従業員と事業所の意識の違いが明らかに(東京都男女雇用平等参画状況調査報告、公表されました)
東京都(産業労働局)が毎年実施している『平成20年度東京都男女雇用平等参画状況調査結果報告 均等法、育児・介護休業法への対応等企業における男女の雇用管理に関する調査』結果が発表されました(2009年3月25日)。一般紙でもニュースに先月末にニュースになっています。ここに結果のポイントがありますが、育児休業の取得率、子どもの看護休暇、ワークライフバランスなどについて、どの程度の認知度があるのかなどが明らかになっています。2008年9月時点での調査であること、それから、有効回収率がさほど高くないことなどを考慮しても、まぁ、現在の東京都の事業所の様子がわかりますね。
「事業所調査」と「従業員調査」をしているところがおもしろいところでしょうか。
男性の育児参加に対する考えは、従業員の「積極的に参加したほうがよい」(男性44.4%、女性52.8%)に対し、事業所は26.8%と割合が低く、従業員と事業所の意識の相違が見られる(6頁)。
従業員のうち、「ワークライフバランス」という言葉を「知らない」と回答した割合が4割を占め、言葉自体の認識があまりないことがわかる(7頁)。
ワークライフバランスの言葉の認知度については、以前にも、このブログで2度ほど取り上げていましたが(ここ)(ここ)、「言葉も内容も知っている」は1割ほどでした。が、東京都の今回の調査では、28.5%になっています。言葉自体を知らない人が4割ですから、まだまだ周知する余地が十分にありますが、それでも、増えていると思っていいんでしょうか。ただ、今回の回収率と1割の認知度とした内閣府の調査(調査時点は2008年6月)回収率は6割を超えているので、信頼性は内閣府のほうが高いのでしょうねぇ。
報告書は紙媒体のものは全体版がすでにありますが、ウェブ上では概要版しか見つかりませんでした(ここ)。全体で8頁、私の好きな「自由回答」もあります。
いえ、本体報告書ありました。ここから、章ごとに(全4章)分割されているものを見るか、全体まるごとダウンロードを見るか(ここ)選べます。
より一層の推進が望まれますね。
« 極めて快適です。 | トップページ | 時間を止める魔女の魔法かも? »
「ニュース」カテゴリの記事
- 謹賀新年(2022.01.01)
- クロスバイクを所有することにしました。(2020.04.17)
- 国有地払下げ財務省疑惑の裁判が始まります。(2020.03.19)
- 避難したくなる避難所を(2019.10.14)
- 国際女性デー。(2019.03.08)
「冊子・報告書」カテゴリの記事
- かなり明確な格差があるようです。(2017.09.02)
- 全国都道府県知事会が「第4次男女共同参画基本計画に関する提言」をお出しになりました。(2015.05.14)
- 今頃ですが、『日本の生産性の動向 2013年版』という報告書を見つけたにょ(2014.08.24)
- 「個人と企業の持続的成長のための働き方改革」が発表されました(2014.05.29)
- 議事録を発見。(2014.04.28)
えふさん
WLBの認知度ですが、内閣府は全国標本、今回は東京都ですから、東京都民にのほうが平均的には新しい言葉の認知度が高いので、内閣府の調査時よりWLBの認知度の増加したのかどうかはは不明ですが、少なくとも東京都でWLBという言葉を知らない人が4割というのは、数年前を考えると、大きな変化のように思えます。僕が2003年に日本でのWLBの研究を始めたころは、雇用問題の研究者でもあまりこの言葉を知らかったように思います。パクさんの先駆的な『会社人間が会社をつぶすーワーク・ライフ・バランスの提案』が2002年、この言葉を広めた大沢真知子先生の『ワークライフバランス社会へ』は2006年出版ですから当然といえば当然ですが。
投稿: 山口一男 | 2009年4月 8日 (水) 08時57分
山口一男さん
なるほど、全国区か東京都かの違いもあるのですね。
WLBの語は、本当にここ1年半くらいで急速に普及したように思います。もちろん、業界ごとの差が大きいのでしょうが、少なくとも、政府や自治体の関係部署では知らない人はいないくらいに認知されているように思います。
1年後の結果を知りたいものです。今年の6月に調査をするのかどうかは知らないのですけども。
今後の普及速度を上げるために、政治家のはもういいので、ワークライフバランス饅頭とか、WLB鯛焼きとか、を販売するといいかもしれません。関連や必然はないのですが、ちょっと変なので話題にはなりそうですが…。ダメですかね、やぱり。
投稿: えふ | 2009年4月 8日 (水) 22時32分