「不都合な真実」ならぬ「不名誉な現実」~Gender Gap Index 2009下方修正される。
ま、しかし、納得してしまう辺りが悲しい現実でもあります。
昨年の発表は、ご紹介しておりますが(ここ)、2008年に98位だったものが、なんら現実的には女性の地位が変わったようには思えなかったのにもかかわらず、2009年は75位ということで、ランクが落ちるとばかり思っていたこの人(=私)としては、上がってしまい、驚いたとともに、このランキングの信ぴょう性に疑いを抱くようになったのでありました。
つい最近になって、下方修正されたそうです。う。
なんと!75位から101位だそうなんですのよ、奥様。
嗚呼!!でも、納得のいく、実感の持てる順位じゃございあせんか。
あ~あ、あ~あ。
だけど、そんなもんです。
よくなってないですもん、場合によっては、悪化もあり?
それにしても、この人も、公表当時、おかしいなぁ、どうしてかなぁと思いつつ、詳細に報告書を確認してみなければと思っていたのでした。が、雑務に追われてそのままに・・・。
職業的お立場としても重要なこととはいえ、今回、下方修正に至る作業をなさった国内の女性の方々には、敬意を表します。それと、ありがとうございました。
不名誉な現実は、順位の下方修正ではなく、毎年、ランクを下げているこの国の、女性の立場、扱われ方、能力を活用しきれていない社会システムのほうに求められるべきでしょうねぇ。
それにしても・・・。
まぁ、先進国の中で、男女共同参画や男女平等が進んでいないということが、数値として、毎年明確に示されるようになったことと、それをマスコミが報道するようになったこと、お陰で、多くの人たちに知られるようになったことなどは、大変喜ばしいことであります。
が、知ることのできる内容も、知っても喜ばしいと思えるようなものに、不名誉から名誉に、なんとか変えていかねばなりますまいよ。
ほんとに。
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えふさん
確かに75位というのは、「あれ、変だな?」という感じだったのですが、元の統計に当たって誤りを指摘した杉橋さんたちは立派ですね。確かに不名誉な結果ですが、不名誉だからこそ何とかしなければ。それにしても、3桁突入ですか。うーん。問題は、101位という実態が日本に住んでいるとわかりにくいということです。でも何か重要な意思決定の会議に出ると、日本ではいつも男性ばかり。それを異常と感じない日常。アメリカでは同様の会議でほぼ半数が女性なのですが。
投稿: 山口一男 | 2010年4月 8日 (木) 01時52分
山口一男さん
そうですね、誤りの指摘は立派です。
日本国内にいると、慣れてしまって、わからないというのはおっしゃるとおりだと思います。見なれた風景なんですよね。
第1子出産を機に離職する女性が7割もいるために、子育て期の女性の労働力率がガクンと下がるM字カーブのことも、日本の状況だけを見ていると、それがおかしいことだとわかりませんが、他国のグラフを並べてみると、「自然」じゃないことが一目瞭然です。
私が自分で確認したわけではなく、聞いた話ですが、高校の教科書には、M字カーブ(日本の状況)が紹介されているそうですが、比較して特異さをわかるための、他国のグラフは掲載されていないそうです。それを教えてくれた方は、「一枚図を増やすだけで、『自然』じゃないことがわかるのにね」とおっしゃっており、そのとおりだなと思いました。
このように、自分や自分の環境などを相対化するための情報や機会を提供することは大変大切で、その観点からも、GGIの意味は大きいし、不名誉になっても下方修正をなさったことの功績は非常に大きいです。
あ、通称M字カーブの正式名称は、年齢階級別女性労働力率、ですね。あまりに、通称に慣れてしまって正式名称がすぐに出てこないです・・・
M字カーブの国際比較グラフは、↓などがあることがわかりましたので、自分のために、ここに記録しておきます。サムネイル4ページ目
資料のタイトルは、
「女性の継続就業とワーク・ライフ・バランスについて」
厚生労働省の雇用均等・児童家庭局がH19年9月に何かしたものと思われます。何だろう。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/09/dl/s0910-7c.pdf
投稿: えふ | 2010年4月 9日 (金) 01時16分
えふさん
そうですね。わが国女性特有のM字カーブにせよ、男女の賃金格差にせよ、共働き夫婦の家事分担割合にせよ、わが国と他国を比べれば、違いは歴然です。でも、日本だけの数字を示したら、そんなものかと思ってしまう。歴史的変化を見ても日本はこの点遅々とし変わっていない。一方他の国(欧米や発展途上国)ではかなり早くから現在の男女の違いの少ないパターンを持っていた国と、どんどん男女差の少ないパターンに変わってきた国があります。ですから、問題は男女平等度の低さだけでなく、なぜ日本は変わろうとしないかです。日本の順位が毎年落ちていくのは、日本での男女の不平等度がより大きくなっているのではなく、他の国がより平等になる方向に動いているのに、日本では男女平等化への変化が無いからです。経済にしてもみんなこのままじゃやっていけないと思いながら、変わろうとしない。守りに入ると既得権を侵されることを恐れて変化を拒む人や、「古き良き」時代に回帰しようとする人が、政治・経済のリーダー(当然年配の男性)に多くなるからでしょう。女性や若い人や力を持てない社会であることが、より良い社会変化を生み出すことへの妨げとなるという、悪循環を生んでいます。どうしたらこの悪循環を止められるのか。それが問題です。
投稿: 山口一男 | 2010年4月 9日 (金) 07時43分
山口一男さん
なぜ、変わろうとしないのか、という問題意識はおっしゃるとおりだと思います。GGIだけでなく、GEMなどにおいても、下がりがちなのは、他国が取組みを強力に進めているからですよね。だから、悪くならなくとも、そのままでいても、相対的に世界の中では悪くなっていることになってしまう。
やってみれば何でもないことでも、やる前から、こういうことをすればどうなるかわからないという不安を抱くのは、誰にもあることのような気がします。でも、一度やってみると、そうでもないことがわかるのではないかとも思います。私も、転職する前は、転職ってどんなことだかよくわからずに大変不安ではありましたが、やってみると、大したことなかったので、何度でもやってみれそうと思いました。が、今は、また、変化するのは面倒だという気分になってはいます。同時に、環境を変えたい気持ちにもなっていますが。
身近な誰かがやってみて、周囲の人が「あ、なんでもないことなんだ」と思えると、多少は効果があるかもしれません。
が、誰か先陣を切るか、ですね。
及ばずながら、自分がそのちょっと変な人になれるように、努力したいと思います。
投稿: えふ | 2010年4月12日 (月) 00時21分