ﾁｨｻｨがっ！ ッカ？

（ここからのつづき）

ねこ：おい、あそこにいるだろう。

ネコ：ん～？

ね：あの、石の陰から、ふわふわの尻尾が見えてる

ネ：あ、白くて、ふわふわの尻尾が

ね：そうだ

ネ：何してるんだろう？

ね：さあな、ﾁｨｻｨは、ォマェと似てて、気になるものがあると、じっと観てるんだ

ネ：ふ～ん

ね：ぉ～ぃ、ﾁｨｻｨ～

ネ：ﾁｨｻｨ～

ね：あっち向いてるし、聞こえないのかもな

ネ：ぅん

ね：じゃあ、ォレが、呼んで来る

ネ：ぅん

ね：ぉぃ、ﾁｨｻｨ！

ﾁｨｻｨ：……

ね：おい、ﾁｨｻｨ！

ﾁ：あっ？

ね：何してるんだ？

ﾁ：さっき、変なヤツが、居た

ね：そうか

ﾁ：ぅん

ね：で、何してたんだ？

ﾁ：…観てた

ね：そ、そうか

ﾁ：ぅん

ね：ォマェ、

ﾁ：あの、ヤツは、にゃんだ？

ね：わからないな、観てないし

ﾁ：そか

ね：うん、そうだ、それより、ォマェ

ﾁ：ん？

ね：にゃんだが帰ってきたぞ

ﾁ：……

ね：……

ﾁ：……

ね：…ﾁｨｻｨ、どうしたんだ？

ﾁ：んと、にゃんだって、にゃんだ？

ね：ォマェは～

ﾁ：？

ね：にゃんだってのは、ォマェを産んだ猫のことだろう

ﾁ：あ、そうだった

ね：ォマェ…

ﾁ：居なくなってた

ね：そうだぞ、忘れたらダメだろう

ﾁ：そうだった

ね：ォマェは～

ﾁ：……

ね：にゃんだも、ォマェも…

ﾁ：…今、どこに居る？

ね：あっちだよ、いつも居るところに

ﾁ：行ってみる？

ね：そうだ、行ってみろ、久々の再会だろうよ

ﾁ：ぅん

ね：変なヤツのことは、またにしろ

ﾁ：ぅん

ね：おい、にゃんだっ

ネ：ん～？

ね：ほら、ﾁｨｻｨを連れてきたぞ

ネ：どこに？

ね：ほら、ここに居るだろう

ネ：！

ね：どうしたんだ、にゃんだ。

ネ：コィツ、ﾁｨｻｨ、か？

ね：そうだよ、何言っているんだ？

ネ：ッカ？

ね：あ？

ネ：にゃんでか、ッカ？

ね：ォマェ、その、「ッカ」ってのは、なんだよ？

ネ：あ、最近の口癖

ね：……

ネ：ﾁｨｻｨが～

ね：どうした？

ネ：小さくない～

ね：ぉぃ、ﾁｨｻｨ、ォマェからも、何か言うことはないのか？

ﾁ：ォ帰り～

ネ：ただいま～

ﾁ：にゃんだ、小さくなった？

ネ：うんにゃ、現状維持のはずだけど

ﾁ：だけど、小さく見えるな

ね：ﾁｨｻｨよ、ォマェ、自分が大きくなったことに気がついてないのか？

ﾁ：！

ネ：ちょっと観ない間に、ﾁｨｻｨは、随分と大きくなったんだな

ﾁ：にゃんだ、小さい…

ネ：小さくはないぞっ

ね：いや、にゃんだは、もともと小柄な大人なんだよ

ﾁ：…前より、小さい？

ね：そんなこともないけど

ﾁ：ふ～ん

ね：あ、でも、ﾁｨｻｨは、自分が大きくなったから、小さく見えるのかもな

ﾁ：ふ～ん

ネ：小さくないぞ！

ﾁ：にゃんだ、小さい…

