インドでクォータ制を導入することが決まったそうです。
もしかすると、最近は、「パパ・クォータ」が新聞などではよく目にする言葉になっているかもしれませんねぇ。どうなんだろう。この場合は、育児休業をママではなくパパ、つまり、男性が取得した場合には、何かしらの得になる制度を意味することが多いと思います。が、上の記事とは少し意味合いが違いますね。
クォータとは、quotaと書きますが、「クォータ制」とは、割当て制と訳されていることが多いような気がします。最近では、そのまま、クォータ制と書くことも多くなってきたかもしれませんが、知らない人にはいずれもどういう意味だかわからない単語かと思います。
主に、政治への女性の参画を議論する際に出てくる言葉です。日本も相当ですが、多くの国では、政治家の男女比率に大きな差があり、政治家というと男性(それも、若年者がほとんどいない)というイメージが強いと思います。そして、それは、現実でもあります。
その現状への評価として、昔は(今でも一部の人においては)、政治には女性は向いていない、という言い方で、女性政治家の少ないことを問題視しない、あるいは、当然であるという考え方があります。いっぽうで、政治家に女性が少ないのは、決して女性が政治に向いていないのではなく、女性が参画しづらい、当選しづらい、出馬しづらい要因があるのだという見方もあります。
現状として、どうして女性政治家が少ないのかということとは別に、人口比では高齢者の多い女性の方が多い社会において、市民の代表である政治家に女性が少ないことは、民意を十分に果たせていないのではないか、女性政治家の割合を増やすことが、女性ばかりでなく男性にとっても、よりよい政治や政策につながっていくのではないか、という発想があります。
その発想を共有する人としない人がいるでしょうが、共有している場合には、では、具体的には、どういう方法で、女性政治家を増やしていくのかという議論が出てくるわけです。
その増やし方のひとつとして、クォータ制があります。最初から、「女性枠」の割合を決めて、選挙後に、それが達成されるような選挙を行うということでしょうか。おおざっぱに言うと。
これは、必ずしも、性別に関してだけではなく、人種などのグループにも適用されている国や地域もあります。
以下は、他紙からも。
議席の33%を女性枠に インド上院、憲法改正案可決
2010年3月10日20時15分asahi.com
【ニューデリー=武石英史郎】インド上院は9日夜、下院と州議会の議席の33%を女性枠として確保する憲法改正案を賛成多数で可決した。長く虐げられてきた女性の地位向上につながると期待されている。
改正案には、女性の社会進出が特に遅れている低カースト層やイスラム教徒を地盤とする政党が審議妨害などで抵抗したものの、与党・国民会議派に加え、野党の有力政党が軒並み賛成した。近く審議が始まる下院でも可決される見通しで、成立すれば、次回選挙から全体の33%の選挙区が女性候補専用に指定され、男性は立候補できなくなる。
インドでは故インディラ・ガンジー元首相を始め、大統領、下院議長、州首相など女性が政界中枢で活躍した例はあるが、一般的に女性は教育や就業の機会などを奪われ、社会的に低い地位に置かれてきた。故ラジブ・ガンジー元首相の妻ソニア・ガンジー国民会議派総裁が女性枠実現を強く後押ししていた。
インド上院、女性議席枠定める憲法改正案めぐり紛糾
ニューデリー(CNN) インド下院と各州議会で3分の1の議席を女性に割り当てる憲法改正案が、「国際女性デー」の8日に上院に上程されたが、強い抗議で審議が度々中断した。
インド国民会議派とインド人民党(BJP)、共産党は改正案を支持している一方、少数の政治家グループは女性議席の枠内に最貧困層やイスラム教徒の割り当てを設けるよう強く要求している。
地方に支持基盤を持つ社会党(サマジワディ党)や全国ジャナタ・ダルの議員らはこの日、スローガンを叫んで議会審議を数回中断させたうえ、連立与党支持を撤回すると表明。また両党の指導者らは抗議のため、党員らとともに議事堂に向かって行進した。
改正案の上院通過は、早くても上院の審議が再開される9日の見通し。専門家らは、少数ながら強烈な反対意見が、地方と全国の政治家間の対立を浮かび上がらせていると指摘している。
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