企画の段階にかかっている。あちこちのシンポを聞いてきた経験から言うと、相互に触発されたり、対立点が明確になり、論点が浮き彫りになるようなものは、多くない。

 その点、本書では、事前に十分に練られた企画だということを結果から推察することができるのである。

 これは、水準の高いものを経験してこそ、そうでないものとの「差」により、優れたものを見分けることができるようになるという考え方を、ある程度妥当だと思っているため出てくる発想である。本書をシンポジウムの企画の参考書として使用する方法をとり、シンポジスト同士が単に持論を述べるだけの時間ではなく、それぞれの主張が有機的な発展性をもつような時間になること、そういったシンポが多く開催されるとよいなと思う。

 私は基本的に対談や鼎談などを聞いたり読んだりするのが好きなのだ。だから、よりおもしろく、より知的に触発されるような時間を経験したいと思うのだろう。

【内容について】

その1

その2

その3

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コメント

また、書評の続きをありがとう。アマゾンにもリンクしてくださったみたいですね。他の最近のエントリーも見たのですが、鶴見和子さんの記事は色々思いが
あります。個人的にはお会いしたこと無かったのですが。今度はシカゴより。

山口一男さん、コメントありがとうございます。

 鶴見さんの記事を読んで、私は千葉敦子さんのことを思い出しました。千葉さんについては、お亡くなりになって何年も経ってから存在を知ったのですけども、だいたい読んだ多くの著書のうち、『「死への準備」日記』と似ているのではないかと思いました。これを読んだのも随分前になりましたが、いろいろと考えることが多かったので、鶴見さんのものにもとても関心を持っています。身内にだけ、というのも心情としてはわかるのですけども。

 シカゴはこちらほどには暑くないようですね。月末に大阪でセミナーをなさるご予定を知りました。大阪も今日は35℃(東京も)です。まだしばらく熱帯です。ご自愛ください。

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