「劇中観察」を通して、不思議世界を観察している感じ。
『キッチン・ストーリー』(2003年ノルウェー=スウェーデン合作、2004年日本劇場公開)
おかしな設定の、おかしなストーリーです。舞台は台所。だから、キッチン・ストーリー。
4年ほど前に一度観ていて、また観てみました。1950年代のスウェーデンにある「家庭研究所」から調査員がノルウェーの一人暮らしの老人のもとへと調査にやってくるという設定。調査では、調査対象者とコミュニケーションしてはいけないと固く命じられています。だから、調査対象者のうちのキッチンに脚の長い椅子を置いてそこに座り、一日中、黙って観察しつづけ、記録をつけていかなければならないという、忍耐がもとめられる仕事なのでした。
とはいえ、日々、相手を観察しているのに、何も話してはいけないとか何かを手伝ってはいけないなんて、そうそうできるものではないでしょう。観察しているほうだけでなく、観察されているほうだって、やっぱり、変な感じですから。
観察者と対象者とのあいだに生まれてくる感情や関係をおもしろく表現していると思いました。私なら、座面の高い椅子に座って観察するほうなら、やってみてもいいですねぇ。逆はヤダ(笑)。
話の最後のほうは、クリスマスの時期になります。ちょうど、今の時期に観るのもよいかもしれません。大笑いできるところはないけれど、くすっと笑えてハートウォーミングだと思います。
「Yahoo!映画」でのあらすじ説明(ここ)でも、おかしさが伝わると思います。
『キッチン・ストーリー』を思い出したのは、同じ監督の最新作『ホルテンさんのはじめての冒険』(ここ)の情報をキャッチしたからでした。とても気になります。どうせ、おかしな設定の、そこはかとなくおかしさを秘めた作品に違いありません。って、そこまで力説しなくてもいいし、実際には観ていないのですが。この写真の犬をもちあげているところも、意味不明ですね。でも、犬が出てくるんなら、やはり、観たほうがいいのではないでしょうか。理由ですか?いや、犬が観たいから。
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