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散歩の収穫。

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    散歩をしていて見つけた風景や動植物を記録しておくアルバム。不定期だけど、できるだけ更新を目指す。コメント歓迎。

田舎の風景

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    2008年9月8日~11日までの、田舎での時間。

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2008年12月の40件の記事

2008年12月31日 (水)

年の瀬に、迷っています。その3

ここからのつづき

えふ:もしや、カメさんですか?

カメ:そうです。カメにしか見えないでしょ?

え:はい。しかし、ここは、森の中ですが。あなたは、さらに、海ガメさんでは?

カ:そうです。海ガメだよ。

え:なにゆえ、ここにおられるのですか?

カ:それは、あなたが困っていると聞いて

え:あ、それは、ありがとうございます。困っているんです。

カ:それは、よかった

え:?

カ:実は、わしは以前にあなたに助けられたことがあるんだよ。

え:えっ?

カ:駅の階段の踊り場でひっくり返っているところを助けられました。

え:……いや、カメさんを駅で助けた覚えはないのですが

カ:あのときは、カメの姿ではなかったのです。

え:そうですか。はて?

カ:人間の姿でした。

え:あっ、そう言えば、もう何年も前になりますが、確かに、おじさんをお助けしたことがあるかも。

カ:そうです。それです。

え:いや、でも、本当にあなたがそのときの?

カ:はい、ひっくり返って自力では起き上がれないときに

え:ああ、結構重い方でしたが、なんとか腕を引っ張って起こした記憶があります。

カ:そう、あのときは助かりました。

え:いや、ご丁寧にありがとうございます。それにしても、どうしてあのときは人間の姿で?

カ:まぁ、人間が多く住む場所に出かける際に、このカメの姿では注目を浴びるし。

え:はぁ

カ:できるだけ目立たないように、と思って。

え:なるほど、ただ、あのときは、ひどく酔っておられたようでしたが

カ:いや、面目ない。ちょっと、古い友人にバッタリ会ったものだから、お酒が進んでねぇ。

え:そうでしたか。

カ:それで、今頃で、ちょっと間抜けなのだけども

え:はい

カ:あのときに助けてもらったお礼がしたいのだが

え:いえ、そんな、あんなことくらいで、お礼だなんて

カ:いや、それでは、わしの気が済まないし。

え:そうですか。

カ:そう、やはり、カメとして、受けた恩にはお返しをしなくては

え:はぁ、カメさんにも、カメとして、というお立場があるのですね。

カ:そう。

え:では、せっかくですし、そのお返しをいただきましょうか。

カ:そうかね、じゃあ、こっちだよ

え:はい、不思議世界の出口にご案内いただけるのですよね?

カ:いや

え:え?

カ:これから、龍宮城に案内するつもりだよ

え:えっ?

カ:さあ、こっちだよ。

え:いや、ちょっと待ってください、カメさん

カ:なにかね?急がないと、こっちにも都合というものが

え:はい、カメさんや龍宮城のご都合もお察ししますが、私にも人間として一刻も早く帰宅して掃除をしなくてはならないという都合があるのです。

カ:なんですと!

え:あ、あの、せっかくのご厚意は大変ありがたいのですけども

カ:龍宮城への招待を辞退すると?

え:はい、せっかくなのですが。お気持ちだけで、もう。

カ:はっ、龍宮城の説明がまだだったね。

え:あ、カメさんからはご説明いただいておりませんが、だいたい、どんなところかは存じています。

カ:ほんとか?

え:はい。

カ:それなのに、辞退すると?

え:はい。

カ:なにゆえ?

え:ええと、龍宮城がすばらしいエンターテイメントを提供なさっていることは十分に存じているのですが、私はそういったタイプのエンターテイメントには、さほど関心がありませんで。

カ:なんと!

え:いや、すみません。一流のエンターテイメントであることに疑いはもっていないのですが、私のような、そのすばらしさを解するセンスのないものでは、もったいないので。

カ:そうか、でも、事前に予想しているのと、実際に経験してみるのとは、また違った味わいがある場合もあるよ。

え:はい、そうでしょうね。

カ:どうしても、固辞すると言うのか?

え:はい、カメさんのご厚意なのに、本当に申し訳ないのですが。

カ:後悔しない?

え:う~ん、たぶん

カ:そうか。

え:はい、それで、すみませんが、こちらからそのときのお礼をお願いしてもいいでしょうか。

カ:なに?

え:この不思議世界の出口を教えてください。

カ:ああ、それでは、次の生き物の登場を待つがいい。

え:え~、カメさん、教えてくださいよ。

カ:いや、悪いが、わしもカメとしてのお礼を固辞されては、立つ瀬がない。龍宮城の従業員にもあわせる顔がないし。

え:そんな~

カ:じゃっ、達者でな。

え:あ~、さよなら~。

 ああ、カメさんも行ってしまいました。知らない間にカメさんを助けていたとは。それにしても、龍宮城のもてなしは、どちらかというと、男性向けなのに、そういうことにはあまり気がつかないみたいでした。そういうのが嬉しい男性も必ずしも最近は多くはないかもしれないのにね。海の奥深くだと、最近のトレンド情報がなかなか届かないのかもしれませんね。

 これまで、いろいろな生き物の方に道を教えてもらおうと受け身で待っていたけれど、結局、みんな忙しいし出会ってもこちらが知りたい情報を十分にくれることはなかったな。じゃあ、同じように、ここで待っていても、きっと次も出口を教えてもらう前に次の都合のために立ち去られてしまう可能性は大きい。

 ちょっと遅いですが、そのように思い立った私は、自力で不思議世界の出口を探そうと歩き出しました。最初は広葉樹の森だったのに、今では針葉樹の森になっています。どうしてかはわかりませんが、ひとまず、自分の帰巣本能を信じて歩き続けるしかありません。

 少なくとも、どこかから落ちてきたのだから、きっと帰りはどこかから上に行くところがあるに違いありません。したがって、できるだけ上方に注意を払う必要があります。それにしても、まだ明るいです。もしかすると、ここは白夜のエリアかもしれません。地理的にありえないって?いや、そうですが、だいたい、この展開はありえない。だから、ありえるかもしれないのです。

 上に注意を向けながら歩いていて油断しました。何かにひっかかって転んでしまいました。転んだところはまたもや落ち葉が積み重なったところ。そこでクッションになっていて助かったと思ったら、地面が抜けてしまいました。あ~れ~と思ってそのまま落下。だって、どうしようもないではないですか。どうせ出口にもクッション性の高い素材が待っていてくれるでしょう。

 どさっと落ちたところは、今度は土でした。でも、掘り返したばかりの土が盛られているようで、やはり、柔らかい。よかったです。

生き物:ちょっと!

え:はい

生き物:なんてことしてくれるんだ!

え:え?あ、プレーリーさんではないですか。

プレーリー:そうだよ

え:私、何かしたでしょうか?

プ:うん、せっかく新年を迎えるにあたってプレーリーの家の周囲の盛り土を新しくふんわりを盛ったところだったのに

え:あ、これは、プレさん家の盛り土でしたか

プ:そうだよ。それなのに、あんたがどさっと落ちてきたから

え:ああ

プ:ふんわり感が

え:はい

プ:やや台無しだよ

え:う、すみません

プ:いやあ、気をつけてくれないとね

え:すみません、以後気をつけます

プ:まぁ、仕方ないけど

え:はい、お陰で怪我もなく、ここまで戻ってくることができました

プ:戻ってきた?

え:はい。ところで、プレさんは何をなさっているのですか?

プ:それはこっちの言うことだよ

え:いや、私は人間として一刻も早く帰宅して掃除を全うしなくては、と

プ:あんた、それこないだも同じこと言っていたよね

え:はい、そうでした

プ:まだ、掃除済んでないの?

え:はい、いや、今日は何日ですか?

プ:31日だよ。

え:えっ?本当ですか?

プ:本当だよ。大丈夫かね、おかしなことを聞く人だなぁ

え:じゃあ、もう4日も経っているということですか?

プ:こないだは28日に会ったと思うけど?

え:じゃあ、4日も迷っていたのか…

プ:あんた、迷ってたの?

え:はい

プ:どこを?

え:いや、わかりません

プ:とんでもないなぁ

え:はい、面目ない

プ:それでは、掃除もこれから?

え:はい、プレさんはいかがですか?

プ:昨日には全部済んだよ

え:そうですか、予定どおりですね

プ:当り前だよ

え:私も、あのとき、お宅にお邪魔してお手伝いをすればよかったかも

プ:そうでしょう?

え:はい

プ:そうすれば、プレーリーの一家と、もれなく知り合えたんだよ

え:はい…あの、今から、もれなく知り合うことはできないでしょうか?

プ:そうだなぁ。でも、もう掃除も済んだしねぇ

え:そうですか…そこをなんとか

プ:だけど、これから、蕎麦を食べるしね

え:蕎麦を食べるところに参加するのはできませんでしょうか

プ:まぁ、いいけども

え:本当ですか?

プ:ただ、あんた、人間として掃除を全うするのは?

え:あっ、そうだった…

プ:じゃあ、ひとまず、掃除したら?家に帰って

え:はい、そうします

プ:じゃあ、よいお年を~

え:はい、ありがとうございます。プレさんこそ、よいお年を~

 なんとか、プレーリーさんのお宅まで帰ってきたみたいです。ただ、ここからうちに帰るにはどうすれば?わからない。でも、自分の帰巣本能を信じるしかないようですね。もう少しだ。いや、きっともう少しだろう。もう少しかもしれない。

 それにしても、落下につぐ落下で、なんで元に戻ってきかけているんだろう?不思議です。

え:あっ、ねこさん!

ねこ:ん?

え:こんにちは。

ね:あんた、だれ?見たことあるな

え:はい、ときどき、飼い主のmiauleuseさんのブログ(ここ)にお邪魔させていただいている、えふと申しますが

ね:あ。

え:たしか、シラクさまでしたよね?

シラクさま:あ、名前知ってる

え:当然ですよ。いつもご様子をうかがっております

シ:おいらのこと、鏡餅呼ばわりしたでしょう?

え:いや、あの、まぁ、ご存知だったのですね?

シ:お陰で、せっかく気持ちよく眠っていたら、みかんを乗せられそうになって

Mochi1_2ここ

Mochi2_2 え:ああ、そうでしたね

シ:起きちゃったよ

え:あれは、みかんが冷たかったからでしょうか?

シ:うん、それに、何度も置いたりするし

え:あれは、たしかに、私がmiauleuseさんをそそのかしました

シ:ダメじゃん

え:う、すみませんでした

シ:ねこなのに

え:鏡餅扱いはちょっとひどかったですかね?

シ:いくら、おいらが白くて餅みたいに豊満だからって

え:そう、豊満でいらっしゃる

シ:それ、褒めてないから

え:いや、褒め言葉ですよ

シ:豊満って、褒め言葉なの?

え:はい、時代や地域にもよりますが

シ:ん?誤魔化そうとしてない?

え:してませんよ

シ:油断ならないなぁ

え:油断…いや、シラクさまは、普段たいそう油断しておられるようにうかがっておりますが

シ:してないよ

え:でも、お腹を丸出しで寝ておられるところを目撃したことがあります

シ:う

え:他にも、miauleuseさんのPC本体の上で落ちかけスレスレで眠っておられるところも見ましたよ(ここ

Mochi3_2 シ:ちょっと、なんでそんなことまで知っているの?

え:それは

シ:あやしいね

え:う…それは、シラクさまのファンだからです

シ:ファン?

え:はい

シ:ファンって何?

え:いや、まぁ、シラクさまのことを気にかけつつ、好ましく思っているというか

シ:ふ~ん

え:今後もおつきあいいただけると

シ:いいけど

え:ところで、シラクさまは、今、何をなさっているのですか?

シ:ちょっと散歩だよ

え:でも、寒いでしょう?

シ:そうだけど、ねことして、散歩をしなくては

え:ねこさんにも、ねことしての行動規範があるのですか?

シ:こうどうきはんてなに?

え:あ、ねことして、しなければならないことがあるのですね?

シ:それは、いろいろあるよ。

え:ふ~ん

シ:いつも家で、ぬくぬくとしていると思っているかもしれないけど

え:うんうん

シ:おいらは、最初から、飼いねこだったわけじゃないし

え:そうなんですか?

シ:そうだよ

え:では、どういう経緯でmiauleuseさんのお宅に住まわれることになったのですか?

シ:それは、いろいろあって…

え:はい

シ:miauleuseさんのおうちに入れてもらうようになったの

え:すごい簡素な説明ですね

シ:丁寧に説明すると

え:はい

シ:とってもドラマティックなんだけど

え:はい

シ:詳細を

え:忘れた?

シ:そう

え:え~

シ:にゃ~

え:いや、こんなときだけ、そんな声で誤魔化さないでくださいよ

シ:にゃ~

え:やだなぁ、ねこさんのくせに、「にゃ~」ばっかり

シ:にゃ~

え:ちょっと、シラクどん!

シ:ん?

え:あの、ゲージュツのこと教えてくださいよ

シ:ゲージュツ?

え:はい、段ボールをかじって、素敵な住まいにリフォームされたことは知っていますよ(ここ

Mochi4_2

シ:ああ、あれのことが知りたいの?

え:はい、知りたいです。あれは、ガウディに着想を得られたのですか?

シ:ガジ?

え:ガウディ、です

シ:ガジガジしているうちに

え:うんうん

シ:あんな風になってきたので

え:うんうん

シ:調子に乗ってがんばったら

え:うんうん

シ:ちょうどよい曲線に仕上がった

え:うんうん

シ:そんな感じ

え:そ、そうですか。結構、シンプルな説明ですね

シ:そう?

え:はい。あれは、もっと意匠をこらした力作かと思っていました

シ:あの中で眠ったりするときに使うんだけど

え:はい

シ:腕がね

え:うんうん

シ:ときどきだるいの

え:はあ、酷使されているのですね

シ:まぁね。だから

え:うんうん

シ:寝るときには

え:うんうん

シ:少し上にあげると

え:うんうん

シ:翌朝、疲れの取れ具合が

え:うんうん

シ:違うの。だから、腕をひっかけるためのカーブなんだよ

え:ふ~ん

シ:やっぱり

え:うんうん

シ:のんきに暮らしていると思っているかもしれないけど

え:うんうん

シ:ねこにはねこなりの

え:うんうん

シ:苦労もあるし

え:ほぅ

シ:だけど、ねことして、そんなの、あんまり言えないし

え:ああ

シ:だから、段ボールに工夫をこらしたり

え:ガジガジ、で?

シ:そう

え:そうですか~

シ:そう

え:ふ~ん

シ:うちには、先輩のねこもいるし

え:エルメスさまですか?

シ:うん

え:ああ、シラクどんには厳しい方なのですか?

シ:うん

え:だから、段ボールガジガジが、創作が、息抜きなのですね?

シ:そう、自由な時間

え:なるほど

シ:あ、

え:ん?

シ:そろそろ、家に帰る

え:あ、そうですか。

シ:うん、みんなが心配するといけないから

え:ああ、そうですよね

シ:じゃあ、またね~

え:はい、またブログにお邪魔しますけど、miauleuseさんにはよろしくお伝えください

シ:わかった~、じゃ~、にゃ~

え:気をつけて~

 一度お話してみたかったシラクどんに会えてよかったです。で、今は何時?ここはどこ?

 あ、あれは見覚えのある、近所の場所では?あ、やっぱり。おお、やっと家に帰ってきましたよ。どこをどうしたか?そんなの、わかりません。

 ああ、もう大晦日も夜になってしまっています。人間としての、掃除は?いや、ひとまず、水回りだけでもすることにします。

 それでは、人間として、掃除しますから。

何を祈っておられるのですか?

ねこ:(無言で祈祷)

えふ:どうかされたんですか?何か困ったことでも?

ね:ちょっとね。

え:ちょっと、には見えませんけど。

ね:まぁね。

え:深刻そうですね。

ね:……。

え:……。

ね:じゃあ、言いますけど、株がねぇ…

え:カブですか?

ね:うん、泥沼で

え:泥のついたカブ?

ね:いや、野菜ではなくて、株式の株ですよ。

え:ああ、株ですか。

ね:そう。

え:株が、どうされたのですか?

ね:下がりっぱなしで

え:ああ、そのようですね。

ね:このままじゃ、破産ですよ。

え:そ、それは、大変ですね。

ね:まぁね。

え:で、何を祈っておられるのですか?

ね:それは、決まっているじゃないですか?

え:はい、株が上がるように、ですよね?

ね:いや

え:???

ね:このまま、上がらないといいなって

え:ええっ?でも、このままでは破産なのでは?

ね:そう。

え:じゃあ、破産を祈っておられるのですか?

ね:う~ん、まぁ、そういうことになるのかなぁ。

え:でも、破産すると困るのでは?

ね:そうなんだけどさー

え:はい

ね:これまでの、こういう株が上がった下がったで

え:はい

ね:一喜一憂するような

え:はい

ね:暮らしは

え:はい

ね:すでに破たんしているんじゃないかって

え:はい

ね:思ってさ、ふと、ね

え:は~

ね:だから、もっと、お金がなくとも

え:ええ

ね:暮らしていけるような

え:はい

ね:世界にならないかなってさ

え:なるほど

ね:……

え:それで、今、祈っておられると?

