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散歩の収穫。

  • こういう色もよいですね。
    散歩をしていて見つけた風景や動植物を記録しておくアルバム。不定期だけど、できるだけ更新を目指す。コメント歓迎。

田舎の風景

  • 東京に戻ります。
    2008年9月8日~11日までの、田舎での時間。

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2008年12月31日 (水)

年の瀬に、迷っています。その3

ここからのつづき

えふ:もしや、カメさんですか?

カメ:そうです。カメにしか見えないでしょ?

え:はい。しかし、ここは、森の中ですが。あなたは、さらに、海ガメさんでは?

カ:そうです。海ガメだよ。

え:なにゆえ、ここにおられるのですか?

カ:それは、あなたが困っていると聞いて

え:あ、それは、ありがとうございます。困っているんです。

カ:それは、よかった

え:?

カ:実は、わしは以前にあなたに助けられたことがあるんだよ。

え:えっ?

カ:駅の階段の踊り場でひっくり返っているところを助けられました。

え:……いや、カメさんを駅で助けた覚えはないのですが

カ:あのときは、カメの姿ではなかったのです。

え:そうですか。はて?

カ:人間の姿でした。

え:あっ、そう言えば、もう何年も前になりますが、確かに、おじさんをお助けしたことがあるかも。

カ:そうです。それです。

え:いや、でも、本当にあなたがそのときの?

カ:はい、ひっくり返って自力では起き上がれないときに

え:ああ、結構重い方でしたが、なんとか腕を引っ張って起こした記憶があります。

カ:そう、あのときは助かりました。

え:いや、ご丁寧にありがとうございます。それにしても、どうしてあのときは人間の姿で?

カ:まぁ、人間が多く住む場所に出かける際に、このカメの姿では注目を浴びるし。

え:はぁ

カ:できるだけ目立たないように、と思って。

え:なるほど、ただ、あのときは、ひどく酔っておられたようでしたが

カ:いや、面目ない。ちょっと、古い友人にバッタリ会ったものだから、お酒が進んでねぇ。

え:そうでしたか。

カ:それで、今頃で、ちょっと間抜けなのだけども

え:はい

カ:あのときに助けてもらったお礼がしたいのだが

え:いえ、そんな、あんなことくらいで、お礼だなんて

カ:いや、それでは、わしの気が済まないし。

え:そうですか。

カ:そう、やはり、カメとして、受けた恩にはお返しをしなくては

え:はぁ、カメさんにも、カメとして、というお立場があるのですね。

カ:そう。

え:では、せっかくですし、そのお返しをいただきましょうか。

カ:そうかね、じゃあ、こっちだよ

え:はい、不思議世界の出口にご案内いただけるのですよね?

カ:いや

え:え?

カ:これから、龍宮城に案内するつもりだよ

え:えっ?

カ:さあ、こっちだよ。

え:いや、ちょっと待ってください、カメさん

カ:なにかね?急がないと、こっちにも都合というものが

え:はい、カメさんや龍宮城のご都合もお察ししますが、私にも人間として一刻も早く帰宅して掃除をしなくてはならないという都合があるのです。

カ:なんですと!

え:あ、あの、せっかくのご厚意は大変ありがたいのですけども

カ:龍宮城への招待を辞退すると?

え:はい、せっかくなのですが。お気持ちだけで、もう。

カ:はっ、龍宮城の説明がまだだったね。

え:あ、カメさんからはご説明いただいておりませんが、だいたい、どんなところかは存じています。

カ:ほんとか?

え:はい。

カ:それなのに、辞退すると?

え:はい。

カ:なにゆえ?

え:ええと、龍宮城がすばらしいエンターテイメントを提供なさっていることは十分に存じているのですが、私はそういったタイプのエンターテイメントには、さほど関心がありませんで。

カ:なんと!

え:いや、すみません。一流のエンターテイメントであることに疑いはもっていないのですが、私のような、そのすばらしさを解するセンスのないものでは、もったいないので。

カ:そうか、でも、事前に予想しているのと、実際に経験してみるのとは、また違った味わいがある場合もあるよ。

え:はい、そうでしょうね。

カ:どうしても、固辞すると言うのか?

