『それでも私は腐敗と闘う』
本書は、コロンビア人女性イングリット・ベタンクールさんが、コロンビアの国を良くしようとして、文字通り命がけで奮闘する様子を描いたものである。コロンビアの政界は、腐敗と汚職にまみれ、政治家は私腹を肥やし、庶民の生活は一向によくならない。そういった状況に疑問をもったベタンクールさんは、自分が議員になり、他の議員や大統領の汚職を追及しようとする。暗殺や脅迫がふつうに行われるような政情の国において、真実を暴き正義を実現しようとすることは、自らだけではなく家族へも危険が及ぶことを意味する。それでも、彼女は使命を果たすために闘いつづけるのである。国会議員になってもなかなか政治を浄化できないことから、自分が大統領になるしかないと思った彼女は大統領選に立候補を表明していた。
そのようななか、2002年、とうとう彼女の存在を邪魔に思う人びとの手で誘拐されてしまう。
今年、6年におよぶ監禁から生きて解放されてきた。このニュースを聞いて、本当によかったと思った。生還されて本当によかった。
現代にもこんな国があるなんて、現実のこととは感じにくいところで私は生きている。しかし、持っている権利を十分に生かしているかというと、そうでもないのかもしれない(投票には行っているけれど)。
大きな困難が立ちはだかっていても、それでも闘うというベタンクールの姿勢はすごいと思う。すごいと思うけど、殺される危険を冒さないとまともな政治ができない政情のほうが理解できなくて、むずかしい。
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