ね:そう

え:それで、具体的には、何に祈っておられるのですか?

ね:…なんだろう

え:えっ?

ね:ねぇ、何に祈ればいいと思う?

え:いやぁ、そんなこと聞かれましても

ね:だけど、神様じゃありきたりだし。

え:はぁ、まぁ、多くの方がすでにいろんな祈りを捧げておられますもんねぇ。

ね:そう

え:でも、仏様も、同様かと

ね:そうだよね

え:じゃあ、ねこさんの神様はどうですか?

ね:ねこの神様?

え:はい

ね:そんなの、いないよ。

え:あ、そうなのですか?

ね:うん

え:では、ねこさんの世界では、誰が神様なのですか?

ね:神様、という概念自体がないの

え:そうなんですか。だけど、祈る、という概念はあるのですね?

ね:まぁ、僕はちょっと毛色が変っているからね。

え:そうですか、結構一般的な色柄かとお見受けしましたが

ね:いや、毛皮の話じゃなくて、パーソナリティが、だよ。

え:ああ、そうなんですか

ね:そういや、あんたも、ちょっと毛色が変わっているね

え:いや、私はいたって普通ですよ

ね:でも、色が変だよ

え:そ、そうですか。

ね:うん

え:そうか~、気がつかなかったなぁ。

ね:おかしな人だね

え:いや、恐縮です。それで、お祈りですが

ね:うん

え:ねこさんのねこ様に、祈られてはどうでしょうか?

ね:それなに?

え:人間の神様に相当する方です

ね:そんなの、いるの?

え:はい

ね:知らなかった

え:あ、今、作りました

ね:作った?

え:はい

ね:そんなの、頼りないよ

え:しかし、概念とはそういうものです

ね:そうなの?

え:はい、いると思えばいる。

ね:なるほど、信じろ、と?

え:はい、ねこさんのお望みの方向に世界が変わるように、信じてください。

ね:突然、大きな話にするね

え:はい、でも、大きさも自由自在ですよ

ね:ふ~ん

え:どうですかね?ねこさんのねこ様は

ね:いいかもね

え:よかった

ね:じゃあ、今から、それに祈るから

え:はい、ここにいるとお邪魔ですね

ね:ああ、悪いけど

え:いえ、では、また

ね:じゃ~

え:祈りが届くといいですね

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2008年12月30日 (火)

年の瀬に、迷っています。その2

(ここからのつづき)

え:ええと、エゾシカさんですか?

生き物:違うよ。トナカイだよ。ほら、この角を見てごらん。

え:えっ?トナカイさんでしたか。それは、失礼しました。

トナカイ:いや、いいよ。あたし、よくオスと間違えられるし、いろんな間違いには慣れているから。

え:ああ、メスのトナカイさんでしたか。角が立派ですよね。

ト:そうなんだ。シカの仲間で、メスにも角があるのは、トナカイだけなんだ。だから、よくオスのシカと間違えられるんだよねぇ。

え:それは、いやですねぇ。

ト:うん、まぁ、トナカイの業界では、性別なんか、あんまり関係ないんだけどさ。

え:そうなんですか?

ト:そう。ただ、別の種類のシカのオスから、メスのシカをめぐる争いのライバルとして、敵視されることがあって

え:へ~

ト:この角、かっこいいじゃない?

え:はい、それはもう。

ト:だから、シカのメスにもてるんですよ。

え:ああ、そうなんですか。

ト:そう。だからね、シカのオスに

え:嫉妬される?

ト:まぁ、平べったく言うと、そういうこと

え:なるほど、平べったく言うとね。

ト:そう。

え:でも、どうして、トナカイさんたちだけ、メスでも角があるんでしょうね?

ト:それはさ~

え:はい

ト:あたしたちの住んでいるところは

え:うんうん

ト:北極圏なわけですよ

え:ええ

ト:だから、男女共同参画、なわけよ。

え:???

ト:つまりね、

え:はい

ト:北欧は男女平等が進んでいるじゃない?

え:はい

ト:それは、人間の業界だけじゃないってこと

え:ええ、そうだったんですか?

ト:そうです。

え:でも、「男女共同参画」って言葉は、日本固有のものだと思うのですが

ト:まぁね。国際的には通用しないと思うけど

え:ええ

ト:あたしは、日本に商用で来ることもあるから

え:そうなんですか?

ト:そうなの。だから、知っておかないとね。

え:なるほど…それで、どういったお仕事をされているのですか?

ト:それはさー

え:はい

ト:トナカイで、かつ、商用で日本に来ると言えば、決まってるじゃない

え:ええと、…あ、サンタのソリをひく方でしょうか?

ト:そうそう

え:ああ、そうだったんですか。それはそれは、大変なお仕事ですね

ト:まぁね。

え:では、年に1回の一大イベントが先日終わったばかりなのですね

ト:ああ、それが、今年はさー

え:はい

ト:原油高で

え:ええ

ト:おまけに、この円高でしょう?

え:はい

ト:外国から日本にやってくるのは、とっても大変なんだー

え:ああ、そうでしょうねぇ。

ト:それで

え:はい

ト:今年は、日本はお休みにしたんだって

え:えー

ト:あたしが決めたんじゃなくて、サンタが決めたんだってば

え:そうだったんですか、それにしても

ト:だから、サンタ来なかったでしょ?

え:はい、うちにはいらっしゃいませんでしたが、それは別に

ト:おかしいとは思わなかった?

え:いえ、特には

ト:ちょっと鈍いんじゃ?

え:はい、鈍いことは否定しませんが、でも、サンタさんは、うちには例年も来られませんので。

ト:そんなはずはないよ

え:いや、しかし。お言葉ですが、昨年もいらっしゃった形跡がありませんでしたが

ト:サンタが来たからといって、必ずしも、靴下にプレゼントが入っているとは限らないんだよ

え:えっ?サンタさんからは、靴下にプレゼントを入れてもらうのが、国際的な取り決めになっているとばかり思っていましたが

ト:あなた、ちょっと情報が古いよ

え:そんなはずは…毎日世の中の動きをチェックしているつもりなのですけども

ト:だけど、今年、サンタが日本は回避したことも、知らなかったじゃない?

え:はい、面目ない。でも、それは、例年、うちには来られないので、気がつきにくい、という個別の事情も汲んでいただけると

ト:いや、さっきから、昨年は訪問しているはずって言ってるでしょ?

え:はい、でも、さっきから、昨年もいらっしゃらなかったと言っているのですけども

ト:だから、ブツの有無は、サンタ訪問の証拠にはならないってこと

え:そうなんですか?

ト:そうそう

え:では、昨年はうちにはサンタさんは、何をしにいらっしゃったのでしょうか。

ト:それはね、望みのものを渡しにきたんだよ

え:でも、何もいただいていないし、第一、お会いしていないのです。

ト:あのねぇ、サンタが、あのいわゆるサンタの恰好で来ると思っていないでしょうね?

え:いや、思っていますが、違うのですか?

ト:もう、これだから、サンタの事情に疎い人は困るよ

え:すみません。たしかに、そういう情報にはとっても疎くって

ト:サンタは、人間の男性だと思ってる?高齢の

え:はい、思っています。

ト:違う違う。

え:では?

ト:いや、それは、やっぱり、あたしの口からは言えないや。

え:え~

ト:ごめんごめん

え:教えてくださいよ

ト:だけど、業務上知りえた秘密には、守秘義務があるって、あなたも知っているでしょう?

え:はい、私も業務上の秘密はきちんと守っているつもりですよ。

ト:だったら、あたしが言えない事情も汲んでよね

え:…はい、わかりました。それにしても、気になりますね。

ト:まあね

え:では、昨年の私へのプレゼントは何だったのかについては?それも、守秘義務に抵触しますか?

ト:いや、ただ

え:ただ?

ト:それは、自分で気がついたほうが

え:…また…

ト:ん?何か言った?

え:あ、すみません。トナカイさんに対してだけ、というわけではないのですが、不思議世界では答えを教えてもらうことがなかなかなくって…

ト:ああ

え:みなさん、自分で考えろとおっしゃいますが

ト:うんうん

え:わからないから、お尋ねしているわけだし

ト:うんうん

え:謎がどんどん増えて

ト:うんうん

え:記憶容量が

ト:うんうん

え:はみだしそうです。

ト:はみだす?

え:はい、「わからない」で一杯です。

ト:なるほど…それは、ちょっとつらいかもねぇ

え:はい、ご理解いただけると

ト:そうだね。じゃあ、少し言うけど

え:はい

ト:あっ!

え:えっ?

ト:やだやだ、時間だよ。ごめん、次の用事があるから

え:え~、待ってくださいよ。ヒントもまだだし、それよりも、道案内のために、むささびさんが呼んできてくれた生き物でしょう?

ト:そうだけど、あたしにも用事があるしさ

え:いや、そうでしょうが、私も人間として帰宅して掃除をしなければ

ト:まぁ、ここで少し待っててよ。誰か来ると思うから

え:本当ですか?

ト:うん

え:頼みますよ。

ト:うん、じゃあ、悪いけど、またね~

え:はい、お気をつけて

 ああ、不思議世界の出口も教えてもらえなかったし、謎が増えただけだったよ。もう少し、親切な生き物が来てくれるといいなぁ。

生き物:ちょっと、

え:えっ?

生き物:もしもし

え:あ、トナカイさんに頼まれて来てくださった方ですか?

生き物:そうだよ。

ここにつづく)

2008年12月29日 (月)

他者を置き去りにすれば、いずれ、自分も置き去りにされる。

置き去り社会の孤独

『置き去り社会の孤独』(大津和夫、2008年)

 派遣契約を解除され、年が越せないかもしれない人も続出らしいですね。とんでもないことです。

 本書は、現在の状況を考えるにはとてもよいと思います。日雇いで働いてその日の暮らしは賄えても、将来がない、先のことが考えられない、最初は持っていた希望をだんだん失っていく様子がよく伝わってきます。

 本書が問題にするのは、「社会的排除」とその対概念である「社会的包摂」です。前者はsocial exclusion、後者はsocial inclusionの日本語訳なのですが、安定的である程度継続的な仕事があるかどうかというような経済面のことだけでなく、人とのつながり、社会とのつながり全体を含んだ広い概念なのですね。ただ、卑近なことを言えば、お金がなければ、ちょっとお茶に誘われてもそれにつきあうことができません。そういう意味では、やはり、財布の体力の問題は、単に経済的な問題にとどまらない。そこが非常に深刻なのだと感じます。また、経済的な困窮は、精神的な貧しさや余裕のなさに直結します。

 日本の福祉については、企業福祉と家族福祉であるというように聞くのですが、企業にも所属せず、お金がないために家族も形成できないと、本当に何のセイフティネットもないのだなと思います。それなのに、就職できないのも結婚できないのも、個人の能力のせいだという声も聞こえてくる。悲惨です。

 最近有名になった「もやい」で定義する5つの排除の概念は、興味深かったです。「学校教育からの排除」「雇用を含め、企業福利からの排除」「家族福祉からの排除」「公的福祉からの排除」「自分は生きる価値がないと思い詰める『自分からの排除』」です。4つ目までは、さほどインパクトがないのですが、5つ目は、大変衝撃的ですね。そう、これがもっとも深刻でもっとも問題なのだ、と私は思います。自分で自分の価値がないと思ってしまう、これ以上に悲惨なことはないのではないか、という気がします。ただ、これも、他の4つとの複合的なつながりを持って発生することなのでしょう。

 日本でも近年やっと若者に対する支援の重要性が語られる場面が見られるようになってきました。それ以前は、フリーターと呼ばれる人たちを、雇用対策の不備や企業の都合の問題で発生しているのではなく、若者が勝手になって定職につきたがらない、という視点のみが強調されてきた感がありました。 「最近の若い者は…」という若者批判は、一説によれば、紀元前からあるとか。なんでも、立場の弱い人たちに責任を押し付ける思想って、紀元前からあるのでしょうかね。いい気なものです。

 他国では、若者が社会から排除されないために、重点的な政策の対象となっているところもあるようです。本書では、スウェーデンの例を紹介されていました。すでに50年の歴史があるそうです。具体的には、対象を13~25歳とし、政策の主眼は若者に「まともな生活」を保障することだそうです。「まともな」の意味は、「自分の人生を左右する生活水準、健康と福祉、そして、他の人と同様、社会に参加する可能性と権利のこと」だそうです。非常にまともですね。

 重視すべき視点として、4つあるそうです。

1.「資源」=若者独自の知識、価値観を尊重し、活用する

2.「権利」=健康や社会経済活動において一定の水準を確保する

3.「自立」=抑圧や男女の固定的な性別意識などを減殺することによって、若者の自立を支援する

4.「多様性」=若者を一律ではなく、個々人として、均等に扱う

 他にも、若者が政治意識を持つことができるような機会を与えています。これも、大変まともなことだと思います。若者に限らず、政治にまともな関心を持つことを忌避しがちな印象を受けるどっかの国とは大違い。冷笑的なコメントをすることが、大人のしるしのようになっているのも、不思議な感じのするところです、どっかの国のことですけども。

 スウェーデンだけでなく、オランダやフランスの事情も紹介しているのですが、いずれを読んでも、他国にできることが日本でもできないわけはないのではないか、と思います。

 最終章である第4章では、「<置き去り>のない国への一〇の提言」として、著者の提言が述べられている。一貫してるのは、責任の所在をきちんと見据えておられるところだと思います。国・政府の責任を明確に論じておられると思いました。具体的には、本書を読んでください。

 「置き去り社会」、なんという、単語なのでしょうか。私はこれを読んで、今日のタイトルを思い浮かべました。

2008年12月28日 (日)

年の瀬に、迷っています。その1

 年の瀬でみんながせわしなく家路を急いでおられます。私もやっとひとつの仕事は年内終わりになり、これから、家の片付けとか、年末らしき雑事に取りかからねばなりません。間に合うのか?いやあ、むずかしそうです。だいたい普段でもできないことを、年末に一気にやろうということ自体が無理なのです。最初からわかっているのですが。

 食糧を備蓄しておこうと買い物に出かけたのに、また、どこかよくわからないところに迷い込んでしまいました。まぁ、いつものことですが。しかし、近所のはずなのに、あまり見たことのない風景ですよ、また。困ったことです。おまけに、田舎でもないのに、さっきから誰も通りがかりませんよ。またか?また、不思議世界に足を踏み入れたのでしょうか。

 不思議世界の経験値がだんだん上がりつつある今日この頃です。きっと、しばらくすると、どこからか、ねこさんが現れるのではないでしょうか。そう思い、ねこさんが通りがかるのを待つことにしました。

 あっ、向こうから誰かが来られます。誰だろう?頭が丸いです。ねこさんだとしたら、スコティッシュホールド種か、その流れを先祖にもたれる系列の方でしょう。でも、全体の様子がちょっと違いますね。色も、ベージュっぽい。頭が丸くて耳がピンとしていない、ベージュのねこさん?そんなの、珍しい。

穴の中から『こんにちは』

えふ:あのう、すみませんが、

生き物:ん?なんですか?

え:あなたは、どなたですか?

生き物:名前ですか?名前はプレです。

え:あ、プレーリードッグさんですか?もしかすると?

プレーリードッグ:ええ、そうですよ。見ればわかるでしょ。

え:いや、すいませんでした。おっしゃるとおりです。見ればわかりますとも。

プ:おかしなことを言う人だな。

え:いや、まぁ、最近、ねこさんとの遭遇が多いものですから、今日は事前に、ねこさんとお会いするに違いないと決めつけていたせいで、知っているはずのプレーリーさんのお姿がすぐにはわかりませんでした。

プ:そうですか。……決めつけのもたらす視野狭窄については、あなたは十分知っているはずですのにね。

え:はい、そうでした。でも、知っていてもできないときもありますよ。

プ:まぁ、そうですね。

え:ところで、プレーリーさん、何をしているのですか?

プ:名前は、プレです。

え:あ、失礼しました。プレさん、何をしているのですか?

プ:家の掃除です。

え:いや、しかし、ここは路上ですけども?

プ:この下に、私たちの家があるんですよ。今、外にゴミを出しに出てきたところなんです。

え:ああ、そうなんですね。それで、おうちにはどこから入るのですか?私にはどこにおうちがあるのか、全くわからないのですが。

プ:うちに来ますか?掃除なら、やることはたくさんありますんで。

え:あ、ありがとうございます。おうちの様子はとても気になるのですが、掃除のお手伝いはあまり得意でもありませんし、私も自分のうちの掃除をしなくてはなりませんから。

プ:そうですか。残念ですね。今来ると、もれなくプレーリーの一家と知り合えるのに。

え:う~ん、魅惑的ですね。いや、しかし、私は掃除は…

プ:そうですね、掃除ができないと、うちに来てもらっても仕方ないですしね。

え:はい、残念ですが。……あの、掃除が終わるのはいつ頃でしょうか?

プ:そうですねぇ、うちは大晦日にまで大掃除をするような計画性のない生活はしないように、今年の年頭に家族で申し合わせたので、遅くとも30日には終わらせるつもりです。

え:それは、偉いですね。新年のうちに決めたことなんて、私なんか、なんだったのかすら、思い出せませんよ。

プ:それは、人間として、許されることなのですか?