え:はい、カメさんのご厚意なのに、本当に申し訳ないのですが。

カ:後悔しない?

え:う~ん、たぶん

カ:そうか。

え:はい、それで、すみませんが、こちらからそのときのお礼をお願いしてもいいでしょうか。

カ:なに?

え:この不思議世界の出口を教えてください。

カ:ああ、それでは、次の生き物の登場を待つがいい。

え:え~、カメさん、教えてくださいよ。

カ:いや、悪いが、わしもカメとしてのお礼を固辞されては、立つ瀬がない。龍宮城の従業員にもあわせる顔がないし。

え:そんな~

カ:じゃっ、達者でな。

え:あ~、さよなら~。

 ああ、カメさんも行ってしまいました。知らない間にカメさんを助けていたとは。それにしても、龍宮城のもてなしは、どちらかというと、男性向けなのに、そういうことにはあまり気がつかないみたいでした。そういうのが嬉しい男性も必ずしも最近は多くはないかもしれないのにね。海の奥深くだと、最近のトレンド情報がなかなか届かないのかもしれませんね。

 これまで、いろいろな生き物の方に道を教えてもらおうと受け身で待っていたけれど、結局、みんな忙しいし出会ってもこちらが知りたい情報を十分にくれることはなかったな。じゃあ、同じように、ここで待っていても、きっと次も出口を教えてもらう前に次の都合のために立ち去られてしまう可能性は大きい。

 ちょっと遅いですが、そのように思い立った私は、自力で不思議世界の出口を探そうと歩き出しました。最初は広葉樹の森だったのに、今では針葉樹の森になっています。どうしてかはわかりませんが、ひとまず、自分の帰巣本能を信じて歩き続けるしかありません。

 少なくとも、どこかから落ちてきたのだから、きっと帰りはどこかから上に行くところがあるに違いありません。したがって、できるだけ上方に注意を払う必要があります。それにしても、まだ明るいです。もしかすると、ここは白夜のエリアかもしれません。地理的にありえないって?いや、そうですが、だいたい、この展開はありえない。だから、ありえるかもしれないのです。

 上に注意を向けながら歩いていて油断しました。何かにひっかかって転んでしまいました。転んだところはまたもや落ち葉が積み重なったところ。そこでクッションになっていて助かったと思ったら、地面が抜けてしまいました。あ~れ~と思ってそのまま落下。だって、どうしようもないではないですか。どうせ出口にもクッション性の高い素材が待っていてくれるでしょう。

 どさっと落ちたところは、今度は土でした。でも、掘り返したばかりの土が盛られているようで、やはり、柔らかい。よかったです。

生き物:ちょっと!

え:はい

生き物:なんてことしてくれるんだ!

え:え?あ、プレーリーさんではないですか。

プレーリー:そうだよ

え:私、何かしたでしょうか?

プ:うん、せっかく新年を迎えるにあたってプレーリーの家の周囲の盛り土を新しくふんわりを盛ったところだったのに

え:あ、これは、プレさん家の盛り土でしたか

プ:そうだよ。それなのに、あんたがどさっと落ちてきたから

え:ああ

プ:ふんわり感が

え:はい

プ:やや台無しだよ

え:う、すみません

プ:いやあ、気をつけてくれないとね

え:すみません、以後気をつけます

プ:まぁ、仕方ないけど

え:はい、お陰で怪我もなく、ここまで戻ってくることができました

プ:戻ってきた?

え:はい。ところで、プレさんは何をなさっているのですか?

プ:それはこっちの言うことだよ

え:いや、私は人間として一刻も早く帰宅して掃除を全うしなくては、と

プ:あんた、それこないだも同じこと言っていたよね

え:はい、そうでした

プ:まだ、掃除済んでないの?

え:はい、いや、今日は何日ですか?

プ:31日だよ。

え:えっ?本当ですか?

