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2011年8月30日 (火)

因果関係を、そんなに簡単に「ある」とか「ない」とか言えるのでしょうか?

 これまでなら、ニュースには、きっとならなかったことが、だんだんニュースになりつつあることを、いっぽうでは、歓迎すべきなのかもしれません。

 これまでだって、原発作業に従事して、白血病を理由に亡くなった方はいらっしゃったと思うんです。

 でも、ニュースとしては、取り上げてこなかった。

 今回は、本当に、因果関係は、そんなに簡単には、なんとも言えないとは思います。

 でも、出てきた。

 ニュースには、なった。

 本当はどうなのか。

 どうすれば、因果を証明できるのか。

 そのことを、きちんと議論してきたのか。

 そういうことを、問い直してみる時でしょうね。

 因果はどうだろうと、白血病で、まだ若い方が亡くなられた。

 とても残念なことです。

 とても悲しいことです。

急性白血病:福島第1原発作業員が死亡 東電が発表

 東京電力は30日、福島第1原発で作業に携わっていた40代の男性作業員が急性白血病で死亡したと発表した。外部被ばく量が0.5ミリシーベルト、内部被ばく量は0ミリシーベルトで、松本純一原子力・立地本部長代理は「医師の診断で、福島での作業との因果関係はない」と説明した。

 東電によると、男性は関連会社の作業員で8月上旬に約1週間、休憩所でドアの開閉や放射線管理に携わった。体調を崩して医師の診察を受け急性白血病と診断され、入院先で亡くなったという。東電は16日に元請け企業から報告を受けた。事前の健康診断で白血球数の異常はなく、今回以外の原発での作業歴は不明という。【林田七恵】


急性白血病で福島原発作業員死亡 東電「因果関係なし」
 東京電力は30日、福島第一原子力発電所で復旧作業にあたっていた協力企業の40代男性が8月上旬に急性白血病で死亡したと発表した。東電は「男性の作業と白血病による死亡に因果関係はない」としている。

 東電によると、男性は8月上旬に福島第一原発で7日間、休憩場を出入りする作業員の放射線の被曝(ひばく)管理をしていた。その後、体調の不良を訴え、数日後に死亡したという。

 男性はほかの原発も含めて原発内の作業にあたった経験はなく、今回が初めてだったという。被曝線量は外部被曝が0.5ミリシーベルト、内部被曝はなかった。東電が、協力企業を通じて診断医師に確認したところ、「急性白血病は(臨床症状が出るまでの)潜伏期間が数年あり、死亡直前に短期間被曝して発症することはない」との説明を受けたという。

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コメント

えふさん、こんばんは

いろいろ疑問が湧き上がります。

下請け業者の子会社の作業員の方の急性白血病による死亡。

事前の健康診断に問題はなし、と言われますが、その健康診断の仕方もどのようなものなのか。
ただただ、書類さえ整っていればよいというスタンスで、適当に行われたのかもしれないです。

線量測定だって、測定器の正確さは誰が担保してくれるのでしょうか?

東電の発表は「死亡してしまった方がいらした、ということを包み隠さず公表してます、決して隠しているわけではないんです、うちには隠ぺい体質なんてないですよ」と、言っているような気がします。

「原発労働記」(堀江邦夫著)を読んだから、余計にそう思うのですが・・・。

私は、今回の正式発表の前にも、亡くなっているかたはいらっしゃるのではないかと思うのですが。
かんぐり過ぎでしょうか?