え:う、プレさん、厳しい指摘ですね。おっしゃるとおりなのですが、年頭の目標をすぐに思い出せないくらいで、人間が失格になってしまうのは、あまりに厳しいのではないか、という気がします。

プ:それくらいの厳しさがないと、掃除も終わらないのですよ。

え:う

プ:ああ、大変だ。ゴミを捨てに来ただけなのに、戻って掃除を進めなくっちゃ。

え:ああ、時間をとってすみませんでした。あの、掃除が済んだら、お宅にお邪魔してもよいでしょうか?

プ:う~ん、そうだなぁ。考えておきますよ。

え:そうですか。では、お掃除がんばってください。

プ:あなたこそ、人間としてがんばってください。

え:う、ありがとう。では、また。

 プレさんは、そそくさと地下にお戻りになりました。不思議世界では、必ずしもねこさんが通りがかられるとは決まっていないことを学びました。それにしても、通りがかった生き物に道を尋ねようと思っていたのに、苦手な掃除の話題をふられて、すっかり忘れてしまいました。このままでは、家に帰ることができません。

 途方に暮れていました。時計をして出かけたはずなのに、今いったい何時なのか、わかりません。時計を無くしたかって?いえ、時計は先ほどからずっと左腕にあるのですが、なぜか、動いていません。電池が切れてしまったのでしょうか。

 あ、あれは、切り株では?この切り株は、先日、とあるねこさん(ここ)が座っておられたものと似ています。あのときは、何をなさっていたのか、尋ねても教えてもらえませんでしたが。今日は、ここにはおられないのでしょうか。と思ったら、ねこさんがおられました。おかしいな、さっきは誰もいない切り株だったのに。ねこさんは、こないだと寸分違わない様子です。

え:こんにちは。お久しぶりです。

ね:ん?

え:ほら、先日お会いした

ね:そうだった?

え:はい、何をしておられるのか、伺いました。教えてくださいませんでしたが。

ね:あ、そういうこともあったね。

え:はい、あのあとも、しばらく考えてみたのですが、やはり、わからないままになっていたので、今日お会いできてよかったです。

ね:そう。

え:それで、今日は何をなさっているのですか?

ね:こないだと同じ。

え:そうですか。では、こないだは、何をなさっていたのですか?

ね:いつもと同じ。

え:う、……いつもは、何をなさっているのですか?

ね:だいたい

え:だいたい?

ね:この切り株に座って

え:座って?

ね:目を閉じて

え:うんうん

ね:居る

え:居る?

ね:そう。

え:???

ね:……

え:この切り株に座って、目を閉じて、居ると?だいたい、いつも?

ね:そう。

え:それは、何のためですか?

ね:何のためでも、ない。

え:???

ね:……

え:何のためでもないことをするため、ですか?

ね:違う。

え:う~ん、わかりません。

ね:何かのためでも、何でもないためでも、ない。

え:…もしかすると、「○○のため」という発想がダメなのでしょうか?

ね:そう。

え:ああ、そうか~。

ね:無

え:む?

ね:無

え:ああ、無、ですか。

ね:そう。

え:そうすると、ねこさんは、毎日、だいたい、ここに来て、切り株の上で、「無」なのですね?

ね:そう。

え:なるほど。わかったような、わからないような。

ね:わかったり、わからなかったり、じゃない。

え:???…あ、これも、さっきと同じでしょうか?

ね:…

え:わかったり、わからなかったり、じゃないんだ。わかる、わからない、じゃなくて、う~ん

ね:存在を確認するためには

え:うんうん

ね:存在を確認しては、ダメだ。

え:なぜです?

ね:それは、言えない。

え:わかりません。あ、わかりません、はいけないのか。

ね:そう。

え:無、です。

ね:そう。

え:そうか。

ね:そう。

え:ねこさん、すみませんでした。

ね:?

え:私には、ねこさんに問いかけるだけの、無がありません。

ね:無我?

え:無、が、です。

ね:そうか。

え:はい

ね:じゃあ、そのときになったら、また。

え:はい、そんなことには、ならないような気もしますが。では、失礼します。

ね:……

 いやあ、また、大変な問答になりかけました。意味不明ですよ。「わからない」も言ってはいけないなんて。でも、今日は前回よりは少しお話ができましたよ。内容が理解できなかったけど。わかった感が少しもない会話って、新鮮!と言いたいけど、わかった感ってなかなか持てないものです。それにしても、わからなすぎ感の豊富なねこさんでした。

 もう少し会話になるような生き物と遭遇したいなぁ。赤さんは?赤さんが出てきてくれないかしら?あ、でも、年末年始はご家族で帰省するって言っていたなぁ。じゃあ、無理か。

 しばらく歩いていくと、道路の脇に蓋がありました。側溝の上に置いてある、あの蓋です。だから、金属製で格子状になっています。格子から覗くと、溝がありませんよ。その代わり、向こうに世界がありました。森です。森を上から眺めているみたいです。でも、ここは道路の側溝でしょうに。なにゆえ?

 蓋に乗ってなおもよく様子を見ようとしたところ、乗っていた蓋ごと下に落っこちてしまいました。ここの辺りの階層構造がよくわかりませんが、落ちたものは落ちたものとして対応するしかないでしょう。

 さっきまでの不思議世界とは違ったところに、森ができていました。なぜ?それは、私が知りたいです。
 樹齢50年ほどの広葉樹の隣にもふもふの落ち葉が積み重なっている、そこに落ちました。タイミングと場所の都合がよすぎですが、ここで、落下によるショックでフェイタルな外傷を負ってしまっては、話として深刻すぎるからでしょうか。まぁ、一種のご都合主義ですね。お陰で、怪我もなくてすみました。

 広葉樹にはウロがあります。どなたか住んでおられるのかもしれません。あ。

え:あのう、すみませんが

むささび:何ですか?

え:むささびさんですよね?

む:そうですが、それが何か?

え:いえ、よかった。あの、ちょっと道に迷ったんですけども、道を伺っても?

む:いいですけど

え:不思議世界の出口はどちらでしょうか?

む:あっちだよ。

え:そうですか。どうやって、行けばいいでしょうか?

む:この木の天辺から、隣のアカマツの枝に飛び移って、それから、さらに、隣のケヤキの天辺からその隣のブナに飛び移って

え:あの、すいません、むささびさん

む:ん?

え:せっかくなのですが、私はあなたのような皮膜を持っていないので、そういう道順では、教えていただいても、そのとおりにすることができないのですが

む:あ、そうか

え:はい、滑降は、してみたいのですけども。なにぶん、皮がね、ないですし。

む:そうか。皮もないとは、不便なこと。

え:はい、ただ、皮があったことがないので、さほど、不便を感じたことはありませんでした。これまでは。

む:今、感じているでしょう?

え:はい。いまだかつて、ここまで、皮がない不便を感じたことはありません。

む:お気の毒に。

え:ありがとうございます。しかし、所与のものですから、ない皮をねだっても仕方ないですし。

む:まぁ、そうだね。僕も自分のしかないし、あげるわけにもいかないしね。

え:はい、お気遣いありがとうございます。お気持ちだけで。

む:うん。そうすると、僕に道順を聞いてもダメだろうな。逆に、僕は皮のない道順は教えられないや。

え:そうですね。わかりました。でも、困ったな。人間として、早めに帰宅して、掃除をしなくてはならないのですが。

む:ああ、よくわかるよ。じゃあ、別の生き物を呼んでくるから、ちょっとそこで待っていてよ。

え:そうですか、それは助かります。じゃあ、ここに居ますね。

む:うん、待っててね~。

 むささびさんが皮飛行でどこかに行ってしまわれました。出かけてから相当時間が経っているのではないかと思うのですが、時計も止まったままだし、外も明るいままです。今、何時なんだろう?さっき、むささびさんに聞けばよかった。わからないかもしれないけど。

 待ちくたびれてうとうとしていたみたいです。

え:あ、あなたは、むささびさんが呼んできてくれた方ですか?

生き物:そうだよ。

ここにつづく)

2008年12月27日 (土)

かえるちゃん、大人気。

 先日、ワーク・ライフ・バランスを推進しようという政府のキャンペーンマスコットのかえるちゃんのバッジをいただいたことを書きましたが(ここ)、みんなが欲しがるので差し上げたら、自分のも無くなっちゃいました。なんだか、大人気です。

 このバッジ、地の色が黄色いものと、白いのと2種類あるのです。欲しい人はもしかしたら、もう一方のも欲しがって、両方とも欲しいのかもしれません。

 が、もう手元にないし、どうすれば。

 年が明けたら、もう少し入手する方法を考えることにしましょう。

 今月はハードでしたが、あと1日、明日でなんとか仕事納めです。世間は昨日で仕事納めだったようですね。気が付きませんでしたが。

 ちょっとからだが痛いです。過労か?

 明日は、今日託された用件で、大変コミュニケーション能力を試されることがあります。が、だいたい、心の準備ができたので、さっさと眠ることにしましょう。

2008年12月26日 (金)

カタラレな日々。

 昔からなんですが、実はカタラレです。語られ、という意味です。いろいろな方から、語られ、ます。カタラレと呼んでください。

 今日は、事前に連絡をいただいていた方に用意しておいたものをお見せしたところ、お役に立つところがあったらしく、大変感謝してくださり、聞いてもいないのに、大変プライベートなことについてあれこれカタラレかけ、他の人も聞いているのであまりカタラレないように気を遣いつつ、満足してお帰りいただきました。

 この方はかなり短時間でしたが、以前は2時間くらいカタラレたこともあります。そういう体質なのでしょう。

 別の人からも、日常的にカタラレて、おります。いろんなところで、つかまっています。

 カタラレとしての業務(?)も、今年随分がんばりました。これを、カウンセラーなどの時給に換算すると、かなりな高給取りな気もしますが、全部、無給ですね。

 この力を、何か別のことに活かすべきでしょう。来年は、具体的な方法を考えてみたいものです。

 でも、内容によっては、かなり私自身も楽しんだり関心を持ったりしつつ、カタラレてはいるんですけどね。

2008年12月25日 (木)

クリスマスねこの森

 散歩に出たつもりが、すっかり、迷ってしまいました。ここはどこなんだろう?

えふ:あ、ねこさん!すいません、ねこさん!

ねこ:ん?

え:あ、よかった。さっきから、誰も通りがからないから。

ね:あんた、だれ?

え:あ、はじめまして、えふと言います。

ね:なにしてるの?

え:あ、あの、最初は、散歩していたつもりだったんですが

ね:どうして、ここに来たの?

え:わかりません。迷い込んでしまいました。

ね:……集まりに来たわけではないの?

え:えっ?何かの集まりがあるのですか?

ね:そう。今日だけ。

え:今日だけ?

ね:そう、毎年、今日だけ。

え:ああ、年に1度の大きなイベントのある日なのですね。

ね:そう。今から、行くの。

え:あのう、それは、どういう趣旨の集まりなのですか?

ね:行けば、わかる。

え:そうですか……あの、それは、私も行ってもいいでしょうか。

ね:行けば、わかる。

え:……行き方が、わかりません。

ね:一緒に行けば、わかる。

え:ご一緒しても?

ね:そう。

え:じゃあ、お願いします。

ね:……こっち

え:はい。それにしても、ここは立派な森ですねぇ。うちの近所に森なんて、あったっけ?ここは、なんという森ですか?

ね:クリスマスねこの森

え:?クリスマスねこの森、ですか?

ね:そう。

え:へぇぇ、そんな名前の森があるとは、初めて知りました。

ね:いつもは、ない。

え:え?いつもは、ないんですか?

ね:そう。

え:あ!これも、年に1度?

ね:そう。

え:そうか、だから、関係者しか知らないのですね?

ね:そう。

え:あっ!ねこさん!あそこ!

ね:ん?

え:あの、向こうの木の陰のところに、毛皮を洗濯中のねこさんの姿が見えました。

ね:あ…

え:あ…、あ、でも、見ていません。いや、見ましたけど、あの、内緒だってことは知っていますから。

ね:そう。

え:はい、あの、誰にも言いません。

ね:そう。

え:はい、お約束します。でも、ねこさん方が季節の変わり目に毛皮をクリーニングに出されることは知っていたのですが、毛皮クリーニング中の、脱いだねこさんのお姿は、初めて見ました。

ね:それは、ルールがあって…

え:はい、存じています。

ね:そう。

え:はい。だから、秘密ですよね?

ね:そう。

え:大丈夫です。それにしても、本当に、あんな風に脱げるんですね。

ね:……

え:あの、ねこさんも、脱げるんですよね?

ね:そうだけど

え:ふ~ん……

ね:想像しないで

え:ん、すみません。想像していました。

ね:やめれ~!

え:あ、あそこ!あの、白い花の咲いている木の陰のところ!

ね:ん?

え:あれは、「ロバの耳袋」では?

ね:「ロバの耳袋」?

え:はい、おかしいな。なぜ、こんなところに落ちているんだろう。

ね:それは、なに?

え:ええと、「ロバの耳袋」はですね……、ねこさんには、誰にも言ってはいけない秘密を打ち明けられたり、偶然知ってしまったときに、胸や頭がいっぱいになってしまって、でも、誰にも言えないし、どうしようと思って、ぐるぐるすることはありませんか?

ね:……ない。

え:あ、そうですか……。じゃあ、そういう人もいるってことで、聞いてください。人や他の生き物の悩みや苦しみを聞く機会に多く恵まれると、そして、そのことを誰にも言わないで、自分の心のなかだけにとどめようとすると、ときどき、いっぱいいっぱいになるときがあるわけです。

ね:ふ~ん

え:そういうとき、多くの人は、「これは、誰にも言わないでね。秘密だけど…」と、他の誰かにしゃべってしまうことも多いんですが

ね:それ、ダメじゃん。

え:いや、まぁ、そうなんですけど、でも、それくらい、「誰にも言わない」ってことはむずかしいということかと思うんですよ。

ね:ふ~ん、ねこだから、よくわからない。

え:そうか、ねこさんですもんね。あ、それで、それでも、自分の気持ちが軽くなるために、他の誰かに秘密をしゃべってしまうことに罪悪感を覚える人だって、結構いるわけで

ね:うんうん

え:そういうときに、この、「ロバの耳袋」を利用するわけですよ。童話『王様の耳はロバの耳』に着想を得て開発されたものなんですが。

ね:ふ~ん、どうやって使うの?

え:「ロバの耳袋」は、巾着状の袋なのですが、素材は山羊の皮でできています。

ね:ロバの皮でなくて、いいの?

え:はい、素材は入手しやすい皮にならざるをえず。紐の部分はピッグスキンなんですけどね。でも、最初はふつうの革袋なんですよ。

ね:うんうん

え:巾着状の袋ができたら、干します。

ね:干す?

え:はい、いや、もともと乾いているんですけど、木に吊るす、というか、ね。

ね:なんで?

え:そうすることで、初めて「ロバの耳袋」としての、効力を発揮するようになるからです。

ね:?

え:わかりにくかったですね、すみません。ええと、「ロバの耳袋」は、人から聞いた秘密や、そのためにいっぱいになってしまった気持ちを吐き出すために、使う道具なんです。

ね:秘密を入れておくの?

え:そうです。だから、出された秘密や気持ちが袋から漏れてしまっては、大変なことになります。

ね:そうか

え:はい、したがって、縫製がしっかりしているだけではダメで、そこに、魔法をかけて、少しも漏れのない袋として完成させなければならない、というわけです。

ね:ふ~ん

え:ただ、「ロバの耳袋」が商品化された噂は聞いていたのですが、こんなところで作られていたとは、知りませんでした。

ね:使ったこと、ないの?

え:私ですか?はい、今までは、自分の心のうちにとどめておくだけで、なんとか、なっていたので。

ね:そう。

え:他の人に言うことは、なかなかできないですから。

ね:「ロバの耳袋」、使ったら?

え:そうですねぇ。いざ、というときのために、ひとつ、持っておこうかなぁ。

ね:あ、時間が

え:えっ?あ、集会の時間に遅れそうですか?

ね:そろそろ、先に行ったほうが

え:そうでしたか。では、「ロバの耳袋」は、また次の機会に求めることにします。

ね:そう。

え:はい。

ね:じゃあ、こっち

え:はい。……あっ!ねこさん、あそこ、見てください!

ね:ん?

え:あの、背の高いこんもりした木ですよ。いろいろ、何かがつり下がってる。

ね:あ…

え:あ、近づいたら、ねこさんの毛皮じゃないですか?いろんな色と柄のがある。

ね:あの…

え:あ、この黒と茶色の縞のやつ、これが、私は一番好きですねぇ。

ね:あの…

え:あ、灰色と黒の縞のもある。これも、結構好きだけど、なかなか、縞のねこさんのなかで、この色合いの方にはお会いする機会が少なくって。

ね:あの…

え:たしか、サバ猫って言われたりするんですよね?魚のサバの色柄にちょっと似ているから。

ね:あの……

え:あ、ここは、ねこさん専用の毛皮クリーニング店の、店先なんですか?

