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2010年8月 9日 (月)

幸福度について。

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 「幸福度」については、以前にも、関連の記事を取り上げたことがあるのですけども(ここ)、政府が指標作りをするそうです。6月26日の日経新聞記事です。

 が、どうなんですかね。

 実は、6月21日の日経新聞で、「幸福度指標は無駄」とおっしゃる方のインタビューが掲載されていたのです。

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 ご主張には、一理あるなと思うところが、この人(=私)にはありました。

 経済成長は、目的なのか手段なのか、その辺が最近はやや不明瞭になっているのかもしれません。聞き手の御指摘には首肯するものがありました。

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コメント

「一般的幸福度」というのはほとんど意味がないことが、実証的にわかっています。
人にはそれぞれ自分の「通常の幸福度」があって、嬉しいことがあったり悲しいことがあったりすると一時的に幸福度は高くなったり、低くなったりしますがまたもとの「自分のレベル」に返る傾向があることが実証的に知られているからです。当然その「通常の幸福度」は鬱気質の人などは低くなります。この意味で平均的幸福度を上げることはほとんど無意味なのです。ただし子供に先立たれる事のように癒されない悲しみ(不幸)という物が例外的にあります。わが国は欧米先進国に比べ1-5歳の幼児死亡率が高いので、それを下げることにはそれ自体の意味に加え、親に癒されることのない悲しみを与えない上で重要かも知れません。また戦争は癒されない悲しみを多くの人々に与えますから、平和の維持というのも立派な高い「幸福度」維持のための目標となります。
  また一般的幸福度でなく、生活満足度とか、夫婦関係満足度、とか、会社への満足度というのは、日々の暮らしや、夫婦関係や、会社のあり方と関係しているので、日常でより意味のある心理的well-beingの尺度であると考えられています。
   政府は、目的を掲げる前に、幸福度や満足度について何が学問的に知られているかを知るべきでしょう。私も西水さんの言うことは一理も二里もあると思いますが、国民の幸せに数量的目標を考えることと、政治哲学が必ずしも独立ではないと思います。

山口一男さん

 ありがとうございます。
 「一般的幸福度」に実証的研究結果があるとは知りませんでした。まぁ、個人差があるものを、平均的に上げようとするのが無理だろうというのは、日常的な感覚でも当然という気がしますが。

 御指摘のように、すでにある学術研究などの先行研究を参照せずに、何かを出発させようとするのは、計画としてどうなのかなと思います。
 それも、個人や民間の人びとの自費での趣味的研究会ならいいのでしょうが、公金を支出して行うものなのですからねぇ。

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