プ:本当だよ。大丈夫かね、おかしなことを聞く人だなぁ

え:じゃあ、もう4日も経っているということですか?

プ:こないだは28日に会ったと思うけど?

え:じゃあ、4日も迷っていたのか…

プ:あんた、迷ってたの?

え:はい

プ:どこを?

え:いや、わかりません

プ:とんでもないなぁ

え:はい、面目ない

プ:それでは、掃除もこれから?

え:はい、プレさんはいかがですか?

プ:昨日には全部済んだよ

え:そうですか、予定どおりですね

プ:当り前だよ

え:私も、あのとき、お宅にお邪魔してお手伝いをすればよかったかも

プ:そうでしょう?

え:はい

プ:そうすれば、プレーリーの一家と、もれなく知り合えたんだよ

え:はい…あの、今から、もれなく知り合うことはできないでしょうか?

プ:そうだなぁ。でも、もう掃除も済んだしねぇ

え:そうですか…そこをなんとか

プ:だけど、これから、蕎麦を食べるしね

え:蕎麦を食べるところに参加するのはできませんでしょうか

プ:まぁ、いいけども

え:本当ですか?

プ:ただ、あんた、人間として掃除を全うするのは?

え:あっ、そうだった…

プ:じゃあ、ひとまず、掃除したら?家に帰って

え:はい、そうします

プ:じゃあ、よいお年を~

え:はい、ありがとうございます。プレさんこそ、よいお年を~

 なんとか、プレーリーさんのお宅まで帰ってきたみたいです。ただ、ここからうちに帰るにはどうすれば?わからない。でも、自分の帰巣本能を信じるしかないようですね。もう少しだ。いや、きっともう少しだろう。もう少しかもしれない。

 それにしても、落下につぐ落下で、なんで元に戻ってきかけているんだろう?不思議です。

え:あっ、ねこさん!

ねこ:ん?

え:こんにちは。

ね:あんた、だれ?見たことあるな

え:はい、ときどき、飼い主のmiauleuseさんのブログ(ここ)にお邪魔させていただいている、えふと申しますが

ね:あ。

え:たしか、シラクさまでしたよね?

シラクさま:あ、名前知ってる

え:当然ですよ。いつもご様子をうかがっております

シ:おいらのこと、鏡餅呼ばわりしたでしょう?

え:いや、あの、まぁ、ご存知だったのですね?

シ:お陰で、せっかく気持ちよく眠っていたら、みかんを乗せられそうになって

Mochi1_2ここ

Mochi2_2 え:ああ、そうでしたね

シ:起きちゃったよ

え:あれは、みかんが冷たかったからでしょうか?

シ:うん、それに、何度も置いたりするし

え:あれは、たしかに、私がmiauleuseさんをそそのかしました

シ:ダメじゃん

え:う、すみませんでした

シ:ねこなのに

え:鏡餅扱いはちょっとひどかったですかね?

シ:いくら、おいらが白くて餅みたいに豊満だからって

え:そう、豊満でいらっしゃる

シ:それ、褒めてないから

え:いや、褒め言葉ですよ

シ:豊満って、褒め言葉なの?

え:はい、時代や地域にもよりますが

シ:ん?誤魔化そうとしてない?

え:してませんよ

シ:油断ならないなぁ

え:油断…いや、シラクさまは、普段たいそう油断しておられるようにうかがっておりますが

シ:してないよ

え:でも、お腹を丸出しで寝ておられるところを目撃したことがあります

シ:う

え:他にも、miauleuseさんのPC本体の上で落ちかけスレスレで眠っておられるところも見ましたよ(ここ

Mochi3_2 シ:ちょっと、なんでそんなことまで知っているの?

え:それは

シ:あやしいね

え:う…それは、シラクさまのファンだからです

シ:ファン?

え:はい

シ:ファンって何?

え:いや、まぁ、シラクさまのことを気にかけつつ、好ましく思っているというか

シ:ふ~ん

え:今後もおつきあいいただけると

シ:いいけど

え:ところで、シラクさまは、今、何をなさっているのですか?

シ:ちょっと散歩だよ

え:でも、寒いでしょう?

