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2011年12月12日 (月)

恐れていたことが現実に~今年の漢字発表~

 先日来、このブログでも(ここ)、この人(=私)や仲良しのmiauleuseさんやmiauleuseさんのご友人の方々が気にしておりました今年の漢字について(ここ)、本日発表されたようです。

 ネットニュースで知りましたが。

 この後の夜のニュースでも取り上げられるかもしれませんが。

 「絆」でした。

 予想は見事に当たりましたが、嬉しくはありません。

 この件については、この人はあまり多くを語りたくありません。

 すみません、取り上げておきながら。

 今年は、このことに関心を持つのが遅かったので、対応を取ることもままなりませんでした。

 来年は、絆にならないよう、全力を尽くしてまいる所存です。

 まぁ、2年続けて同じ漢字は選ばれないでしょうが。

 来年に向けて、明日から努力をしていくことにしましょう。

 完敗です。

今年の漢字は「絆」=震災、なでしこなど反映―漢検協会
時事通信 12月12日(月)14時4分配信
 漢字1文字で一年の世相を表す毎年恒例の「今年の漢字」が12日、「絆」に決まった。東日本大震災をはじめ台風やタイの大洪水など災害が相次ぎ、人と人の絆の大切さが見直されたことや、サッカー女子ワールドカップ(W杯)で初優勝した「なでしこジャパン」のチームワークなどが反映された。
 発表会場となった京都市東山区の清水寺では、森清範貫主が大きな「熊野筆」で「絆」と揮毫(きごう)した。13日午前10時から31日正午まで同寺本堂で一般公開される。
 森貫主は記者会見で、絆が選ばれることを予想していたとし、「この絆をもって皆さんが一つの心になり、日本をこれから力づけていただきたいという思いを込めた」と語った。その上で「来年はこの絆を受けて、力の出るような一字になればありがたいと思っている」と話した。 

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コメント

えふさん、惨敗です。

流行語が「がんばろ日本」でなかったのがせめてもの救いか・・・

こう書くと、なんか自分がすごく天邪鬼なのかなぁとも思ったりしますが、そうじゃないんです。

そういう「美辞麗句」で現実を糊塗してほしくないということなんですよね。

もちろん、希望を持つことはとても重要です。

でも、また同じ過ちを繰り返さない(繰り返させない)ためにも、「もう、起きてしまったことに拘泥しないで、先を観ようよ」とは思えないのです。
原子力発電は破たんした方法なのだということを皆で共有しないとだめなんですよね。

今日「Nスタ」の堀尾キャスターが、彼なりの今年の漢字を「醒」だとおっしゃってました。
原発の現実に目覚め、民主党政権への期待から覚めた1年だったというのが理由でした。

私は「覚」を今年の漢字としましたが、堀尾キャスターと理由はほぼ同じです。

miauleuseさん、サブサブッ

 コメントありがとうです。
 ぇぇ、惨敗です。まぁ、負け方は、どうでもいいですが、とか言いつつ、ぶっちぎりのトップだったのでしょうか?ニュースをみた限りでは、接戦だったのか、ぶっちぎりだったのか、2位との関係がわかりませんでした。

 ので、勝手に、2位には「覚」とか「節」とかであったと思いこみたいところです。

 でも、そうすると、現実を直視しない態度を同じになってしまいますね。

 まだ、眠っている人も多いかもしれませんが、チェルノブイリ以降も眠っておられた方々の中から、今回のことで、目覚めた方がかなり多かったと思います。

 だから、希望を持ちつつ、しかし、このような事故はもう2度とごめんだという固い決意のもとに、来年の漢字や、漢字じゃなくても、エネルギー政策などについて、いろいろ言っていく必要があるのかもしれないと思っています。

 専門家じゃなくても、ひとりの生活者としての意見は、ふつ~に言えばいいと思うんですよね。事故の悪影響を受けるのは、専門家だけではありませんもんね。

 こういう話題は、できるだけ成人ではない若い人にも投票権を認めるべきだとも考えました。若いほど、不利益も多そうですから。

 勝負(?)が終わった後が、次の勝負に向けての出発ですね。来年は、納得のいく漢字選びになりたいです。

「絆」という言葉が選ばれたことには私も違和感がありました。原発事故が起こったとき米国は3マイルズ島の経験からメルトダウンが起こった可能性が高いと言っていましたが、東電と日本政府はこれを強く否定していました。事故の程度も最終的に訂正したチェルノブイリと同じレベル7ではなくレベル4でした。事実を過小評価し続けたわけですが、その理由について意図的な事実隠しというよりは英語で言うwishful thinkingだと思います。つまり「こうであって欲しい」と思う気持ちが「こうであるに違いない」になってしまうことです。これは理性的でなく、心理的に病的なので、個人でなく東電や日本政府と言った理性的に対処すべき組織の行動としては極めて異例といえますが、どうも日本人の精神性に弱い面がある気がします。間違っていたと判明しても都合の悪い事実を隠そうとするのも非難を避けることを優先する弱さに通じるからです。しかしwishiful thinkingのもとでは適切な対応はできません。政府の対応の遅れやまずさもこの希望的思考の影響が大きかったと思えます。また今回の安定冷却達成の結論も、メルトダウンという事実の解決が何一つできていない現在、またもやwishful thinkingかと疑わざるを得ません。「絆」という言葉も、他方で避難地域での窃盗、義捐金の不正使用、など被害に乗じて悪をなす人々もおり、また阪神大震災のときに比べ今回の復興の歩みもきわめて遅いという現実をみれば、人々の助け合いは美しいという明るい面に一年の総括をみる日本人の多くがwishful thinkingに浸ってしまっているのではないかと危惧します。「希望を持つこと」と「希望的思考をする」ことは全く違うからです。希望は失わずに事実と冷静に向き合うことが今必要だと思います。
  そういえば戦後も日本政府は過去の事実と向き合わず、いやなことは忘れて日本を復興させようとしました。その負債が今も国際関係を難しくしています。

山口一男さん

 示唆に富むコメントをありがとうございます。
 日本人は「水に流す」と言って、過去のことをささっと忘れてしまおうとする傾向が強いのでしょうか。加害したほうはすぐ忘れても、被害を受けたほうはずっと忘れない、それが、戦後処理問題の核のように思います。

 「希望を持つこと」と「希望的思考をする」ことの違い、おっしゃるとおりですね。「wishful thinking」という言葉があるのですね。こういう言葉に相当する日本語としては、希望的観測でしょうか。

 いずれにしても、今年の大震災以降の日本において、希望を持つことはなかなか難しい強い意志の必要な行為だと思います。できれば、厳しい現実を見ない様にして、希望を持てればいいと思うのも、心情的に理解できます。

 でも、ご指摘のように、この二つをしっかりと分けて、現実を正確に見据えながら、希望を持ち続けることが、重要なのだと思います。

 「絆」を見なおす契機があったことは否定しませんが、それを拡大して、現実の厳しさを覆い隠すようでは、「希望的思考」でしかないと思います。

 思考としてバランスが求められますが、そういうバランスをうまく備えつつ、来たる新年を希望を持って迎えられるようにしたいです。

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