ね:いえ、店先ではなくて、実際にクリーニングを行う作業場。

え:ああ、そうか

ね:だって、誰にも見られたら、ダメだし…

え:そうか、そうですよね。こんなの、見れるってわかったら、私なんか、いつもここを通りがかりますよ。

ね:それに、盗まれでもしたら…

え:そうか。ひとつくらい拝借しても、と思われないとも、限りませんものね。

ね:人間には、ひとつくらい、でも

え:ああ、ねこさんには、ひとつしかない、大切な毛皮ですもんね。

ね:そう、なくなると

え:寒い?

ね:いや、寒いだけでなく

え:見た目がおかしい?

ね:おかしいのもあるけど、

え:ああ、普段の生活に

ね:戻れなくなっちゃうから

え:そうか。それは、大変なことですね。

ね:毛皮がここに干してあることは、くれぐれも

え:はい、もちろんです。誰にも言いませんよ。

ね:「ロバの耳袋」には?

え:あ、はい、「ロバの耳袋」にも、言いません。

ね:ほんとう?

え:はい、本当です。

ね:そう。

え:はい、でも、「ロバの耳袋」は、十分な品質管理がなされており、出荷されたものについては、機密性は保証つきですよ。

ね:でも

え:はい、誰にも、「ロバの耳袋」にも言いませんから、安心してください。

ね:そう。あ、時間が

え:そうでしたね。いろいろと、見たことのない、おもしろいものがあるから、つい、立ち止まってしまいますね。行きましょう。

ね:うん。

え:あ、ねこさん、あそこを見てください。

ね:どこ?

え:あの、しげみの向こうのところです。

ね:池がある?

え:はい、蓮の花のようなのが見えますが。

ね:そう、あれは、蓮。

え:これは、大賀蓮ではないでしょうか、濃いピンクの花の咲く。あれれ、花もつぼみもありますね。でも、おかしいなぁ、この蓮は夏に咲くはずなのに。

ね:ここでは、そういうことは関係ない。

え:そうか、ここは、違うのか。

ね:そう。

え:蓮の花は好きなので、ちょっと観ていてもいいですか?

ね:うん、あんまり、時間がないけど、少しなら。

え:あ、今にも咲きそうなつぼみがある。でも、こんな時間に咲くなんて

ね:ここでは、そういうことは関係ない。

え:そうか。時間も関係ないのか。

ね:そう。

え:もう少しで開きそうですね。

ね:うん

え:あ、

ね:「ポンッ」って、言った

え:今、開いたんですね。

ね:うん

え:何か、出てきました

ね:なに?

え:なんだろう。あ、みぃ~って言った。

ね:ああ、ねこが産まれたとこだ

え:えっ?ねこさんが?産まれたんですか?

ね:そう。

え:蓮から?

ね:そう。

え:ねこさんは、お母さんねこから産まれるものだと、てっきり

ね:そういうときもある。

え:そうですか。でも、蓮から産まれるときもあると?

ね:そう。

え:そうだったんですね。知りませんでした。

ね:特別なねこだけが、ときどき蓮から産まれるの。

え:そうですかぁ。いやあ、驚きました。

ね:そう?

え:はい、それで、特別なねこさんは、どういうお方なのですか?

ね:見た目は、ふつうのねこと同じで

え:うんうん

ね:鳴き声も、ふつうのねこと同じで

え:うんうん

ね:様子や動きも、ふつうのねこと同じで

え:うんうん

ね:だいたい、ふつうのねこと同じ

え:……じゃあ、何が特別なのですか?

ね:それは、相手によって違うの。

え:相手によって?

ね:そう。

え:どういう意味ですか?

ね:その相手が求めるものによって、特別さが違ってくるの。

え:ああ、では、同じ特別なねこさんでも、その特別さは、その相手や状況と関係性によって現れ方が違う、ということなのですか?

ね:そう。

え:ふうん…

ね:人間と話ができるねこもいれば

え:ええ、

ね:そこに居るだけで、

え:人間や他の生き物に、やすらぎを与えることもできる?

ね:そう。

え:じゃあ、ねこさんも、蓮から産まれたのですか?

ね:そう。

え:じゃあ、今は、私がもとめる特別さを発揮してくださっているのですね?

ね:そう。

え:そうだったのか。ありがとう。

ね:……

え:でも、それは、どういう特別さ、なのですか?

ね:それはね、

え:うんうん、

ね:自分で考えることなの。

え:う、そうですか…、そうですよね。

ね:そう。

え:そうか。

ね:そう。

え:う~ん、わかんないよう。

ね:そういうルールなの。

え:え、ああ、それも、ねこさん業界のルールなのですか?

ね:そう。

え:そうか、じゃあ、わからなくても、教えてもらうわけにはいかないのですね。

ね:そう。

え:…気になるけど、でも、自分でよく考えてみますね。

ね:うん、あ、時間が

え:ああ、急ぎましょうか。

ね:うん、こっち

え:そうか、じゃあ、今日、散歩に出たつもりで、今、ねこさんと一緒に歩いているのも、何か、私が求めている特別なことと、関係があるのですね。

ね:そう。

え:そうか、なんだろうなぁ……あ、向こうに大きなクリスマスツリーが見えますよ。

ね:そう。あれが目印。

え:じゃあ、もうすぐ、到着なのですね?

ね:そう。

え:クリスマス・パーティなのですか?

ね:……

え:ねこさん、そろそろ、教えてくださいよ。

ね:もうすぐ、わかるから。

え:そうですか。あ、そうだ、ここまで、連れてきてくださってありがとう。いろいろおもしろいものや景色を見ることができて、とても楽しかったです。

ね:そう。よかった。

え:あれ?赤さん?

赤さん:あれ、えふしゃん!

え:赤さんではありませんか!

赤:奇遇でちゅねぇ。

え:赤さんは、どうして、こんなところに?

赤:それは、今日がクリスマスねこの森の集会だからでちゅ。

え:赤さんも、「関係者」なのですか?

赤:そうでちゅ。

え:ああ、それは、よかった。これは、どういう集まりなのですか?

赤:えふしゃんは、ちらないで、ここに来たのでちゅか?

え:はい、お恥ずかしいのですが、散歩に出たと思ったら、道に迷ってしまい。通りすがったねこさんに、ここまで案内してきてもらいましたが。

赤:そのねこさんは?

え:あれ?今、一緒に来たんですけど。ねこさん?

赤:いまちぇんよ。

え:おかしいなぁ…さっきまで、お話していたんですけどね。

赤:本当でちゅか?

え:はい。

赤:おかちいでちゅね。もう、いまちぇんね。

え:はい。連れてきてはもらったけど、ここで、どうすればいいのか、わかりません。

赤:向こうに見える、クリチュマチュチュリーに、短冊を干ちゅんでちゅよ。

え:え?クリスマスツリーに短冊ですか?

赤:そうでちゅ。

え:それは、クリスマスと七夕の混同では?

赤:そうなんでちゅが、季節感も間違っているし、おかちいでしゅが、でも、ここでは、そういうことになっているのでしゅ。

え:そうですか。冬のはずなのに、たいして寒くもないですしね。

赤:えふしゃんも、短冊に書いて、あの木に干すといいでちゅよ。

え:赤さんは、何を書いたのですか?

赤:あたちは、短冊に「あたちのお母さんが無事に出産できますように」と書きまちた。

え:あ、そうですね。それが、一番ですね。

赤:はい。

え:私はどうしようかなぁ。

赤:なんでも、いいんでちゅよ。

え:そうですか。じゃあ、「気を確かに持って暮らす」とかは、どうでしょうか?最近、ぼんやりしているから

赤:それは、こころざちが低いでちゅ。

え:そうですよね、もうちょっと高い志を抱かないと、いけませんねぇ。

赤:はい。

え:じゃあ、「世界人類が平和で健康でありますように」ってのは、どうでしょうか?

赤:こころざちは高いでちゅが、ありきたりでちゅ。それに、どこかで聞いたことがあるような気もするし、オリジナリチィがありまちぇんね。

え:赤さん、厳しい批評ですね。おっしゃるとおりですが。

赤:あたちは、鋭いのでちゅ。

え:ええ、そうですね。じゃあ、困ったなぁ。

赤:なんでも、いいんでちゅよ。

え:いや、赤さん、お言葉ですが、さっきから、ダメ出しが続いていますが。

赤:「なんでも、いい」には、前提に隠れた期待水準が入り込んでいるのでちゅ。

え:そうですよね。なんでもいいが、なんでもいいわけではない、ってことは、よくあることですね。

赤:そうでしゅ。言葉どおりに受け取ると、間違ったことになることもありまちゅ。

え:ええ、でも、赤さん、その年齢で、そんなことまでおわかりだとは、さすがですね。

赤:公的機関に出かけたりちて、学びまちた。

え:……

赤:短冊を書いたら、そろそろ、みんながいるところに行きまちょう。

え:はい、じゃあ、「今年の縁が来年以降も続きますように」にします。

赤:やや抽象的でちゅね。

え:はい。でも、赤さんとの出会いも今年でしたし、ねこさん方や他の生き物との出会いもありましたし。

赤:あたちは、来年も、あたちたち世代の将来のためにも、がんばっていきまちゅ。

え:そうですね。また、ときどきお話を聞かせてください。

赤:もちろんでちゅ。あと、もう少し大きくなります、からだも。

え:そうですね。だけど、こないだよりも、少し大きくなられませんか?

赤:本当でちゅか?最近は、夜はできるだけ早めに寝るようにちていましゅ。

え:その効果があったのかもしれないですね。

赤:うれちいでちゅ。

え:では、行きましょうか。

赤:はい、こっちでちゅ。

え:どんな集まりなんですか?

赤:行けば、わかりまちゅから。

え:そうですね。あ、赤さん、足もとに気をつけて。あれ、向こうに、鳥の羽根のついた帽子をかぶってブーツをはいたねこさんがおられるようです。

赤:レッサーパンダの風太くんも来ているはずでちゅ。

え:そうですか。あれ、見たことのある生き物たちがたくさんおられるようです。

赤:あたりまえでちゅ。

え:えっ?あたりまえなのですか?

赤:はい、もうすぐでちゅから。

え:あ、赤さん、足もとに気をつけて。

赤:えふしゃんこそ、気をつけて。こないだ、壁から出っ張っている柱にぶつかっているのを見まちたよ。

え:え?見ていたんですか?あれは痛かったです。もう、声をかけてくれればいいのに。

赤:ちりまちぇん!

え:赤さん、どうしたんですか?待ってくださいよ。走ると転びますよ。待って~。

 クリスマスねこの森の集会は、その夜盛大に行われました。が、詳細は、「ルール」により、お知らせすることができないのでした。残念。

2008年12月24日 (水)

「あなた、見たことあるけど、誰?」の人

 今日、電話がかかってきました。一方的に自分の用件だけわ~っとしゃべる方で、ちょっとたじろぎましたが、負けられません。ご自分の電話番号を告げて切りかける感じがしたので、急いで「お名前を聞いてもよいですか?」と言うと、名乗られました。後日、こちらからご連絡するような用件なので、当たり前ですが。

 そうしたら、以前に、直接お会いしたことのある方でした。それも、ちょっと不思議な感じだったので、よく記憶しています。

 もう随分前になってしまいましたが、2年ほど前でしょうか。私を見て、「あなた、見たことあるけど、誰?」と話しかけてこられました。誰?って、そっちこそ、誰よ?と、多くの場合、思うと思うのですが。しかし、私はこういうことになぜか、慣れているのです。この言い方、実は初めてではありませんでした。その時点ですでに数回は経験しているという、変な経験豊富な人です。

 それで、その人は、なぜか、私に大変関心をお持ちになり、「ちょっと話したいから、いつならいい?」と言われ、後日、お話することになったのでありました。その際、名刺もいただいて、ご連絡先も知っていたのですが、その後、そのままに…。それで、久々に、たまたま電話に出たことでお話したというわけでした。

 こちらも名前を言うと、「ああ、知っているわ。前に会ったわね」とおっしゃいました。そうです、よく覚えていますね。まぁ、私も覚えていたわけですけども。

 これは、今日の出来事ですが、こういうことって、私の生息環境においては、さして、珍しいことではないのでした。でも、たぶん、他の人は、あんまりこういうことはないんだろうなぁという気がします。

 じゃあ、なぜ、私にこういうことがときどき起こるのか、ですが、それは、現在までのところ、未解明なのでした。

 「あなた、見たことあるけど、誰?」って、ふつう、誰でも使うフレーズでもないと思うのですが、おそらく全く無関係の複数の人から問われる私って、本当は一体何者なのでしょうか。自分でも、わかりません。

2008年12月23日 (火)

帰りたくない犬。

 you tubeの動画なのですが(ここ)、15秒の短い映像です。おかしいです。

 「お願いだから普通に寝てください」(ここ)もおもしろいです。仰向けがトレンドなのですか。

「劇中観察」を通して、不思議世界を観察している感じ。

キッチン・ストーリー [DVD]

 

『キッチン・ストーリー』(2003年ノルウェー=スウェーデン合作、2004年日本劇場公開)

 おかしな設定の、おかしなストーリーです。舞台は台所。だから、キッチン・ストーリー。

 4年ほど前に一度観ていて、また観てみました。1950年代のスウェーデンにある「家庭研究所」から調査員がノルウェーの一人暮らしの老人のもとへと調査にやってくるという設定。調査では、調査対象者とコミュニケーションしてはいけないと固く命じられています。だから、調査対象者のうちのキッチンに脚の長い椅子を置いてそこに座り、一日中、黙って観察しつづけ、記録をつけていかなければならないという、忍耐がもとめられる仕事なのでした。

 とはいえ、日々、相手を観察しているのに、何も話してはいけないとか何かを手伝ってはいけないなんて、そうそうできるものではないでしょう。観察しているほうだけでなく、観察されているほうだって、やっぱり、変な感じですから。

 観察者と対象者とのあいだに生まれてくる感情や関係をおもしろく表現していると思いました。私なら、座面の高い椅子に座って観察するほうなら、やってみてもいいですねぇ。逆はヤダ(笑)。

 話の最後のほうは、クリスマスの時期になります。ちょうど、今の時期に観るのもよいかもしれません。大笑いできるところはないけれど、くすっと笑えてハートウォーミングだと思います。

 「Yahoo!映画」でのあらすじ説明(ここ)でも、おかしさが伝わると思います。

ホルテンさんのはじめての冒険

 『キッチン・ストーリー』を思い出したのは、同じ監督の最新作『ホルテンさんのはじめての冒険』(ここ)の情報をキャッチしたからでした。とても気になります。どうせ、おかしな設定の、そこはかとなくおかしさを秘めた作品に違いありません。って、そこまで力説しなくてもいいし、実際には観ていないのですが。この写真の犬をもちあげているところも、意味不明ですね。でも、犬が出てくるんなら、やはり、観たほうがいいのではないでしょうか。理由ですか?いや、犬が観たいから。

2008年12月22日 (月)

Cats keep lost boy warm.

 ねこさん方が人間の男の子を取り囲んで温めたり「餌」を与えたりして助けていたというニュースが配信されておりました(ここ)。Odd Newsというカテゴリーがあるのですね。おもしろい。日本語は「猫たちが行方不明の幼児を保護する」(ここ)でした。

 私たちもいつ行方不明になって、ねこさん方に助けていただくことになるとも限りません。いつも親切を心がけなくてはならないとあらためて思いました。「情けはねこのためならず」かな。

"The boy was lying at the bottom of a gutter. There were all these cats on top of him licking him because he was really dirty," Lindgvist said. "When I walked over they became really protective and spat at me. They were keeping the boy warm while he slept."

2008年12月21日 (日)

分速80文字は速いのか?

 これまであまり疑問に感じたことがなかったのですが、ちょっと確認してみました。何を?自分がどれくらいの速さで文字を書いているか(打っているか)です。

 たとえば、12月20日付の記事ですが、これは1200字ほどのものです。これは15分くらいかかりました。分速だと80字ですね。それから、ここにはありませんが、別のところで970字ほどの手紙を13分で書きました。これだと分速75字くらいです。

 とすると、75~80字/分ということになるでしょうか。これは、速いのか?