シ:そうだけど、ねことして、散歩をしなくては

え:ねこさんにも、ねことしての行動規範があるのですか?

シ:こうどうきはんてなに?

え:あ、ねことして、しなければならないことがあるのですね?

シ:それは、いろいろあるよ。

え:ふ~ん

シ:いつも家で、ぬくぬくとしていると思っているかもしれないけど

え:うんうん

シ:おいらは、最初から、飼いねこだったわけじゃないし

え:そうなんですか?

シ:そうだよ

え:では、どういう経緯でmiauleuseさんのお宅に住まわれることになったのですか?

シ:それは、いろいろあって…

え:はい

シ:miauleuseさんのおうちに入れてもらうようになったの

え:すごい簡素な説明ですね

シ:丁寧に説明すると

え:はい

シ:とってもドラマティックなんだけど

え:はい

シ:詳細を

え:忘れた?

シ:そう

え:え~

シ:にゃ~

え:いや、こんなときだけ、そんな声で誤魔化さないでくださいよ

シ:にゃ~

え:やだなぁ、ねこさんのくせに、「にゃ~」ばっかり

シ:にゃ~

え:ちょっと、シラクどん!

シ:ん?

え:あの、ゲージュツのこと教えてくださいよ

シ:ゲージュツ?

え:はい、段ボールをかじって、素敵な住まいにリフォームされたことは知っていますよ(ここ

Mochi4_2

シ:ああ、あれのことが知りたいの?

え:はい、知りたいです。あれは、ガウディに着想を得られたのですか?

シ:ガジ?

え:ガウディ、です

シ:ガジガジしているうちに

え:うんうん

シ:あんな風になってきたので

え:うんうん

シ:調子に乗ってがんばったら

え:うんうん

シ:ちょうどよい曲線に仕上がった

え:うんうん

シ:そんな感じ

え:そ、そうですか。結構、シンプルな説明ですね

シ:そう?

え:はい。あれは、もっと意匠をこらした力作かと思っていました

シ:あの中で眠ったりするときに使うんだけど

え:はい

シ:腕がね

え:うんうん

シ:ときどきだるいの

え:はあ、酷使されているのですね

シ:まぁね。だから

え:うんうん

シ:寝るときには

え:うんうん

シ:少し上にあげると

え:うんうん

シ:翌朝、疲れの取れ具合が

え:うんうん

シ:違うの。だから、腕をひっかけるためのカーブなんだよ

え:ふ~ん

シ:やっぱり

え:うんうん

シ:のんきに暮らしていると思っているかもしれないけど

え:うんうん

シ:ねこにはねこなりの

え:うんうん

シ:苦労もあるし

え:ほぅ

シ:だけど、ねことして、そんなの、あんまり言えないし

え:ああ

シ:だから、段ボールに工夫をこらしたり

え:ガジガジ、で?

シ:そう

え:そうですか~

シ:そう

え:ふ~ん

シ:うちには、先輩のねこもいるし

え:エルメスさまですか?

シ:うん

え:ああ、シラクどんには厳しい方なのですか?

シ:うん

え:だから、段ボールガジガジが、創作が、息抜きなのですね?

シ:そう、自由な時間

え:なるほど

シ:あ、

え:ん?

シ:そろそろ、家に帰る

え:あ、そうですか。

シ:うん、みんなが心配するといけないから

え:ああ、そうですよね

シ:じゃあ、またね~

え:はい、またブログにお邪魔しますけど、miauleuseさんにはよろしくお伝えください

シ:わかった~、じゃ~、にゃ~

え:気をつけて~

 一度お話してみたかったシラクどんに会えてよかったです。で、今は何時?ここはどこ?

 あ、あれは見覚えのある、近所の場所では?あ、やっぱり。おお、やっと家に帰ってきましたよ。どこをどうしたか?そんなの、わかりません。

 ああ、もう大晦日も夜になってしまっています。人間としての、掃除は?いや、ひとまず、水回りだけでもすることにします。

 それでは、人間として、掃除しますから。

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