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2010年5月19日 (水)

幸福って、なんざましょ。

 毎度おなじみ「経済教室」ですが、今回は、well-beingについてでした。

 「幸福度」をwell-beingとしているところが興味深いです。「よいあり方」って感じでしょうか。よりよく生きること?

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 幸福度と所得との関係について、一定水準までは正の相関があるというのは、以前にも、どこかで聞いたことがありました。

 あ、勝間和代さんがおっしゃっていたと思います。他の方の研究をご講演やご主張のなかでご紹介なさっていたのではないかと記憶します。そのときは、具体的な所得額も聞いたような気もしますが。忘れちゃいました。

 「政策目標として幸福度だけを使うのは危険」をポイントとして挙げておられるのは、非常に重要だと思います。当然と言えば当然なのですけども。だけど、うっかりそういうこと言いそうな人って、いますから。

 え?いませんか?

 それは、気持ちのよい環境にお住まいなのですね。いいなぁ。

 主観と客観のバランス、あらゆる領域で重要です。

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コメント

えふさん
  Well-being ですが、アメリカでwelfareと対比して出てきた言葉です。ウェルフェアというとどうしても福祉のイメージで「最低保障」的な感じがする。そうではなく、もっと「質の高い」暮らしのあり方」の違いも反映する言葉としてら生まれたと思います。要素は幸福度、健康度、裕福度で、大竹さんは幸福度をwell-beingと言っていますが、社会学者・社会心理学者は報復度は心理的well-being (
psychological well-being)と呼び、客観的な健康度や裕福度を含む場合とは区別しています。

訂正
  報復度ー>幸福度
ちょっとひどいワープロミスですみません。

山口一男さん

 ありがとうございます。
 なるほど、Well-beingの登場の経緯がわかりました。
 「最低保障」ではなく、より質の高さを求める発想は、いろいろなところにあるような気がします。
 たとえば、医療などの分野で使われるQOL(quality of life)とかも、そういう流れを組むのでしょうか。

 おおざっぱな意見ですが、量や有無を問う議論よりも、質や内容を問う議論ができるということは、物質的に豊かな暮らしを実現できているからこそ、という気がします。

 どこの国・地域でも、より質の高いいろいろについて議論できるような、Well-beingが問えるような状態になるといいなと思います。

えふさん

>たとえば、医療などの分野で使われるQOL(quality of life)とかも、そういう流れを組むのでしょうか。

 そうです(そうだと思います)。Well-beingには幸福度、健康度、裕福度の要素があるといいましたが、英語では心理的well-being(psychological well-being), 身体的well-being (physical well-being), 物質的well-being (material well-being)といいます。QOLなどは、単に病気でないとかだけでなく、高齢者の体力的・認知的健康度なども含めて、身体的well-beingへの関心から出てきた言葉だと思います。またそういったwell-beingを計測する様々な尺度が開発されてきたのも、この概念の特徴です。
  

山口一男さん

 ありがとうございます。
 Well-beingに、3類型あるとは知りませんでした。そのうち、身体的Well-beingからQOLという発想が出てきているのですね。納得です。

 尺度の開発は難しいものだとは思いますが、ひとつの考え方として示されると、非常に意義深いものだと思います。
 GGI(ジェンダーギャップ指数)とかGEM(ジェンダーエンパワメント指数)とか、そういうのも、尺度のひとつで、こういうのを発表したり、国際比較をしたりすることで、世論を喚起するし、別の視点から考えてみることができるようになるからです。

 私が日本にもう少し必要だと思うのは、労働時間や生活時間など、時間に関する尺度や指針などでしょうか。生産性の低さなどについて、時間とのかかわりで、もっと考えられてもいいはずなのではないか、と思うこの頃です。

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