 よくわかりません。分速なので、時速に直してみると、4500~4800字/時となります。これは、速いのか?やはりわかりませんね。

 いずれにしても、これは、内容をほとんど考えずに書いた場合です。したがって、ちょっと時間がかかる内容を書くと、これよりは遅いはずです。それは、また別の機会に調べてみたいと思います。

 参考までに時速に直してみたものの、15分程度の短い時間でやっていることをその4倍の60分間同じようなペースで書き続けられるかどうか、という問題もあります。

 したがって、今日の結論は、よくわからない、ですね。

 もう少しデータを集めて検討してみることにします。これまで、字数と時間などについてほとんど意識することなく、いかに自由気ままに書きつけていたか、ということも同時に発見でした。

 ちなみに、これは600字でした。かかった時間は9分です。電卓をたたいたり、文字カウントを使用したりしているので、少し遅いですね。66字/分

70歳と72歳のカップルに新生児が誕生したそうです。

 先日まで、66歳の女性が出産したことが世界記録でした。ギネス世界記録(2007)によると、 最高齢の出産の記録はルーマニアの女性で、2005年1月16日に帝王切開で女の子を出産。66歳230日という年齢だったそうです。

 朝日新聞夕刊2008年12月9日付(ここ)では、70歳の女性が出産なさったことを記事にしています。父は72歳。結婚後50年以上も子どもができなかったので喜んでおられるのですけども、すごいですね。ちょっと信じられないくらいです。何がかと言えば、この年齢で出産して無事にいられるということに対してでも当然ありますが、それよりも、50年以上も子どもが欲しいと思い続けられることでしょうか。子どもに限らず、50年以上も何かを欲しがり続けられることって、あるんですかねぇ。あるのかもしれないですねぇ。でも、すごいなぁ。赤ちゃんが無事に成長されますように。

積極的にぼんやりします。

 久々に出かける仕事のない日です。先週はハードでした。まぁ、私にとっては、ですけども。7日間連続で出かけているだけでなく、あいだに2回帰宅の遅い日があったので、それもあるかもしれません。これは、いずれも単に夕食を食べてお話していこうという内容なのですが。昨日も16時過ぎに終了した後、食事にでも行きましょう、と言われたのですが、さすがにやめて帰りました。前夜眠っていなかったのもあったし。

 そんなわけで、今朝は午前中いっぱいくらい眠っていようと思ったのに、必要以上に早く目が覚めてしまいました。まぁ、眠っているのも眠り続けるのも体力が要りますからね。

 今月は最初から予測していたことではありましたが、そもそもの予定自体がタイトなのでした。あと7日間のうち、6日間詰めて出勤しなくてはならず、一般的には当たり前なのかもしれませんが、私にはちょっとしたプレッシャーです。遅番の翌日朝からというのが1つあるし。

 とはいえ、前半にあった4つの締切のうち、一応3つはクリアしたので(1つは見合わせ)、まぁ、いいことにしましょう。

2008年12月20日 (土)

わらしべDNA?

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 昨日は早く寝るチャレンジでしたが、眠れませんでした。一番大きな理由は、お腹が空いていた、からです。間抜けです。熱があろうとお腹が痛かろうと、必ずご飯は食べる私なのですが、昨日はなんだか食欲がありませんでした。極めて珍しい現象です。で、自分でも理由がわかりませんでした。参照できる経験が少なすぎるので。

 今朝は熱は下がっていました。結局眠れなかったのですが、眠っていてもだるいときはだるいのです。とりあえず仕事Lに行きました。職場には、700ミリリットルの湯たんぽを置いて冷えるときには使うのですが、先日、「今日はすごく冷える」とおっしゃる方にお貸ししました。私は寒くなかったので。そして、「不在のときは適当に使ってください」と言っておきました。

 今日、私の机に返却されていたのですが、お礼のメモとともにワーク・ライフ・バランスの推進キャンペーンキャラのかえるさんのバッジをくださっていました。以前にも1ついただいていたのですが、それを隣の人が欲しがっていたのでした。さっそく、あとで出勤してきた隣の人に理由を話して差し上げました。大喜びでした(笑)。

 バッジのお礼ではないのですが、その隣の人からもあれこれ食べ物をいただきました。先日も毎冬恒例の温州みかんの配給があったばかりでしたが、そのときにみんなが喜んだことに気を良くして今日も持って来てくださいました。

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 午前中勤務後、午後は横浜に出かけました。関内です。私が関心を持っている分野の報告を聞いてきました。寝ていないので途中でちょっとぼんやりして聞き逃したところもありましたが、全体としておもしろかったです。ちょっと高いところで嬉しかったです。昨日も高層の場所にいたのですが、すっかり写真を撮るのを忘れていました。

 帰りは、いつも連れ歩いている猫のバッグをその会場に忘れてしまい、電車に乗ってしまった途中で気がついて引き返しました。知りあいの方が持っていてくれました。駅まで持って来てくださったので、お礼に午前中にもらったみかんを差し上げました。

 私にも母がいるのですが、母は笠地蔵のような性質を持っています。家の敷地の境目のところに、以前、白菜が置かれてありました。メモも何もなしです。おそらく、近所の白菜を作っておられる方が母にあげようと黙っておいていかれたのでしょう。ありがたいのですが、母は白菜を作っておられてくださりそうな方を2人思い浮かべ、どちらなのか、非常に悩んでおりました。お礼を言わなければなりません。が、間違えた方に言ってしまうと、要求しているみたいですから。

 悩んだ末に母はどうしたか。幸運にも最初に尋ねた方が正解でした。

 私にも、もしかすると、何かもらったりわらしべ長者になるようなDNAが遺伝しているかもしれません。今日、かえるJAPANのバッジをもらえたのも、みかんをもらえたのも、みかんでお礼ができたのも、その影響かもしれないな、と思いました。

 あと、人に親切にしてもらえるDNAも遺伝しているかもしれません。

2008年12月19日 (金)

昨日より寒いからかと。

 日中ずっと寒かったので、昨日よりも気温がかなり低いという気象情報を聞いていたためか、気温のせいにしていました。が、違いました。いや、それもあるでしょうけども。私のからだのせいでした。熱がありました。

 だから、いつもぼんやりしているのですけども、いつもよりもおそらく30%増しくらいはぼんやりしていたような気がします。

 体温が下がっていることはなんとなくわかっていたのですけども。にぶいです。

 ひとまず、理由がわかって少し安心しました。

 ということで、明日の仕事の前までに熱を下げるよう、努力ですね。普段、あんまり熱が出ないので、どうすればよいのか、よくわからないのですが。

 いろいろ興奮して(?)、知恵熱でしょうか。たぶん、過労ですね。大したことはしていないのですが。

 秋の睡眠の大切さ(ここ)を認識してから努力してよく眠っていたのですが、あるとき、秋はもう終わったと確認されてから(私によって)、少し油断していたみたいです。

 でも、今から寝ると真夜中に目が覚めそうな気もしますが。試しに眠ってみます。

2008年12月18日 (木)

欲しい言葉が受け取られる。

 先日松本で仕事をしてきたことは少し書きましたが(ここ)、その際に書かれた感想を送っていただき読みました。

 だいたいは、他でのものと似たような反応ではありましたが、それでも、相手方がどのように受け取ったのかを彼らの感想を通して知ることは大変参考になることですね。

 今回、とくに感じたことは、準備していた内容は使える時間にギリギリちょうどかなと思うくらい量が多かったために、全体を丁寧に説明することができなかったわけですが、それでも、受け止める人にはきちんと伝わっていたらしい、ということでした。

 丁寧に説明できたところと、途中で機器の不具合があったために、時間がとられてしまったりして、残り時間が少なくなってしまい、ささっと流しめに少し急いで話したところができました。そのささっとやったところに書いておいた言葉に、もっとも強い印象を受けた人がいたのでした。

 その、とある言葉に「救われた」のだそうです。それを読んでちょっと感動でした。と同時に、そんなこと(私には当たり前と思えることでしたが)を言ってほしい人がいるのだということに、その人の置かれている状況を想像し、その息苦しさを考えさせられました。

 と、今日はやや抽象的ですね。

2008年12月17日 (水)

相当、おかしいです。

 いつも冷静なつもりで暮らしているのですが、って前にも書きましたけど、昨日もすばらしい勘違いを繰り広げてきました。具体的には、朝仕事に出かけたのですが、ありませんでした。以前にも、間違えて出かけかけ、未遂にとどまったことがありましたが、今回は現場まで行ってしまってから気が付きました。その時点で現場に到着してからすでに小一時間が経過しておりました。ちょっと、大丈夫なのでしょうか、私。いや、ちょっといつもと違うなとは思ったのですが。このような事態に及んでも、冷静ではあります。が、視点を変えれば、自分が繰り広げているおかしな事態に慣れてしまっている、とも言えるわけです。そんなわけで、まさに「行っただけ」で、引き返し、気を取り直して別件に向かったのでありました。やっぱり、よく眠らないといけませんね。前夜の睡眠不足は、この「本当はなかった仕事」のためでしたのに、何ということでしょう。

 「いつも冷静なつもりで暮らしている」は、「いつも冷静におかしな事態を繰り広げている」に訂正したほうがよさそうです。これが、今日の発見でした。

 帰りがけに、色と柄が好みのねこと出会い、写真も撮れたので、まぁいいか、と思い、また、同じことを繰り返すことになるんでしょうか、この人は。でも、来年にも同様のことをしそうでしたが、そこにいるしっかりした人に確認し、すでに未然に防ぐことができました。危険ですね。28日(一応の仕事納め)までなんとかなりますように。来年の抱負は「過不足なく、生きる」はどうでしょうか。志が低いですかね。

 帰りにスターバックスの前を通りがかったら、犬がスタンディングで抗議をしておられました。タオルで頬かむりをしなければならない不当性を訴えておられるようでした。ご本人でなくとも、なにゆえ、ああいう感じにタオルをかぶらなければならないのかに疑問を持ちます。吠え続けることで抗議の意思を表明されるのも当然な気がしました。しかし、飼い主らしき人はきっとスタバの中におられるので、犬の思いは通じなかったのではないかという気がしました。犬の心、飼い主知らず、でしょうか。それにしても、姿勢がいいですね。普段からこの姿勢で暮らしておられるのでしょうか。見ている間は、ずっと二本足で立っておられました。椅子に掴まってはおられたのですけども。

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2008年12月16日 (火)

いい色と柄ですね。

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ねこ:アンタ、だれ?

えふ:名前はえふです。はじめまして。

ね:……

え:どうしたんですか?

ね:この毛皮を狙ってるの?

え:えっ?そんな…

ね:あやしいの。

え:あのう、その毛皮は脱ぎ着できるのですか?

ね:ハッ

え:あ、そうだったんですかぁ!脱ぎ着できるんですね!

ね:いや、あの、そのう……

え:教えてくださいよ。どうするんですか?

ね:……誰にも言わない?

え:はい、お約束します。

ね:じゃあ、言うけど

え:うんうん

ね:季節の変わり目に、クリーニングに出すの。

え:毛皮を、ですか?

ね:そう、そのときだけ、こっそり脱ぐの。

え:ふ~ん、知りませんでした。

ね:内密にね!

え:はい、もちろんですよ。

ね:クリーニングに出して戻ってくると、より風合いがよくしっとりした触り心地になるの。

え:なるほど

ね:でも、自力で手入れしていると思われているから

え:はい、内密に、ですね?

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ね:そう。

え:それで、どの辺から脱ぐんですか?

ね:ん?

え:いや、顔の部分も脱げる構造ですか?

ね:顔は脱げないの

え:そうすると、顔だけは本当に自分だけで洗っておられるのですね。

ね:そう

え:ということは、顔を残して、あとは、脱げるんですか?

ね:そう

え:ふ~ん……

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ね:なんか、やな感じ

え:あ、すみません。脱いだ後の様子をちょっと想像していました。

ね:やめてください

え:いや、すみません。でも、気になります。脱いだ後は、どうなっているんですか?

ね:下着なの

え:毛皮の下は下着になっているんですか?

ね:そう、このことはくれぐれも

え:内密ですね。わかっています。それで、下着姿のときはどうされているんですか?

ね:早くクリーニングから返って来ないかなぁと思ってるの

え:そうですか……でも、私はこれまで下着姿のねこさんにお会いしたことがないのですが

ね:それは、あたりまえなの

え:なぜですか?

ね:下着姿は見られてはいけないことになっているの

え:ねこ業界のルールですか?

ね:そう、夕方公園に集まる定例会で決まったんだから

え:なぜ、見られるといけないのですか?

ね:ねこに対する既成概念を破損するといけないという業界の自主規制なの

え:ふ~ん……

ね:なんか、やな感じ

え:あ、どんな感じがやはり気になるので想像していました

ね:やめれ~

え:すみません。だいたい、顔はこのままで、他のところが下着になるんですよね?

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ね:やっぱり、言うんじゃなかった

え:大丈夫です、内密にしますから

ね:アンタが想像してんのが、いやなの!

え:ははは、だって、そんなこと聞いたら、誰だって想像しちゃいますよ

ね:感じ悪いの!

え:色と柄は違うものに替えたりすることはできるんですか?

ね:できなくはないけど、顔のところは変えられないから、コーディネートが

え:ああ、おかしな組み合わせになるといけませんものね

ね:足の先のところを、少し白くしたりはできるの

え:ああ、さほど、目立たないし、顔の色柄とはあまり関係ないですもんね

ね:さりげない変化を楽しむの

え:なるほどね~

ね:このことは

え:くれぐれも、秘密、ですね?

ね:そう

え:今日は興味深いお話をありがとう。今度白い靴下を履いたら、また見せてください。

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2008年12月15日 (月)

来ました、ぽかぽか足湯(笑)。

脚温器 ぽかぽか 足湯 (ポカポカ 足湯)

 昨日注文しておいたのですが、今日来ました。今朝、壊れてしまった旧タイプは粗大ごみの予約をしました。新しい方は、見てのとおり、木でできているのですけど、旧タイプは外観は全く違った感じでした。

 コントローラーが大きく変わりました。以前のは本体に直接操作ボタンがついていたのです。で、新タイプはタイマーと温度調節の2つの部分があるのですが、タイマーが時を刻むのでちょっとうるさいです。足を入れた底には、以前にはなかったすのこが改良点ですね。そのままだと、底が熱かったのでした。

 写真では足を入れる部分に布が見えますが、旧タイプにはありませんでした。膝かけをかけて使用していましたが、こっちのほうがよろしいです。

 机に向かっているときに、足先が冷えてどうしようかと思うのですが、先ほど届いてからさっそく足を膝下まで入れて、極めて温かいです。満足です。ただし、眠くなってきました。やや問題です。まだやることがあるので、すぐには眠れないのでした。でも、眠いです。この機器の名前は「脚温器」といいますが、これのせいではないかもしれません。が、眠いです。

 でも、お薦めですね。

 「足湯」とありますが、水は使っていません、この桶みたいのの内部が電気によって遠赤外線を出して温かいわけです。個人用の足だけこたつって、感じでしょうか。

おお、非常に珍しい。

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珍しいホワイトライオンが誕生=セルビア

【ベオグラード14日AFP=時事】セルビアの首都ベオグラードの動物園で珍しいホワイトライオン(白ライオン)の子供2頭が生まれ、14日、一般に公開された。
 2頭は9日に生まれた。母親はホワイトライオンだが、父親は普通の色をしたライオン。ホワイトライオンは、アルビノ(遺伝情報の欠損による先天的な色素欠落)ではなく正常な遺伝による白変種で、遺伝子的に非常に珍しい。
 特に野生ではまれで、2004年の調査ではアフリカで30頭が確認されているだけ。現地では「神の使い」としてあがめられている。一方で、密猟者の絶好の標的となっている。保護のために世界各国の動物園で飼育されている。

 「白変種」って言うんですねぇ。「神の使い」なんだ。白い生き物は、なにゆえ、神の使いって考えられるんでしょうか。アフリカのこの地域だけでなく、別の地域でもあちこちあるような気がしますが。

2008年12月14日 (日)

フィンランドの風呂についてはよく知りませんが。

 こないだ、とあるフリーペーパーを見ていたら、こういう入浴剤があることを知りました。「FINLAND BATH」だそうです。2種類あります。左の青い方が白樺エキス(white birchとあります)で、右の赤いのがノバラエキスだそうです。fin roseというのがあるんですね。私の寄った店ではこの2種類でしたが、緑色のパッケージがあるようですね。何エキスなんだろう?あ、ヘイフラワーだそうです(miauleuseさんのブログより)。

 偶然にも同じシリーズで風呂に入っているようです。先日、青のほうはすでに使ってみましたので、今夜は赤いフィンローズで。

 最近、入浴剤の話題が多いのですが、そんなに風呂にばかり入っているわけでもありません。1日に1回ほどです。が、やはり、風呂に入っていない状態のときにももう少し温まるための設備が必要です。頼りにしていたのが、久々に出したら壊れていたことが判明し、困っていましたが、新しいヴァージョンが発売されていることを知りましたので、さっそく注文しました。

 フィンランドの方々は、サウナにばっかり入って冷たい湖に飛び込んだりしてちょっとハードな日々を送っておられるイメージですが、実際には湯船にも入ったりされるのでしょうか。あ、サウナから冷たい湖に直行は、現地の方もあまりしていないようです、実際には。日本における寒中水泳と似たような感じでしょうか、ごく少数の奇特な方がすることもあるが、大多数の人間は一度も経験せずに生涯を閉じる、という点で。違うか。

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2008年12月12日 (金)

「ご発言」へのコメント、発見。

 ここ(12月7日)に書いたのですが、例の「ご発言」へのコメントを発見しました。ここ(12月9日朝日新聞夕刊)です。こないだ探したときには、見つけられませんでしたが。しっかりとしたコメントですね。

2008年12月11日 (木)

松本らしさを秘めた菓子、その正体は。

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 本日の用事には、ここ(12月5日付)でも言及しましたように、「松本らしさを秘めたお菓子」を持参して、配給しました。そのひとつがこれです。「りんご乙女」というらしいものです。小麦粉を主原料とする薄目の煎餅なのですけども、表面にりんごスライスが貼り付けてあります。香料を使っているのですけども、非常にりんごの香りがします。

 食べると、非常に軽い。したがって、5,6枚ずつでした。一人当たり。

 メインの用件を済ませた後、いつものパターンなのですが、今日はみんなとスターバックス。そんなにスタバが好きなんでしょうか、この人は。告白しますと、昨日も仕事後別の場所のスターバックスでしばし座ってから、帰りましたの。昨日は、一日中ばたばたと動き回っていたために、くたびれてしまい、職場から一気に帰宅する余力がなかったんですよ。大丈夫か、私。いや、かなりオーバーワークな感じがしています。

 今日のスターバックスでは、「身体があることと、そのことに伴う選択肢の制限と不自由さ」について聞いてみると、そこにいた人は「そうよね~」と共感してくれました。「本体」を連れ歩かなければならないことの不便さを感じている人は、そんなに少なくないのではないか、という気もします。が、今日会った人々が、現在の日本社会においては、結構辺境にいるのかもしれませんので、ここで共感が得られたからと言っても、一般的とは言い難いかもしれません。

 昨日のよもぎ温座パットは、無事買い足しました。昨日書いた(ここ)この商品の持つ斬新さについても広報したところ、興味をもった知人女性が試しにバラ売りのものを購入して帰られました。あ、このメーカーと私の関係は単なるユーザーなだけですけども。その際、「男性にも使ってもいいですか?」と聞かれたので、「やめておいたほうがよい」と言いました。ふつうのよもぎ蒸しは、男性がやってもよいのですけども、この商品はちょっと勝手が違うので、そこのところに注意が必要です。って、これ、昨日も書いたな。

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2008年12月10日 (水)

冷えたお姉さんは好きですか?