ネ：ォマェが、大きくなりすぎ～

ﾁ：勝手に育った

ね：にゃんだ、ォマェが、留守にしすぎだ

ネ：…にゃんでか、ッカ？

ね：だから、その「ッカ」っていうのは、なんだよ

ネ：韓国出身の猫と話してたら、うつった

ﾁ：ッカ？

ね：ﾁｨｻｨまで、真似しなくていいから

ﾁ：にゃんでか、ッカ？

ね：……

ネ：にゃんでか、ッカ？

ね：ォマェﾀﾁ…

ネ：あっ、ﾁｨｻｨよ

ﾁ：にゃんだ、ッカ？

ネ：あっ、にゃんだって言えるようになったのか、ッカ？

ﾁ：ぅん、ッカ

ネ：いや、疑問文でないときに、「ッカ」はおかしいぞ

ね：…ぃや、そもそも、その「ッカ」ってのは、いつでもおかしい

ネ：にゃんでか、ッカ？

ね：……

ﾁ：その、グレーのヤツは、にゃんだ、ッカ？

ネ：あっ、ねむねむが居たこと忘れてた…

ね：ォマェは～

ネ：ﾁｨｻｨよ、このグレーのヤツは、ねむねむ、というんだ

ﾁ：ねむねむって、にゃんだ、ッカ？

ネ：ねむねむは、にゃんだと思う、ッカ？

ﾁ：ぅ～ん…

ね：そういえば、ねむねむは、なんだ？

ﾁ：…猫じゃない…

ネ：そうだ

ね：それは、すぐにわかったけど…

ネ：……

ね：……

ﾁ：……

ネ：……

ね：ぉぃ、何か、言えよ

ネ：ぇぇと、ねむねむは、たしか、ｩｫﾝﾊﾞｯとかいうヤツだ

ﾁ：ｩｫﾝﾊﾞｯ、ッカ？

ネ：…たしか

ね：…ウォンバットとかじゃないのか？

ネ：そ、そうだ

ね：そうだそうだ、いつも眠そうで、のんびりした顔のヤツだ

ネ：ぅん

ﾁ：ｩｫﾝﾊﾞｯ…ッカ

ネ：そうだ

ね：ﾁｨｻｨよ、これから、この、ねむねむも一緒に仲良くすることになったから

ﾁ：ぅん

ね：もう、ォマェの方が、からだも大きいし

ﾁ：ぅん

ね：ここのことも、よく知っている

ﾁ：ぅん

ね：だから、ねむねむのことも、気にしてやるんだぞ

ﾁ：ぅ～ん

ね：「ぅ～ん」ってのは、なんだ？

ﾁ：気にする、って、にゃんだ、ッカ？

ね：う

ﾁ：ぅ？

ね：あ～、たとえば、ねむねむが困っていたら、助けてやるってことだ

ﾁ：ふ～ん

ね：わかったか？

ﾁ：ぅん、…ッカ

ね：だから、その、「ッカ」っての、なんとかならないのか？

ﾁ：……

ね：……

ﾁ：…ッカ

ね：……

ネ：ﾁｨｻｨも、大きくなってて、びっくりだった

ね：ォマェが、長いこと、留守にするからだろう

ネ：ぅん、そうだけど、これこそ、「親がなくても、育つ」かな、ッカ

ね：ォマェは～

ネ：にゃんだ、ッカ？

ね：ォマェが居ない間、ォレや、ここの仲間が、ﾁｨｻｨのことは、気にかけてたんだよっ

ネ：そうだったのか…ッカ

ね：そうだ

ネ：ﾁｨｻｨよ、お礼は言ったのか、ッカ？

ﾁ：ありがとう、ッカ

ね：ォマェﾀﾁは～

ネ：……

ﾁ：……

ね：……

ネ：…これからも、ﾁｨｻｨのことは、よろしく、ッカ

ね：ォマェは～