えふさん
  病気というのは、いくつかのリスクが重なると一種の相乗効果を生みます。体の弱っている高齢者が、風邪を引くと肺炎を起こして死ぬことがある。では肺炎の原因は何か、因果関係的には風邪と体が弱っていたことの両方です。でも、人によっては体が弱っていたことが原因で、風邪が原因ではないというかもしれません。なぜなら体が弱っていなかったら風邪が肺炎を引き起こす可能性は極めて少ないからです。でも同様に、体が弱っていても、風邪や他の熱を伴う病気をひかなかったら、肺炎は起きなかった。両方の条件が同時に満たされたことが原因というのが正しいと思います。
  白血病のことは良く知らないのですが、今回の作業員は潜在的に白血病のリスクの高い人だったのでしょう、その人が外部被爆したせいで、急性白血病が起きたのだと想像します。この場合外部被曝が0.5ミリシーベルトと低くても、被曝と白血病の関係はもともと確率的なものです。すでに潜在的にリスクの高い人が、被曝したばあいは、リスクの低い人が被曝した場合と全く違うと考えられます。結局この作業員の急性白血病についても、個人のリスクと被曝の相乗効果と見るのが正しい気がします。それを被曝線量が少ないから、因果関係なしというのは政治的主張と思えます。確率的に起こることはもともと0%の100%の二つで因果関係を考えること自体誤りで、それを個人のリスクのせいで、被曝は関係ないというのは、あたかもその作業員が被曝をしなくても、同時期に急性白血病で死んだと言い張ることですが、その証明はできないと思います。
  いじめによる自殺についても、昔はいじめられたこどもが、みな自殺するわけではないから、いじめが自殺の原因とはいえないという主張が繰り返されてきました。その子どもの日記なので、いじめの苦しみを書き綴ったものがあってもです。確かに自殺する子は、他の子どもより生きようとする力の弱い子かもしれない、でもいじめが無かったらそのこはそのとき自殺しなかったと思います。
  死の原因について、飛行機事故のようなほぼ100%助からない場合、たとえわずかでも死ぬ確率が確実に増すリスクがを負うばあいとは、明確に区別すべきで、放射線被曝は後者の場合だということは、学者も異論は無いと思います。

miauleuseさん、

 台風すごかったですね。あなどれないですね。大震災後で、「死者○○人」というのに、やや鈍感になっている気がしますが、それにしても、ひどい災害が続きますね。

 さて、原発労働者の方と白血病の発病の因果関係ですが、「あり」と言うのも、「なし」と言うのも、いずれも、そんなに簡単なことではないと思っています。
 これまでにも、この二つの条件(原発労働者、かつ、白血病で亡くなる)を満たしている方のご遺族が、労災認定を求める裁判などを起こしておられたかと思います。
 このとき、被曝線量を記録するための手帳は、会社に管理されており、あとから改ざんされたり、もとから少なめに記録されたりしていた疑いを、遺族の方がおっしゃっていた動画などを見たことがあります。

 実際のところは、よくわかりません。
 しかし、白血病を発病していることを早期に見分けるのも、血液の専門医ではなければ、なかなか難しいようですし、一般的な健康診断でどの程度正確に疑えるのかに、やや疑問はあります。

 疑い出すときりがないですが、学問的、あるいは、科学的に誠実に答えようとするときには、少なくとも即座に「あり」も「なし」も言えないと思うんです。

 そうじゃないでしょうか。

山口一男さん?

 コメントありがとうございます。
 因果について考えるときには、おっしゃるように、いくつかの要因について、冷静に考慮することが重要だと思います。

 白血病も発病しやすい素因を持つ人はいるのかもしれません。おそらく、そういうことも考慮に入れた上で、後天的な理由から、どの程度、影響があったかを、慎重に検討することが必要なのだと思います。

 それをしないで、すぐに「因果関係はなし」と答えてしまうのは、おかしい気がします。

 それと、miauleuseさんへのコメントでも書きましたが、健康診断の際に、白血病の早期だったのが見逃されたという可能性がないとも言えない気もしています。

 今回の「なし」の宣言は、早く関係ないことをはっきりさせたいという意向も強いような気がして、より一層疑問を強めてしまう結果となりました。

 致死率が非常に高い飛行機事故の場合とは違った考え方が必要というのは、おっしゃるとおりだと思います。

 放射能汚染の場合に、飛行機事故や他の交通事故の致死率や発生率を持ち出して比較するのは、冷静なことだとは思えないですよね。どこかで、そういう議論を見た気がしますが。

 冷静に受け止めていかなければならない、と思います。能動的受信です、引き続き。

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