 いやあ、普段よっぽどのことがあっても驚かない私なのですが、これにはたいそう驚きました。あ、でも、女性の身体の方ではないと、情報を得ても試してみることができませんので、あらかじめご了承ください。

 ここなんですけど、

世界初の携帯型よもぎ蒸し「礼知美人 よもぎ温座パット」

というものが売られていたのです。昨日、発見しました。最初は、どのように使用するのかよくわからなくて「?」と思ったのですが、試しにバラ売りのものを購入しました。それで、今日は職場に持って行って試してみたのでございます。

 使用感ですけども、なんともすごいです。非常に温まります。ここでよもぎ蒸し体験については書いたのですけども、これよりもかなり効果が実感できました。時間が長いこともあるかもしれませんが、何しろ、ダイレクトです。あからさまです。こんなの考えつくなんて、さすがよもぎ蒸し発祥の国・韓国ですね。恐れ入りました。

 職場では冷えるので、700mlサイズの湯たんぽに湯を入れて膝に乗せたりしているのですけども、それと比較にならないくらいの温まり度なんですよ。やはり、膝ではないのです。このパットを使って接触する部分が、よもぎ蒸しでもポイントでした。いや、本当にこのエリアから全体に温まるので、驚きました。

 体調が悪い場合に、なんらかの療法を受けてそれに効果がある場合は、一時的に具合が悪くなる場合があります。これを「好転反応」と言うのですが、今日はこのよもぎ温座パットを使ったお陰か、久々に腰の辺りが痛かったです。疲れかもしれませんけど。

 ともかく、効きます。すばらしい。抵抗のない方はぜひ一度試してくださいませ。あ、女性限定で。

 今日のタイトルは、もともとは「きれいなお姉さんは好きですか?」というものでした。とある製品のキャッチコピーだったのですけども。

 冷えたおばさんは、効き目が出すぎて、だるいですよ。

2008年12月 9日 (火)

赤さん、ふたたび。

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           Ca390162

 

えふ:赤さん!赤さんではないですか?お久しぶりです。(赤さんについてはここ

赤さん:あ、えふしゃん。ご無沙汰してます。お元気でちゅか?

え:ありがとう、お陰さまで。赤さんこそ、お元気そうでなによりです。ちょっと見ない間に大きくなりましたね。

赤:なんか、親戚のおばさんみたいでちゅ。

え:…ところで、赤さんは、こんなところで何をしているのですか?

赤:はい、あたちに妹か弟ができるのでちゅ。

え:えっ?それは、よかったですね。おめでとうございます。

赤:ありがとうでちゅ。それで、お母さんのために、マタニティーマークをもらいにきまちた。…でも…

え:赤さん、何か浮かない顔ですね。嬉しくないんですか?

赤:妹か弟ができるのは嬉ちいですが、あたちのお母さんのことが心配なのでちゅ。

え:お母さんは、あまり順調ではないのですか?

赤:いえいえ、お陰さまで、元気にちております。まだ、初期ですので、ときどき気持ちが悪くなったりはするみたいでちゅが、ご飯も食べていますよ。

え:それでは、何が問題なのですか?

赤:それは、産科医療の崩壊でちゅよ。

え:ああっ!!

赤:あたちのお母さんが、もし、分娩途中に異変があった場合に、きちんと対応できる緊急態勢があるのかどうか、とっても心配なのです。

え:そう言えば、こないだも、不幸な事故があったばっかりですものね。

赤:そうなのでちゅ。あれで、緊急システムが機能していないことが露呈したのでちた。

え:国が悪いのか、東京都に問題があるのか、醜い争い場面をニュースで見ました。

赤:どっちにも問題があるのでちゅ。大人のくちぇに、人のせいにちてばかりで、見苦ちかったでちゅね。

え:はい、おっしゃるとおりです。

赤:お母さんが妹か弟を産むまでに、もう半年くらいしかないのでちゅ。なんとか、体制を整えてもらわないと、おちおち安心ちて眠ったりできないでちゅよ。

え:そうですねぇ。赤さん、眠らないと大きくなれませんよ。

赤:!! 本当でしゅか?

え:はい、寝ている間に、大きくなるために必要な成長ホルモンが分泌されると言われています。

赤:この大きさで成長が止まったら困りましゅ。小さくてなかなか不便ですよ、このからだ。

え:じゃあ、よく眠ってください。

赤:だけど、産科医療崩壊問題が。

え:そもそも、産科医療の崩壊は最近始まったことではないのですよね。

赤:そうなのでちゅか?

え:そうなんです。最近になって綻びをカバーしきれなくなって、崩壊していることが明らかになったというだけなんです。

赤:じゃあ、いつ頃から現場レベルでは問題になっていたのですか?

え:私もよく知らないのですが、少なく見積もっても、もう10年くらいは経っていると思いますよ。

赤:じゃあ、この10年もの間、大人の人たちは何をしていたのでちゅか?

え:10年前はあたちも赤ちゃんだったので、わかりまちぇん。

赤:嘘おっしゃい!

え:すいません。10年くらいは、やる気と体力のある方々が個人的に無理を重ねてなんとかがんばっておられたのです。と思います。

赤:でも、そんなのは、体力の限界が来た時点で総崩れですよ。

え:そうなんです。女性医師も増えてきているのですが、女性たちが家庭を持ち子どもを設けるととてもそれまでの男性並み無理無理勤務にはついていけません。そこで、女性医師たちは働き続けることができなかったということが1つ指摘されています。

赤:産科は女性医師が多かったのですか?

え:近年は産科医になる女性も多いと言われています。ただ、産科医になって子どもを育てながら働こうとしても、男性のキャリアの長い医師から、男性並みに働けないことに対して嫌味を言われたり嫌がらせを受けたりして、つらい思いをした女性医師もいたようです。

赤:赤ちゃんは邪魔なのですか?

え:邪魔ではないのですが、赤ちゃんの世話をするのがお母さんである女性医師になりがちである現状では、世話をするための時間を確保しながら働ける環境がなければ、働き続けることができないのです。そういった子育てしながら働けるような職場環境整備を進める方向へ改革するのではなく、個人個人が限界までがんばる方向にやってしまっていたために、現在の状況を招いてしまった、ようです。

赤:これって、医療現場におけるワーク・ライフ・バランスの問題ではないでちゅか?

え:さすが、赤さん。おっしゃるとおりだと思います。

赤:ありがとう。

え:さらに、数年前に起こった不幸な出産事故のことが、病院において、それまでも無理して何とか続けていた産科から撤退する契機になったとも言われています。

赤:それは、何ですか?

え:福島県の産科で起こった妊婦の死亡事故なんですけど。赤ちゃんは生きて産まれましたが、お母さんである女性のほうは亡くなってしまったのです。

赤:お気の毒に。

え:そのときに担当した産科の男性医師が逮捕されたんです。これは、日本では初めての、極めてインパクトのある出来事でした。

赤:なぜ、お医者さんが刑事責任を問われるのですか?

え:つまり、亡くなってしまった女性に対して、本当は助けられたのではないかと。

赤:お医者さんが殺したと疑われたということですか?

え:業務上過失致死と医師法違反などが疑われたのでした。この事件は、裁判で争われました。この夏に、結審したのですけども、判決は医師には責任を問えないというものでした。

赤:そうでちゅか。それは、よかったのでちゅか?

え:いろいろ難しいところがあります。まず1つは、刑事告訴を恐れた全国の病院がいったん取りやめた産科を再開することがなかなか難しいということです。それでなくても、産科は激務なんですよ。

赤:時間通りにはいかないですもんね。

え:そう、それと、最近では検診を定期的に受けないで、まさに産む直前に駆け込む人もいるようです。

赤:飛び込み出産ですか?

え:はい、そういう方もいるようです。ただ、そういった女性の心がけや無知を指摘する論調がありますが、検査費用が高く払えない人たちも一定数いることに対する想像力がないのではないか、という気がします。

赤:検診を受けるのは高いのですか?

え:出産にかかわることに関しては、病気ではないため、健康保険が使えないということです。

赤:自費ではとっても高いでしょう?

え:はい、自治体によって違いがあるのですが、最近は検診14回全てを無料にするという自治体もあるにはあります。でも、5回まで無料とか少ないところはまだまだあります。自治体によって差が結構大きいのです。

赤:他にも、かかる費用はありますか?

え:分娩費用ですかねぇ。地域にもよるみたいですけど、50万くらいが相場だとか。もっと高いところもあるみたいです。これは、保険が使えません。出産一時金は子ども1人当たり35万円です。カバーしきれない場合もあるのですね。

赤:払えない人もいるのではないですか?

え:そうですね。払えない人も当然いると思います。

赤:そういう人は、病院に行かずに産むのですか?

え:あとは、借金でもするんでしょうかねぇ。出産費用を増額したり、検診費用を全額無料にするという話もあるようですが、さっさと決めて実現してしまうことが大切ですね。ぼんやりしているうちに、産む日になりますしね。

赤:そうでちゅね。赤ちゃんは待ってはくれないのでちゅ。

え:病院にとっては、支払いをしない患者として認識されている場合もあると思います。

赤:ああ、踏み倒すのですか?

え:故意にしようとしているかどうかはわかりませんが、払えない場合、払わないこともあるのでしょうねぇ。そのためか、最近は費用の大半を前払いでもとめてくるところもあるとか。

赤:少子化は問題だとされているのではないですか?

え:はい、国レベルでも地域レベルでもあらゆる面で現在のシステムの根幹を揺るがす大きな問題だと認識されていると思いますよ。

赤:では、なぜ、出産費用を無料にすることくらい、これまでさっさと実行していなかったのですか?

え:そうですよね。なんでだろう?

赤:子どもを産むことが誰でもできる簡単なことだと、政治家の人は思っているのですか?

え:ああ、そうかもしれませんね。全員ではないとは思いますけど。

赤:つい先日も、子どもを産んだことのない人が少子化相になったら「子どもの産み方を知っているのか」と聞かれるとか言った、しょうもない人がいましたね。

え:はい、「ご発言」の趣旨はそんな感じでした。

赤:あの人は、自分には5人の息子がいるそうでちゅけど、それは、自分が産んだのですか?

え:たぶん、自分では産んでおられないと思います。

赤:だったら、産み方はちらないのでは?

え:そうですが。たぶん、自分は男性なので、産めなくても当然だと開き直っておられるのではないかと思います。

赤:自分のほうが少子化相にふさわちいとかって、とってもずうずうしいことも言ったというのは、本当ですか?

え:そういう報道を私も目にしましたよ。

赤:少子化相になりたかったけど、なれなかったから、ひがんでおられるんでちゅかね?

え:…もし、彼が少子化相になっていたら、極めてユニークな施策を発表しそうですね。

赤:どんなものですか?

え:そうだなぁ、たとえば、子どもを産まないと罰金が科せられるとか。

赤:それだと、彼が真っ先に罰金を払うことになりまちぇんか?

え:ああ、きっと女性限定ですよ。

赤:でも、女性だけでは子どもは産まれないと、性教育でならいまちたよ。

え:そうですね。性教育をきちんと受けずにいたために、あんなことになったのかもしれないです。

赤:性教育を受けてもいないのに、少子化相にふさわちいなんて、言ったんでちゅか?

え:はい、言ったもの勝ち、なところがあります。変な「ご発言」でも、辞任につながることはほとんどないんですよ。この国の場合。

赤:おかちなことばかり言う人は、政治家には向いていないのではないでちゅか?

え:それで、選別すると、半分くらいになってしまうかもしれませんね。

赤:!!

え:皮肉な言い方をすれば、「性差別発言のひとつもできずに一人前の政治家とは言えない」といったような状況があります。残念なことですが。「ご発言」が場合によっては人気取りにつながることもあるようです。

赤:そんな人たちに、あたちやこれから産まれる妹か弟の将来を決めたりちてほちくありまちぇん。

え:そうですね。もっと、きちんとした政治家が増えないと、将来に明るい希望が持てないかもしれません。

赤:あたちは政治家になろうかな。

え:それもいいかもしれませんね。女性の政治家は割合自体がまだとっても少ないのですよ、日本の場合。

赤:どうちてなのでしょう?

え:女性で活躍する政治家のロールモデルが少ないことでしょうか。あとは、女性に政治は向かないという決めつけ。男性同士の絆に食い込もうとすると排除しようとする性質などなどでしょうか。政党が女性候補者を増やそうとする本気度が感じられないこともありますかね。何より、政治家の暮らしにWLBが感じられないことかもしれません。多くの女性はそんな生活に憧れないような気がします。

赤:小渕少子化相は、女性で若くてなかなかがんばっておられると思うのでちゅけど。

え:そうですね。それなのに、同じ政党のなかで、キャリアも長く、本当ならば、バックアップなりサポートなりをする立場になる人が、あんな「ご発言」をなさいました。

赤:女性が若くして政治家になるのもむずかしいけど、もしなれたとしても、あんな目に遭うんじゃ割にあわないでちゅね。

え:そうです。たぶん、そんなことが事前に十分すぎるほど予測できてしまうので、女性が政治分野に参画していこうとするのが、遅れているのかもしれません。誰だって、自分が尊重されるところにいたいですから。

赤:あたちに被選挙権ができるまでには、まだ20年以上もありまちゅ。その間に、少しでもよくなる可能性はありまちぇんか?

え:そうですね。赤さんが25歳になるのは、2030年ですね。

赤:はい、まだ大分時間がありそうです。

え:とはいえ、20年を振り返ると、ほとんど変わっていないことも結構あるので、なんとも言いにくいですね。

赤:何が変わっていないのでちゅか?

え:たとえば、女性の働き方。同時に男性の働き方も。出産を機に仕事をやめる人の割合が20年前からほとんど変わっていないということが明らかになっているのです。

赤:育児休業制度は使えないのですか?

え:これを使う人は女性で90%を超えたのですが、それは辞めなかった人における割合で3割ほど。使わずに辞めてしまう人が全体の7割以上いるということなんです。

赤:意味ないでちゅ!

え:それから、非正規労働の人は、そもそも育児休業制度などが使えない場合もあります。

赤:正規じゃなければ、子どもはあきらめろってことですか?

え:子どもか仕事か選べ、ってことでしょうか。これは、20年前とほとんど変わっていないと思います。ただ、女性が仕事を辞めても、男性の収入のみで生活できない人たちも増えているので、「子どもを選んだ。仕事は辞めた。路頭に迷った」というケースもこれから出てくるような気がしますね。

赤:でも、これまでの20年はそうだったかもちれませんが、この先の20年はもっとよく変わる可能性があるのではないでしゅか?

