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2008年11月13日 (木)

The Global Gender Gap Report 2008

 世界経済フォーラムによる「男女格差指数」(gender gap index)が発表されました。ランキングの上位国や日本の順位などに関心があるのでしょうか、国内で配信されたニュースでは、これらの他に、前年との比較が載っていました。

 ですが、いろいろさまざまに、疑問が湧いてきます。まず、もっと順位全体が知りたい。どういう観点から評価されたのかを知りたい。ここ数年で変化の大きな国について、その要因を知りたい、などなど。

 ニュースの報道が、かなり情報として物足りなかったので、もともとの報告書を見てみました。そのタイトルがThe Global Gender Gap Report 2008です。ランキングは130カ国の比較になります。

 今年の結果(昨年)(一昨年)

98位.日本(91位)(80)

1位.ノルウェー(2位)(2)

2位.フィンランド(3位)(3)

3位.スウェーデン(1位)(1)

4位.アイスランド(4位)(4)

5位.ニュージーランド(5位)(7)

6.フィリピン(6位)(6)

7.デンマーク(8位)(8)

8.アイルランド(9位)(10)

9.オランダ(12位)(12)

10.ラトヴィア(13位)(19)

11.ドイツ(7位)(5)

12.スリランカ(15位)(13)

13.イギリス(11位)(9)

14.スイス(40位)(26)

15.フランス(51位)(70)

16.レソト(26位)(43)

17.スペイン(10位)(11)

18.モザンビーク(43位)(n/a データなし)

19.トリニダード・トバゴ(46位)(45)

20.モルドヴァ(21位)(17)

 上位5位まではほとんどジェンダーエンパワメント指数GEM(gender empowerment measure)と変わらないのではないかという印象です。

 ※GEM2008の結果については、Human Development Report(ここ)をどうぞ。日本は54位に下がりました。

 これでは、別の指数の情報としてのおもしろみが足りません。1~10位までを見てみても、過去3年間の動きはあまりないのですから。

 したがって、20位までを見てみました。このくらいまで見ると、おもしろいです。普段、いろいろなランキングにあまり登場しないような国が見られます。スリランカがこんなに上位だとは思いませんでした。レソト、モザンビーク、トリニダード・トバゴ、モルドヴァは名前は知っているけれど、地理的な位置や国としてのイメージなどが非常に薄い国です、私にとっては。

 どのような方法を使っているのか、ますます気になりました。

 評価ポイントは、global gender gap indexの下位にsubindex4つとそれぞれの変数、そして、それらのソース(情報源の調査名)が記されていました。

Economic Participation and Opportunity

Educational Attainment

Political Empowerment

Health and Survival

 これらの要素のひとつひとつを、国同士で比較すると、豊かな国のほうが優れているのは当たり前です。gender gap indexでは、あくまで「同一国内での男女の格差」を見ています。ですから、たとえば、医療設備に恵まれない国であるがために、男女ともに平均寿命が世界平均を下回っていたとしても、その国の男性の平均寿命と女性のそれを比較して「格差」がどの程度なのかを算出するということのようです。

 たとえば、日本とスリランカを比較して、具体的に見てみましょう。

 個別変数でもスリランカは1位になっているものがいくつもあります。初等教育・中等教育修了はともに1位。

 平均寿命ではスリランカは1位、日本は38位(14カ国が同点同順位)です。ただし、1位が36カ国もあるため、次点が37位で、3番目ということになります(変なの)。political empowermentの変数に過去50年のあいだに首相を務めた者の在任期間(年)をもとに、「女性首相の在任期間(年)/男性首相の在任期間(年)」というのがあり、スリランカは23/27で1位、日本は0/50で40位。論理的に考えて、40位が同値で最下位ですね。2位はアイルランドで18/33。総合ランキングで1位のノルウェーは10/40で9位、フィンランドは9/42で10位です。

【えふの見解】

 日本の順位が低いことと、世界経済フォーラムのランキングであることから、当初簡単に男女の賃金格差が大きいことや女性管理職割合が高まらないことなどを理由とした結果だろうと思いました。

 しかし、それらは含まれていましたが、subindexのうちの2つであり、残りは日本女性が世界に誇れる識字率の高さや、初等教育、中等教育をどのくらいの割合が受けているか、最終学歴などを変数とする教育達成度が1つ。もう1つは平均寿命と出生における性比を変数としています。Sex ratio at birthと聞くとちょっと驚きますが、胎児や出生直後の新生児が女児だとわかると生かさない国・地域があるからでしょう。

 実際、レポートのなかには、

The second subindex included in this subindex is the sex ratio at birth. This variable aims specifically to capture the phenomenon of "missing women" prevalent in many countries with strong son preference.

