「均衡」か「均等」か、明確に。岐路ではあります。
いずれも2009年2月28日付ですが、働き方を考えるのになかなかよさげな3つの記事がありました。
日経では、「同一労働同一賃金」についてのQ&Aを連載しているようです(ここ)。これは4回目のようです。3回目まではきちんとフォローしていなくて、ちょっとわかりませんが。気になる点は、3つ目のQに対するAとして、「均衡」と使っている点。他では、「均等」と使っている。「均衡」は感じの悪い言葉です、私にとっては。この単語が出てきたおかげで、このQ&A全体に対する信頼度が低下しますね。QとAがかみ合っているのかどうかも気になってしまいます。Aの筆者は誰なのか、日経新聞なのか、誰か識者が回答しているのか、1~3回目を確認しないとわからないのでしょうかねぇ。
読売では、なかなかきちんとした記事になっていると思います。「はたらく」というシリーズもので8回目の最終回でした(ここ)。他の回を知らないのですが、この回は「派遣家族」をテーマにしていて、大都市での派遣という働き方と地方弱小都市でのそれとは、かなり違う文脈があるのだということを主張されていて、納得がいきます。こちらでは、「均等」待遇を論じておられるようでした。
朝日は土曜日にbeという別紙を出しておられますが、そのビジネスの方(エンターテイメントもある)に「ワークライフバランス」が大きく取り上げられていました(ここ)。このところ、WLBは本当によく目にしますが、この記事は「福利厚生から経営戦略へ」と明確に主張しておられると思います。また、先日ご懐妊が明らかになった小渕少子化相がかねてより主張なさっている消費税1%を少子化対策にと、訴えておられます。「1,2年で具体策を実行するスピードが求められ」るという点、同感です。
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えふさん
「均衡待遇」って本当にあいまいな表現です。まやかしを感じます。僕は西洋的な職務給に基づく「同一労働同一賃金」は、同じ仕事でも大きく差のある個人の労働生産性の違いを無視するので、支持できないのですが(それで「同一」という言葉は使わないのですが)、雇用形態による時間あたり賃金差の解消などの均等待遇は勿論支持しています。
投稿: 山口一男 | 2009年3月 2日 (月) 05時14分
山口一男さん
ありがとうございます。「均衡待遇」については、「すでに均衡である」と言い張っているところも結構あるので、結局のところ、現状維持のための言葉なのではないか、という気がします。そのためか、「均衡に処遇する」は結構使用されてきましたが、「均等に」は要求側は使うけれど、使用者や公的機関は簡単には使わないような印象があります。
「同一労働同一賃金」は「均等」待遇を要求する選択肢の1つだと思いますが、他の選択肢はあまり語られていないような気がします。私が知らないだけなのかもしれませんが。
「同一」にしてしまうと、「正規」と「非正規」では、仕事内容が違っている場合も多いですし、「同一価値」とか「価値」を導入しても、「責任の重さが違う」みたいな主張になるし、まぁ、むずかしいですね。
この辺のことは私はほとんど知らないので、勉強しないといけません。
投稿: えふ | 2009年3月 2日 (月) 21時36分