え:そうなるように、どうすればよいのか、考えている人はたくさんいると思いますよ。

赤:あたちも、力不足でちゅが、考えて行動ちまちゅから。

え:そうですね。まぁ、でも、まずは、からだが大きくなるように、よく眠ってください。

赤:はい、今夜からしっかりと眠ります。

え:今日はお会いできてよかったです。また。

【追記2008.12.15】

 妊婦の検診は最低の場合5回でした。修正しました。

 厚生労働省のサイトにある社会保障審議会第19回少子化対策特別部会資料(ここ)を見ていたら、「妊婦検診費用の公費助成5回分」とあります(ここ)(3頁、サムネイル4頁)。妊娠全期間にわたって14回が理想とされているので、残りの9回分をどうするかが問題になっているということです。自治体によっては14回全部を助成しているところもあるようですが、これは、地方財政措置されていないので、その自治体が負担しているということなのでしょうね(市町村の任意助成)。裕福な自治体はできますが、多くの余裕のない自治体ではむずかしいのでしょう。したがって、9回分を国庫と市町村から2分の1ずつ負担しようとの「拡充案」があるようです。

 父親(男性)の育児休業取得について(6頁、サムネイル7頁)は、専業主婦の場合に、現在は多くの(7割くらいらしい)企業では労使協定で取得できなくともよいとしているらしいのですが、専業主婦(夫)でも働いている方が取得できるようにするほうが望ましいでしょう。子どもの祖父母にあたる人たちと同居していないことの多い現在では、母(父)だけが専業で家に居ても、一人で子どもの面倒を見られると考えていること自体が間違い。発狂してしまうでしょう、私なら。

 「次世代育成支援に関する給付・サービス(児童・家族関係社会支出)の財源構成(推計)の国際比較(対GDP比)」ここ(7頁、サムネイル8頁)も興味深いです。スウェーデン、フランス、ドイツ、日本を比較しているのですが、いかに日本が少ないかということがよくわかります。以前から指摘されていることではありますが。それと、私が知らなかっただけではありますが、「事業主負担」「被保険者負担」「その他(税財源など)」の負担割合のグラフが興味深いです。スウェーデンとフランスは事業主負担が結構あるのに、ドイツは全くない。この違いは何なんでしょう。ドイツでは100%「その他(税財源など)」になっているようです。そして、日本だけが「被保険者負担」がある。背景となる知識が不足しているため、それ以上のことはよくわからないのですが。でも、おもしろいと思いました。

2008年12月 8日 (月)

気がつきませんでした。

 首相官邸に設置されている(いた)社会保障国民会議が出した「最終報告」(ここ)ですが、11月4日付でしたのに、今日まで気がつきませんでした。「I(あい)女のしんぶん」2008年11月25日付(ここ)に取り上げられています。

 「最終報告」(18頁)は「付属資料」(31頁)「参考資料」(64頁)と合わせると結構な枚数になります。

 「最終報告」(5頁、サムネイル8頁)には、

(5) 少子化・次世代育成支援対策

① 未来への投資としての少子化対策
少子化は日本が直面する最大の課題。基本は、就労と結婚・出産・子育ての「二者択一構造」の解決を通じた「希望と現実の乖離」の解消。「仕事と生活の調和の実現」と「子育て支援の社会的基盤の拡充」を車の両輪として取り組むことが重要である。
② 仕事と生活の調和の推進
「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」、「仕事と生活の調和推進のための行動指針」に基づき、全ての働く者について社会全体で働き方の見直しに取り組んでいくことが必要である。

とあるのですが、そう言えば、「希望と現実の乖離」については、『「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する意識調査」について』(22頁)(ここ)でも触れられていました。それによれば、「(表2-1) 参考 希望と現実の一致・不一致(全体)」(7頁、サムネイル8頁)で、「希望と現実が一致」しているのは15.2%だそうです。8割以上が「不一致」と判明しているわけなのですね。

 おもしろかったのは、「仕事のやり方」に対して「無駄な業務・作業をなくす」がもっとも重要だと考えられている点。多くの人は、これがたくさんあると考えておられるということでしょうか。たしかに、しなくてもよいことをしたがる人は多いですよね。

 「付属資料」(1頁、サムネイル2頁)では、必要な予算の試算がなされています。2025年度のことなのですけども、

少子化対策

親の就労と子どもの育成の両立を支える支援
 (3歳未満児の保育サービスの利用率 20%→38~44%)
 (学齢期(小1~3年生)の放課後児童クラブ利用率 19%→60%)
 (出産前後に希望どおりに継続就業でき、育児休業を取得
                        (第1子出産前後の継続就業率38%→55%))
すべての子どもの健やかな育成の基盤となる地域の取組
 (望ましい受診回数(14回)を確保するための妊婦健診の支援の充実)     等

約1.6~2.5兆円

 みんなに「平等に」12,000円ずつ分配しようとしていた、例の2兆円ですけども、こういうことにつかったらどうですかねぇ?上の調査結果でも、子育て支援がもっとも必要だと明らかになっていますよ。

 せっかく首相官邸に設置された会議でしたが、成果物は為政者の方々はご覧になれないのでしょうか。気になります。

2008年12月 7日 (日)

嗚呼、自民党島根県連。

 先日(12月5日ここ)も、残念なお知らせをしたばかりでしたが、本日も残念なお知らせをしなくてはなりません。自民党の方々、全国的に極めてがんばっておられるようです。ちょっと方向性に疑問を感じますが、気迫ややる気だけが問題にされやすいところでは、この方々だけの問題にするのは、フェアではないかもしれません。

 自民党でそれなりの地位におつきになっている笹川尭さん(総務会長)が、現政権で少子化相に最年少で抜擢された小渕優子さんについて、「(少子化相になれたのは)子どもを産んだから」と発言されたそうです。本当なんでしょうか。あまりにアッパレなご発言でちょっと気が遠くなりそうです。

 さすがに、12月6日付各紙が報じておられます。朝日新聞(ここ)、毎日新聞(ここ)、共同通信(ここ)ですね。実際の記事では、より一層アッパレな内容が含まれていますので、心を落ち着けて気を確かにもってご覧になりますように。油断して読むと、危険です。

 普段は安心して「ご発言」をなさっている麻生首相も、今回は火消しの役目になられました(時事ドットコム12月7日付ここ)。立場を変えてみると、結構大変なことだと実感なさる機会になったのでしょうか。これで、「ご発言」者同士、連帯を深められないとよいのですが。

 それにしても…。今はいずこの柳沢伯夫さんが、「産む機械」というアッパレすぎる歴史的「ご発言」をなさいましたときにも、自民党島根県連の招きで松江市内でご講演なさったときでしたね。私は忘れていませんよ。あのときも、えもいわれぬ気持ちになりました。

 理由がうまく説明できないのですけども、私の出身地である島根県でこういう「ご発言」が生み出されるというのは、いったいどういったことなのかと考えずにはいられないのでした。普段、羞恥心とはやや遠距離に暮らしている私なのですが、こういうとき、さすがに「恥ずかしいって、そうそう、こういう感じだったわ~」と思いださせてもらえます。そのためでしょうか?

 平成生まれの皆様には、孫のDAIGOさんが広く知られており、その界隈では「DAIGOのおじいさん」である故・竹下登さんの王国で盤石であった島根県ですが、それも今は昔。国民新党の台頭で、後継者の青木幹雄さんも自民党の行く末に不安を抱いておられるというのに、こんなことを言うための集まりを開催されるとは、実は余裕があるのですか?

 松江市内における自民党県連の集まりにおいては、次回以降、きちんと神主さんをお呼びしてお祓いなどをなさってからにしてはいかがでしょうか?何か、邪なものがこの地を訪れる良識ある方々に乗り移ってしまっている可能性も考えられます。せっかく、「神の国」なんですから。地域「特性」を活かしていってはどうかと思います。余計なお世話かもしれませんけど。

2008年12月 6日 (土)

松本では「吊るす」が大切のようです。

 5日は松本をふらついてみました。10時過ぎから雨が降っていました。前日よりも何度も気温が低く、街の温度計で11℃でした、11時くらいで。そんなことで、まぁ、寒かったわけですけども、駅の洗面所にいたらお掃除の方が「もっと寒くて雨もいっぱい降ればいいのに。暑い暑い」とおっしゃっていました。そこには、私しかいなかったので、私に言ったのかと思い「暑いですか?」と聞くと、「掃除しているとものすごく暑いから」と言われました。私の職場の一つでも、お掃除の方は季節にかかわりなく汗だくで掃除をしてくださっています。ここでも同じでした。いつもきれいにしていただいて、ありがとうございます。

 この方の祈念が届いたために、その後、私が松本に居る間はずっと冷たい雨がかなりの強さで降っていました。それでも、うろつきたい願望のほうが勝ったので松本城に行きました。それにしても、タクシーのドライバーの方には、「感じ悪くすること」という服務規程でもあるのでしょうか。まぁ、ここだけではありませんけど。

 傘なしにはいられなかったので、城の入口で安いビニール傘を買いました。松本城は、お堀にきちんと水が張ってあるのですね。名古屋城は、お堀は水がなく、お堀の底にはシカご一家が住んでおられます。どこから来たのか、いつからいるのかが気になるシチュエーションですよ。

 お堀に水がある場合には、白鳥などがいることが多いような気がするのですが、鴨がよかったです。鴨、いいですよね。あの適度な大きさと、あの形。無駄がありません。色も控えめで松本城の色調にマッチしています。

Ca390126

 鴨に大変興味をひかれた私でしたが、鴨サイズではなかなか大きな写真にはなりませんでした。これでも、携帯デジカメのズームいっぱいで寄って撮影したものです。ふたりは仲良く同じ距離を保ったまま、プカプカしておられました。Ca390129

 

 もう少しお堀に近いところから撮影しました。この写真は割と大きく撮れました。この間も雨は降り続いていたのですが、ちょっと小雨だったので、さしていた傘をたたみ足元に置いて撮影に気をとられていたところ、吹いてきた風に傘が動かされて、お堀に落ちてしまいました。

 あ…。と思っていたら、すぐにどこからかおじさんが現われて、ご自分が差していた傘の持ち手のところをフックのように使って拾い上げてくださいました。おじさん、ありがとうございました。どこにいたんですか?たぶん、観光されていた方だとは思ったのですけども。Ca390141

 これが松本城の天守閣のところです。わかりにくいですが、かなりの雨が降っていました。だから、空も暗かったのです。人もそんなにいませんでした。平日だったからかもしれませんけど。

Ca390135  城の中は、入口で靴を脱いであがる昔ながらスタイル。そんな名前があるかどうかは知りませんが、私はそう呼んでいます(今日から)。

 中に入ると、特にエレベータなどをつけちゃった大幅リフォームがありません。安心しました。これは、松江城と同じです。

 天守閣の最上階へのぼるにも、現代の感覚では信じられないほど急勾配の階段を自分で歩くしかありません。階段には手すりと滑り止めの加工がなされていました。薄暗くて余計なことがなされていない点に好感が持てました。

 もうすぐ最上階というときに、この城のなかでもっとも急勾配だとされる階段にさしかかりました。説明を読むと、角度が45度以上はあるとか。45度以上あるというのは、のぼる人の視点からだと、ほとんど直角なところをのぼるような感じがします。うまくのぼれないと大変危険です。ちょっとでもバランスを崩すと後ろに倒れてしまうかもしれません。そんな緊張感のある階段ですが、人によっては足を踏み外したりしないとも限りません。

 そのためだと思いますが、階段ののぼりのところに男性が立っておられました。何をしているのかと思っていたのですが、のぼる際にはのぼる前に注意喚起をし、降りてくる人がいたら降りはじめる前に注意喚起をする、そういう仕事の方のようです。人通りも少ないし、ここで一人でひっくり返って頭でも打って気を失っていたら、発見が遅れて危険かもしれません。そういうことでも過去にあったのでしょうか。この男性は、毎日ここに立って注意喚起をされているのでしょうか。数人でのシフト勤務なのでしょうか。質問はできませんでした。

Ca390137

Ca390142

 城の敷地を出ると、博物館が隣にありました。城見学とセット券になっていたので、ちょっとだけ見るつもりで入ってみました。中は、松本の地域特性などの紹介があるフロアだけ(1F)を観ました。2階は工事中で閉鎖、地下1階もありましたが、まぁ、いいか、と。

 もう少しで畳1枚分はありそうな大きなわら草履が壁にかかっていました。これを吊っている部分が破損して落ちてきたらただでは済まないだろうなぁと思い、吊り下げている留め具の部分を確認しようと裏の辺りを見ていたら、話しかけてこられる方がいました。何かと思ったら、そこの博物館のガイドをする市民ボランティアの方でした。70代も半ばくらいは過ぎておられるように見える女性の方でした。毎週金曜日にだけガイドを務めておられるそうです。

 この無駄に大きなわら草履ですけども、松本市ではないが周辺のある地域で、今でも毎年行っている行事で使うものだそうです。何に使うかということですが、そこの集落の入り口にあたるところにある木に吊るすそうです。何のために?それは、「この村には、こんなに大きなわら草履を履く大男がいるんだぞ」ということを村の外に向かって宣言することで、外敵の襲来を防ぐような意味合いがあるのだそうです。相当昔からやっているそうですが、今でも毎年やっているそうです。

 外敵がいない現在では、災厄よけみたいな意味もあるのだと思うのですが、こんなに大きなわら草履を吊るす作業では、十分に注意しないと、これが落ちてきて災難を招いてしまうのではないかと、余計な心配を感じました。

 それから、今では、こんな草履は普段は使わないのですけども、「女の一人暮らし」の警戒のために、男性モノの下着を干したり男性靴を玄関に置くといったようなのが、形を変えて残存しているのでしょうか。「俺は男だ。守ってやる」みたいな感じがして、ちょっと嫌な感じを受けました。誰もそんなこと言っていないのですが。それにしても、今でもこんなことを続けるのは並大抵のことではないですよね。吊るす作業の際には、本当に気をつけてくださいませ。

Img_177

  もう1つ、不思議な独特の行事をボランティアさんに説明していただきました。これは、わらで作った馬を子どもたちに引かせて、集落から貧乏神を追い出すための年1回のものだそうです。その馬は骨格を木で組み、その周りにたくさんのわらを巻いて作るのだそうですが、大きさは実際の馬くらいあります。大きいです。そこに、わらで作った「ジジ」「ババ」のわら人形をまたがらせて、彼らに貧乏神や不幸を背負ってもらい、自分たちの村から村の外に連れて行ってもらうのだそうです。

 村の外に連れていくためには、5歳以下(?)の村の子どもたちがわらの馬を引くことが決められているそうです。誰が決めたのかはわかりませんが。村の外に出したら、大人が火をつけて焼くのだそうです。ただ、近年はこの地域にも少子化が影響しており、そのうち、馬を引くことのできる年齢の子どもが供給されなくなるのではないかといった懸念があるそうです。ある程度の人数がいないと、馬は動かないと思うので。子どもを増やすか、ルールを変更するかの瀬戸際ですね。

 これは毎年2月8日に決まっているそうですが、日が近いので節分の行事なのかと思ったら、それはそれで別にやるのだそうです。勤勉ですよね。松本市のサイト(ここ)に紹介がありました。市重要無形民俗文化財だそうです。正式名称は、「入山辺厩所の貧乏神送り」というのですね。しかし、松本市のサイトでは、あちこちにいろいろな似た行事があるようです。みなさん、熱心ですね。

Img_019_06

 もっとも特徴的というか、個別の家庭レベルでもっともポピュラーなことは、七夕の習慣が独特なことでしょうか。8月7日に行うらしいのですが、笹に短冊をつけて飾るだけでなく、七夕専用の人形(彦星と乙姫?)を縁側に吊るさなければなりません。顔のあるハンガーみたいなのを人形屋さんで買い求め、それに自宅にある浴衣などを着せて吊ってください。これが必須アイテムだそうです。ついでに、七夕にだけ年に1回だけ食べることになっている「ほうとう」があるそうです。ほうとうと言えば山梨県が有名だそうですが、かぼちゃなどを入れて味噌味にした鍋焼きうどん的なものとは全く違うものでした。平べったい麺をほうとうと呼び、汁はなし。さらに、きなこかあんこと一緒に食べるのだそうです。意味はわかりません。

 このように、松本周辺の人々においては、「野菜を漬物にする」「果物をジャムにする」のほかに、魚というかイカは塩漬けにする(塩丸イカというそうです)などの習性が見られ、さらに、さまざまな年中行事では、「吊るす」が基本のようです。いろんなものをどこかから吊るすことが決め手のようです。何の?たぶん、何かした、っていうことを感じるために、「吊るす」っていう行為が不可欠なのではないでしょうか。

 干すことで保存性を高める食べ物も、基本は「吊るす」ですね。

2008年12月 5日 (金)

「恥ずかしい」と感じるまでには、まだ時間がかかりそうです。

 政策決定の場に女性が増えることが重要だと認識されているはずなのですが、現状はこんなもののようです。最下位入りしてしまわれたのは、宮崎県でした。

女性登用率:市町村の審議会委員、管理職は全国最下位 進まぬ男女共同参画 /宮崎(ここ

(略)

 県内30市町村の審議会委員の総定数は8641人でうち女性は1569人(今年4月)。登用率は18・2%で全国最下位。トップは鳥取県(27・6%)だった。また、課長級以上の管理職は973あるのに対して、女性が占めるのは31のみ(同)。登用率は3・2%で、こちらも最下位となった。トップは徳島県(16・8%)だった。

(略)

 一方、県庁での女性登用率は、審議会が39・7%で全国4位(07年度)だったものの、管理職は2・5%でワースト3位(今年4月)だった。

 審議会委員は、管理職とは違って、もともと職員から選ばなければならないことはないはずなので、すぐに達成できそうな気もしますが、なんで?