とあります。130位(最下位)はアルメニア。アゼルバイジャン129位、128位グルジア、インド127位、中国126位、アルバニア125位、122位韓国・マケドニア・シンガポールと続きます。

 「男児選好」は女性の地位が低く、結婚しなければ生きていくことができず、おまけに結婚するにも夫のもとに持参しなければならない金品が多くなければならないような国・地域で起きやすいとか。インドのある裕福な州では、経済発展をしたことによって、より男児選考が強まってしまい、胎児のうちに堕胎するか、産まれた直後にこっそりと「始末」してしまうことで、たしか15年間(だったかな)1人も女児が産まれていない地域があるとか。

 日本の場合、前者のsubindex がかなり低いにもかかわらず、後者がかなり高いために、相殺されているのではないかと思います。

 それでも、全130か国中98位というすばらしさ!感心しました。

 以下は、subindexの日本の順位です。

Economic Participation and Opportunity---102位

Educational Attainment------------------82位 

Political Empowerment------------------107位

Health and Survival---------------------38位

【出典】

 世界経済フォーラム World Economic Forum(ここ)がトップで、ここに「男女格差指数」のプレスリリースがあり、さらに、元の報告書を見たい場合は、以下です。

Cover_2008_small2

 Global Gender Gap Report 2008(ここ)←PDFファイルに直接飛びますが、ファイルデータが大きいため、PC使用環境によっては、一度に全部ダウンロードして表示することができずに、途中でブラウザがフリーズしてしまう場合があります。が、リロードするか、再度ブラウザを開くのを繰り返すと全体を表示できるようになりました、私は。

 このPDFファイルのうち、世界ランキングの表は8-9頁(サムネイルではない)に、Indexの構造説明と重みづけについては、5-6頁にあります。

 

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コメント

うーん。また順位が下がったのですね。闘志がわきます。これでは鬱になんかなっていられません。

山口一男さん

 ありがとうございます。

 女性の非正規雇用比率がさらに高くなり賃金格差が開いたことが大きな影響のような気がします。
 男性の非正規化が進めば、gapは縮まるので、順位が上がることが考えられますが、そういう方向に進まないようにしなくてはと思います。

 もっとも順位が低いのは、管理職比率と政治参画なので(いずれも女性割合が1割ほど)、職場で女性管理職の登用を進めることと、次の選挙で女性議員を増やすことでしょうか、ひとまずは。

 一般に、鬱は好きでなるものではありませんから、休息が必要かもしれないです。あまりご無理なさいませんように。

えふさん
  いい忘れましたが、重要な情報をありがとうございます。Global Gender Gap Reoprtはご紹介いただいたサイトより原文を手に入れファイルしました。学術論文と違い仕事にも関係しても、意外と気づかないのです。いずれ仕事で引用させていただきます。貴女のブログ、読んで楽しいだけでなく情報面でも役立ちます。そこが良くて常連訪問者になったのですが。
 「ひとまず」の目標、その通りですが、根が深い問題なので、独自の分析を進めようと思います。研究は好きなことなので無理は生じないのです。でもお気遣い感謝します。 

山口一男さん

 ご丁寧にありがとうございます。

 学術論文に引用できる質や種類の判断は、私にはむずかしいのですが、こういった種類の報告書の中には、情報入手しにくく、しかし、内容は有用なものも少なからずあるような印象があります。

 私はこの手のものを探すのが、ねこのことを考えるのと同じくらい好きなのですが(変な比較)、多少なりともお役に立てたのなら、よかったです。

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