国際女性デー、100周年おめでとう。
本日は、国際女性デーでした。月曜日で、この人(=私)は、がんばって仕事をしてきました。帰りが遅く、家での用事ができません…。
3月8日は「国際女性の日」
1977年、国連総会は各国に対し、それぞれの歴史、国民的伝統や習慣に沿うかたちで任意の日を「国際女性デー」と宣言するよう呼びかけました(決議32/142)。女性に対する差別撤廃と、平等な社会参加に向けた環境整備に貢献することが各国に期待されています。この国際デーは国連総会が宣言した「国際女性年」(1975年)および「国連女性のための10年」(1976~1985年)に引き続くものです。
今年は、1995年に北京で開催された第4回世界女性会議から15年目にあたる節目の年です(北京プラス+15)。現在(3月1-12日)、ニューヨークの国連本部ではジェンダーの平等と女性のエンパワーメントの促進について15年間の進捗状況を確認するとともに、課題の克服に向けた話し合いが行われています。
「国際女性の日」(3月8日)に寄せる、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長メッセージはこちら(ここ)
以下に、貼りつけておきます。
(広報資料)
プレスリリース10-014-J
2010年3月8日
国際女性の日(3月8日)に寄せる潘基文(パン・ギムン)国連事務総長メッセージ
「平等の権利と機会:すべての人のための前進」
ジェンダーの平等と女性のエンパワーメントは、すべての人に平等の権利と尊厳を達成するという国連のグローバルな使命の根底をなす要素です。国連憲章や世界人権宣言にも謳われているとおり、それは基本的人権の問題であり、国連それ自体のアイデンティティの一部にもなっています。
しかし、女性と女児にとっての平等は、経済的、社会的な義務でもあります。女性と女児が貧困や不正から解放されない限り、平和、安全、持続可能な開発といった私たちの目標の達成はいずれも危うくなるからです。
15年前の第4回世界女性会議で、各国政府は世界中のすべての女性のための平等、開発および平和を前進させることを誓いました。ここで採択された画期的な「北京宣言」は、深く幅広い影響を及ぼし、政策立案や新たな国内法制定の指針になりました。また、全世界の女性と女児に対して、平等と機会はその不可侵の権利であるというはっきりしたメッセージを送りました。
市民団体の断固とした取り組みのおかげで、多くの改善例が見られています。女児のほとんどは特に初等レベルの教育を受けられるようになったほか、企業を経営したり、政府に参画したりする女性も増えてきました。性と生殖に関する健康の増進を支援し、ジェンダーの平等を促進する法律を制定する国も増えています。
とはいえ、すべきことはまだ多く残っています。妊産婦の死亡率は受け入れがたい水準で高止まりしており、家族計画を利用できる女性も少なすぎるのに加え、女性に対する暴力は世界的に恥ずべき状況にあります。特に、紛争中には性暴力は風土病のようにまん延しています。安全保障理事会は昨年、この問題に関し2件の断固とした決議を採択しましたが、私も最近、こうした犯罪への取り組みに国際社会の力を結集すべく、特別代表を任命したところです。私の「UNite to End Violence against Women(団結しよう、女性への暴力を終わらせるために)」キャンペーンは、最近になって発足した「男性指導者ネットワーク」とともに、グローバルな権利擁護への取り組みの拡大に努めているところです。
過去15年間に得られた重要な教訓の一つとして、差別と不正全般への取り組みの重要性があげられます。ジェンダーのステレオタイプ化と差別は、あらゆる文化とコミュニティに見られます。早期の強制的結婚やいわゆる「名誉殺人」、性的虐待、若い女性と女児の人身取引は恐ろしい広がりを見せており、一部の地域では今なお増大しています。貧困という観点から見ても、また、災害時の状況から見ても、女性は依然として最大の負担を強いられていることがわかります。
もう一つの教訓は、国連が自ら模範を示し、主導していかねばならないということです。私たちは、女性が平和と安全に中心的な位置を占めることを強調しつつ、平和維持活動でさらに多くの女性将校や女性警察官の展開を図っています。国連で上級職に就く女性の数も史上最多に達しており、国連システム内には近いうちに、ジェンダーの平等と女性のエンパワーメントに向けて、プログラムの整合性を高め、より大きな声でこれを主張していくダイナミックで複合的な組織ができ上がるものと期待されます。私は総会に対し、こうした新しい組織を滞りなく作り上げるよう求めます。
「北京宣言」は今でも、採択当時の意義をそのまま保っています。ジェンダーの平等の推進と女性のコミットメントを達成するという3番目のミレニアム開発目標(MDGs)は、全目標の中心となる存在です。女性が自らとその社会を向上させる機会を奪われれば、私たち全員へのダメージも大きいからです。今年の「国際女性の日」にあたり、過去15年間の成果を批判的に振り返ることで、うまくいったところをさらに推し進め、うまくいかなかったところを正していこうではありませんか。そして、平等の権利と機会、すべての人のための前進が約束される未来を実現できるよう、新たな決意で取り組もうではありませんか。
* *** *
文中、「名誉殺人」というのが出てきますが、これは、婚前に男性と交際すると、一族の男性(父や兄弟)の名誉を汚したと見なされる価値観から、父や兄自ら娘や妹に火をつけて焼き殺す「風習」のことです。honor killingと言われています。
その近所ごと、このことを隠すので、実際に起きている件数は正確には把握されていないとか。
『生きながら火に焼かれて』という衝撃的なタイトルの本書は、生きながら火をつけられて、ほとんどの場合、殺されてしまう「名誉殺人」の生き残りの人が書いた自伝なんです。以前に紹介しましたっけ(忘却のかなた)?
で、ヒ~と思いながら、ひどいことに憤りつつ、読んでください。
奇跡の生存者による魂の証言
衝撃のノンフィクション!
中東シスヨルダンの小さな村。学校にも通わず、鞭で打たれながら奴隷のように働く17歳の少女スアド。恋愛は死に値する行為と知りながら、恋する気持ちは止められなかった……
遠い過去の話でも、フィクションでもない。もう目をそらすことはできない。
婚姻前の性交渉……そのために少女は火刑にされた。
今なお虐待と死の危険にさらされている女性たちの、衝撃の記録!
国際女性デーとは、直接は関係のないことですが、国連として女性の問題に取り組む、国連女性開発基金(Unifem ユニフェム)の年次報告書ができたそうです。2007-2008のものは、こことここに日本語訳がありますので、ご関心のある方はどうぞ。
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