 なかなか管理職への登用が進まないことが、もう明らかなので、もっと何かできることはあるのではないかという気がします。管理職の働き方がおかしいのでしょう。たぶん。

宇都宮市、餃子像はどうなりましたか。

 宇都宮市の市議が、極めてユニークな提案をなさったというニュースです。

 「子どもゼロ家庭」に対して、「公的年金等、掛け金増額手当の研究を」と市長に要望書を提出したそうです。いろいろな政策提案の一部のようですが。

 ここです。下野新聞2008年12月2日付でウェブ配信されています。

 こういう市議がおられるということよりも、それをあまり問題にしないことのほうがより一層問題な気がして、気になります。

 このような発想力を、もっと別の方向に活かしてみてはいかがかと思ったりするのですが。

予測と結果。

 事前の予測について、結果を記しておきます。

 松本では道には迷いませんでした。が、4日に「松本らしさを秘めたお菓子」を買うよう薦められた店に行こうとしたのですが、行きつきませんでした。近くをぐるぐるしていたはずなので、これも道に迷うということに入れるとすれば、迷っていたかも。結局、そこに行くことは諦めて、別のところで買いました。

 道を聞かれることはありませんでした。

 信州そばをいただきました。4日の夜に、仕事の関係の人とその人を介して初めて会った人とでお薦めの蕎麦屋に連れて行ってもらいましたので。そこでは、いろいろさまざまな内容の話をしました。政治、地方への公共事業、道路の道幅と工事対象事業との関係、精神障害と妄想、エイズキャンペーン、草食動物系男性と猛獣系男性、松本の人々の習性、尊厳死と安楽死、介護保険制度、アダルトビデオとそのストーリー展開の問題性、性教育などなど。ずっとペラペラ話していたのですが、話題の幅が広いですよね。おもしろかったです。

 仕事自体でも、話好きな人につかまっていたし、別のところでも松本の習俗についていろいろと教えてくださる方に会って語られていたので、予測は当たりでした。

 試食販売に近寄る機会がありませんでした。

 電車内で話しかけてこられることについては、指定席に座っていたら、そこの指定を買った人がやってきたので、少し話したくらいです。だから、これはなし。回数券をもらって使ったのですが、特急券も込みなのに、座席指定をしていなかったので、「そのままそこに座っていただいていいですが、誰か来たら席を移動してください」という不思議な扱いでした。往路にはそこに来る人がいて、復路にはいませんでした。

 松本辺りでは、いろいろな野菜を漬物にするのと、いろいろな果物をジャムにするのが好きな気がしました。イカは茹でて塩漬けにすること。あと、馬。

信州そば、済み。

 松本に来ています。昨日のうちに、そばを食べておきました。これで、安心です。

 今日は「松本らしさを秘めたお菓子」を購入し、街を少しうろつき、適当なところで帰京します。

 昨日聞いた話では、松本では何でも漬物にする習性があるということでした。何が漬物になっているのかに気をつけながら、街を観察ですね。

2008年12月 4日 (木)

今頃、松本。

 たぶん、今頃、松本で仕事中です。タイマーをセットで、アップですよ。

 今夜は松本に泊まりますが、明日はうろつくかどうかは微妙ですね。別の仕事の期限が迫っていて、終わっていない(!)ので…。

 松本で道に迷う確率は20%くらいと予想しますが、道を聞かれる確率は35%くらいではないかと思われます。

 松本で信州そばをいただく可能性は、30%くらいでしょうか。気候と気分によるので、ちょっとわかりませんね。

 松本で話し好きな人につかまる可能性は50%くらいでしょうか。試食販売にひっかかる可能性も30%くらいな気がします。たぶん、購入はしないと思うのですが。

 特急あずさというのに、初めて乗るような気がします。電車内で話しかけてこられる可能性は15%ほどか。

今月の測定結果。

 3日に測定してもらいました。先月は14回行きました。もしかして、これまでで一番多かったかもしれません。10月は7回だったので、倍増です。

 結果。数値に表れる変化はあまりなかったです。が、もう少し質的な変化をきちんと測れるような指標でもあればいいのに、と思います。少なくとも、疲れにくくなってはいるような気がするので。

 ただ、それが筋トレの効果かどうかはよくわからないのです。どちらかといえば、鉄分を摂取しているお陰かと。お気に入りのハートレイトモニターで計測していると、いったん上がっても割とすぐに下がるようになってきたように思います。これも、鉄のお陰のような気がしていて…。

 それと、「筋肉がつくイメージをしてください」とアドバイスをいただきました。が、これって、私の苦手な(自己)暗示ではないですか。筋トレ中は、筋肉のことではなく、別のことをあれこれ考えて楽しんでいます。だから、ダメなのかも。

 あ、年齢が1つ若くなりました。いいんだか、悪いんだか、よくわからないのですが。

2008年12月 3日 (水)

ねこ、追加しました。

 サイドバーの一番下です。

 ポインタを動かすと、目で追っかけてきたり、手を出してきたりします。かまってやってください。

鉄分が必要だ。海にも。そして、私にも。

 酸素がないと生きられませんが、からだに酸素を運ぶためには血液中に鉄分が必要です。赤血球中に鉄分がある一定量以上含まれないと、十分な酸素の供給がなされず、疲れやすいとかエネルギッシュさに欠けるとか、いろいろ問題が出ることが判明しています。理論的には、からだから鉄分が無くなると、生きてはいられないはずです。まぁ、その前にふつうには暮らせなくなっているはずなので、気が付くはずですが。

 そんなわけで、人体には鉄分が不可欠ですが、多くの人はそういうことは意識せずに暮らしておられます。鉄が足りない人(=私)ですら、そのことに気がつかずに生きていることも可能ですから(ダメじゃん)。

 いや、だから、最近は反省しつついるわけですけども、そういう私に鉄の重要性を十分に認識させてくれる本を読みました。畠山重篤さんの一連の書籍と、松永勝彦さんの著書です。

 畠山さんは、気仙沼で牡蠣養殖業を中心に営まれている漁師さんでありましたが、1989年より森林の環境整備を進める運動も推進し各地に広げてこられている方です。

 「森は海の恋人」がその活動の標語なのですが、その趣旨は、森の広葉樹が落とす葉が腐葉土となり、そこからフミン酸とフルボ酸が溶け出します。フミン酸は、粒子で存在する鉄を鉄イオンに変え、フルボ酸は鉄イオンと結びついてフルボ酸鉄という物質に変わるのだそうです。フルボ酸鉄は安定的な物質で、この形で雨水などに混ざって川を流れ、海まで届くのですが、そこで植物プランクトンに取り込まれて増殖するのに必要なリンや窒素を利用できるようになるのだそうです。つまり、先に鉄分が植物プランクトンの体内にとりこまれていなければ、いくらその環境に栄養素であるリンや窒素が豊富でも、使えないということになるわけです。

 植物プランクトンの細胞膜を鉄粒子や鉄イオンが酸素と結び付いた酸化鉄は通過することができず、体内に取り込めないため、いくら鉄分がそこらにあってもダメなのでした。したがって、フルボ酸鉄の状態で海まで流れ込むことが大変重要になってくるわけです。それがないと、植物プランクトンは栄養を取りこめず、死んでしまうことになります。

 海において、植物プランクトンが重要なのは、食物連鎖における出発点になるからだと言えます。つまり、植物プランクトンを動物プランクトンやその他の小さめの生き物が食べることで、次の大きめの生き物の餌となり、さらにより大きめの生き物の餌となり…となって、人間が漁によって捕獲するような魚や貝類などが生産されるのです。

 海に、植物プランクトンが利用できるような形で鉄分が供給され続けることが、海の生き物にとっても、漁師さんにとっても、そして、海産物をいただく私たちにとっても非常に重要なことがわかります。

 さらに、海にフルボ酸鉄を供給するためには、川の上流にある山にバクテリアによって分解されてフミン酸とフルボ酸を産生する広葉樹の葉が必要だということもわかります。針葉樹ではダメなのです。広葉樹の葉が鍵になっているようです。ということは、論理的帰結としては、海に流れ込む川の上流にある山に広葉樹があり、その広葉樹が秋になると葉っぱを落として、落とした葉っぱを分解するバクテリアがその辺に棲んでおられ、分解活動にまい進し、フミン酸とフルボ酸を作る。そこに、雨が降ってきて、その雨水にフルボ酸鉄が運ばれて川を介して海までつながっていく、という一連の流れが必要だということになりますね。

 そんなわけで、海の生産者が山に広葉樹を植えることが大切だと気がつき、実際に植林活動をはじめたのが1989年だそうです。丸20年になります。

 この辺りの経緯は、『森は海の恋人』に詳しいです。

森は海の恋人 (文春文庫)

  私はこの「海の環境のために、山に広葉樹を植える」という話は、以前に聞いたことがあって知っていました。20年もすでに歴史があるので、当然と言えばそうかもしれませんが。何巻かは忘れたのですが、食事や食材、食文化についてあれこれと知識を提供してくれるコミック『美味しんぼ』です。これも、いろいろな経緯からすでに25年くらいのつきあいがあります。もしかすると、この話のなかに、畠山さんも出ていらしたのかも。ちょっと覚えていませんが。

鉄が地球温暖化を防ぐ

『鉄が地球温暖化を防ぐ』(畠山重篤著、2008年6月刊)

 それで、私がより関心をもったのは、鉄が海の生き物にとって必要不可欠な元素であるということだけでなく、より広く環境全体にとっても大きな役割を果たしていることを知ったからです。

 本書は、同じく畠山さんの著書なのですけども、鉄の元素としての少し変わった特性から、生き物に与えている恩恵について詳しく書かれています。

 具体的には、上述したフルボ酸鉄のことなどです。これは、『森は海の恋人』にはそこまで詳しくは書かれていなかったと思います。さらには、タイトルにあるように地球温暖化に対しても、鉄が寄与するというのです。それは、温暖化の原因物質だとされる大気中にある二酸化炭素を植物に吸収させることで、大気中外へと固定させようという試みのようです。陸上の森林面積の減少も大気中の二酸化炭素増加の原因のひとつとされていますが、海域でも「森」を生成すれば海の中に二酸化炭素をとどめることができるのではないかと考えるようです。

 これは、4冊目に出てくる松永さんの理論で、「もし、北海道の面積の二〇~三〇パーセントの広さに相当する海域を利用し、コンプを繁茂させれば、日本で放出する二酸化炭素の五〇パーセント程度を固定できることになる」のだそうです。

 コンブにしろ、その他の海藻や植物プランクトンにしろ、海中の植物を繁茂させるためには、鉄が必要だということに違いはありません。海のなかに、いろいろな海藻の森ができていても、陸上に住んでいる人たちには邪魔になったりはしないはずですので、こういうことは積極的に進むよう、応援してもよいのではないでしょうか。コンブは食べることもできますし。

 本書には、この鉄を使った環境への取り組みがいくつか紹介されており、実際に効果をあげているようです。畠山さんの著書のなかでは、最新ですから、関心があれば、ぜひ読んでみてください。

牡蠣礼讃 (文春新書)

『牡蠣礼賛』(畠山重篤著、2006年11月刊)

 次に、本書は、タイトルのとおり、牡蠣を礼賛されているものです。一連の著作のなかでは(全部を読破したわけではないのですけども)、より牡蠣の生態や種類、味や牡蠣に関する食文化について書かれたものと言えます。信じられないほど行動力のおありの畠山さんは、牡蠣のことでアメリカに行き、フランスに行き、中国にも行きと本当に世界中を飛び回っておられます。これも、牡蠣を食べることが可能にしているのでしょうか。

漁師が山に木を植える理由 (Earth friends)

 『漁師が山に木を植える理由』(松永勝彦、畠山重篤著、1999年)

 こちらは、対談本です。ところどころ、そうでない部分もあるのですけど。松永勝彦さんは、森と海のつながりについて、研究者としての立場から研究し、函館に「どんぐりを植える会」を作り、畠山さんと同様の広葉樹を植える活動をなさってもいる方です。

 畠山さんの漁師としての直感から、山に広葉樹を植える必要を悟られたのに対し、松永さんはあくまで調査や理論的な研究から、そのことを提唱なさっています。

 対談本好きな私にとっては、読みやすくもあり、そういう点もお薦めなのですが、松永さんが社会に対する提言を大変明確におっしゃっていることやある種の自負をもっていらっしゃるところに感銘を受けました。

 陸上の砂漠化の問題は、もう20年以上言われているような気がしますが(専門的にはもっと長いのでしょうけど)、海の砂漠化の話はあまりポピュラーな環境問題として語られていないような気がします。サンゴの死滅とか白化現象などは見たことがありますけども。その理由が鉄だとか、上流の環境とのかかわりなどが、さほど認識されず、管轄が縦割りであることが問題だと指摘されているのですが、これは、このことに限ったことではなく、いろいろなところに見られることですね。

 久々に生物とか化学の科目のことを思い出しておもしろかったです。

2008年12月 2日 (火)

今日の案内。

 人と比較することができないので、よくわからないのですけども、以前はよく道を聞かれました。仙台を歩いているときも、福岡を歩いているときも。大阪でも、だったかもしれません。近所でも聞かれます。新宿で立っていたら聞かれたこともあります。そんなにどこの地理もわかりませんよ。ですが、知りえる限りはお答えするようにしています。幸い、仙台でも福岡でもわかっていたことだったので、ご説明させてもらいました。一時は、いっそ、地図でも持ち歩こうかと考えたりもしましたが、ここのところ、道を聞かれる習性がなりを潜めているので、地図は携帯していません。

 今日は、仕事への通勤途上にホームに立っていたら、後ろのほうから話しかけてくる人がおられます。60代くらいの女性だったような気がします。何かと思ったら、「急行と各停ではどちらが先に着くんですか?」というご質問でした。そんなことを聞かれても、普段使う路線でもないし、来たのに乗ることにしていたので(乗る区間が短いので)、あとから来た急行が追い越すことはなかったような記憶があり、「この区間は片側複線にはなっていなかったと思うので、来たのに乗るのが一番速いと思いますよ」と答えました。

 その方はお礼を言ってくださったのですが、私は不安になってきました。だいたい、この路線を使うときはその先の仕事のことで頭がいっぱいだし、前日はいつも寝る時間が少ないし、線路に落ちたり乗り間違えたりしない程度の最小限の注意力を維持する程度でぼんやりしていることが多いからです。普段気がつかないけれど、急行が各停を追い越して行ったことがなかったとは断言できないなあと不安になりつつ、来た各停に乗り込みました。

 不安になりつつ数駅進むと終点になりました。その間、急行に追い越されることはありませんでした。記憶は正しくて、その区間は追い越しができるような線路の構造になっていなかったのでした。ひとまず、質問してこられた方に対して、嘘の情報を言うことにならなくてほっとしました。

 仕事後、話しかけてきた人がいたのですが、こちらは大変緊張しているようでした。こういう状況を比較的経験してきたので、私って話しかけにくいのかなぁと思ったりもするのですが、道では、あと、スターバックスでは話しかけられます。どっちなのか、よくわかりません。

 そう言えば、昨年の今頃、井の頭線渋谷駅の改札を出ようとしたら、出口を塞いで道を聞かれたことがありましたっけ。受験生らしき女性とその母らしき女性の二人連れでしたが。「駒場東大前はどうやっていくんですか?」が質問内容でした。おそらく、受験の下見だと思います。

 それにしても、そんな人生の岐路になるかもしれないような道案内を、駅員でもなんでもない私に尋ねるとは、すばらしい勇気ですね。ご質問にお答えするこちらがより大きな勇気がいるような内容です。そのときは、さすがに「駅員に尋ねられたほうがいいですよ」と言いました。駒場東大前は渋谷から2駅ですけどね。

 ここまで書いて来て、もしや、と思うのは、私は「通りすがりの人に道を聞いている」のだとこれまで疑ったことがなかったのですが、もしかすると、この認識が間違っていて、人々は私のことを「駅員」だと思っているのかもしれませんね。パン屋で店員に決めつけられていたのに、気がつかなかったくらいですから。そうなのか?どうなんだろう。

2008年12月 1日 (月)

嗚呼、殻付き生牡蠣。

 牡蠣との経緯(?)はここにも書きましたが、今日残りの10個に対峙しました。

 今日の勝負は私の圧勝でした。

Ca390106  これが、今日殻をはずしたものです。何が違うかというと、ひらべったい側の殻に残る貝柱が少なかったということです。

Ca390108

 このひらべったい側の殻をみてください。全部乗せきれないので10個ではありませんが、10個のうち、前列左端の1個だけが、外套膜も残ってしまった本日最大の失敗で、他は全部貝柱のところだけを残してうまく殻をとることができました。

 2日前と違うところは、「牡蠣が来た」ということに動揺せずに、どのようにナイフを使えばよいかをよく認識しておいたことが私の側の最大要因ですが、牡蠣の側の事情を考えると、昨日丸一日冷蔵庫の中に放置プレイでしたので、届いてすぐに比べて少し疲れ気味であったことが考えられます。おそらく、この一日の間に、牡蠣においてはある種の諦観が生まれたのではないかと考えられます。もう逃げられない、観念するしかないという感じでしょうか。

 出した身ですけども、消費期限が今日でしたので、ひとまず、冷凍庫に入れました。これで、多少、今後について考える猶予ができました。

 殻については先日と同様に今、煮て水洗いをしているところです。2日前に干した殻でしたが、本日帰ってくる時に降っていた雨のため、今も外で濡れておられます。

 殻付き生牡蠣に対する苦手意識がもう少しで固定されそうでしたが、同じことをやってみて成功体験に変えることができて、よかったです。これで、次回以降も殻にはポジティブに向かっていくことができます。まぁ、次回がないことを祈りますけど。

 それと、牡蠣をピザに乗せて焼いてみるアイデアは、あまりよくありませんでしたので、よほど余興をもとめておられる場合を除いて、お薦めしません。

 牡蠣の仕事は、明日、それから明後日くらいでなんとか形にしたいと思います。

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