勤務医の 4 割が週 60 時間以上の労働 ~「勤務医の就労実態と意識に関する調査」調査結果~
今日、報道されていたので、この人(=私)は知ったのですが、勤務医の労働実態についての調査結果が公表されていました。ここです。
以下がポイントとして挙げられている事項です。
調査結果のポイント <医師不足を 7 割弱が認識。とくに「麻酔科」「救急科」「小児科」等で不足。「過疎地域」で は 8 割弱が不足を認識><週当たり全労働時間は、4 割が「60 時間以上」。約半数が年休取得日数「3 日以下」>
<宿直がある者の平均睡眠時間は 4 時間未満が半数弱。翌日は通常勤務が 86.2%>
<9 割弱がオンコールのある働き方をしている。そのうち、約半数が月に「1~3 回」出勤>
<45.5%が「睡眠不足」で、76.9%が「何らかのヒヤリ・ハット体験」あり>
<将来の働き方、今の職場で働きたいが半数弱>
<勤務環境改善の障害、「地域・診療科による医師数の偏在」がトップ。「医療業務以外の業務
量の多さ」「医師不足」「時間外診療の増加」などが続く><勤務環境改善策、「医師数の増加」「当直明けの休み確保」「他職種との役割分担の促進」が
上位>
過酷な勤務形態のために、「ヒヤリ・ハット」を経験している人が約8割いるということで、お医者さんの労働問題、健康問題であると同時に、患者として診察・治療を受けるすべての人にとっても、よろしくない事態が静かに進んでいることに、ぞっといたします。
誰でも、何らかの理由で、医療の利用者になるのに、こんな実態をほったらかしておくのは、自分で自分の首を絞めるようなものです。
が、日常的に、どっぷり医療の利用者である人が多くが病人だったり、その看護をする家族だったりして、あまり、そのことを問題に感じたり行動する余力がないと思いますし、健康で医療とは距離を置いた日常を送っている方は、自分の仕事や生活に追われて、真剣に考えたり取り組むための余裕がなさそうな気もします。
どうしたら、いいんでしょうか。
医療に限らず、公共性の高いサービスについては、提供者も利用者も、質の低下が起こらないように、その従事者が不幸にならないように気を付けつつ、よりよりサービスを提供・利用できるようにしなければならないと思うんですが。
この調査結果が、そういう点で、少しでも社会的なインパクトを持つことを期待したいもんです。
« 木の葉は落ちてしまいましたが、草が咲きました! | トップページ | レイアウトを変更してみました。 »
「ニュース」カテゴリの記事
- 謹賀新年(2022.01.01)
- クロスバイクを所有することにしました。(2020.04.17)
- 国有地払下げ財務省疑惑の裁判が始まります。(2020.03.19)
- 避難したくなる避難所を(2019.10.14)
- 国際女性デー。(2019.03.08)
「社会のしくみを学習。」カテゴリの記事
- 映画「グリーンブック」(2019.03.26)
- a stay-at-home parent は「手伝う」ではありません。(2018.06.22)
- 「国立大学の潰し方 (7つの行程)」が秀逸なので、紹介。(2018.06.17)
- 原爆の日(2017.08.06)
「冊子・報告書」カテゴリの記事
- かなり明確な格差があるようです。(2017.09.02)
- 全国都道府県知事会が「第4次男女共同参画基本計画に関する提言」をお出しになりました。(2015.05.14)
- 今頃ですが、『日本の生産性の動向 2013年版』という報告書を見つけたにょ(2014.08.24)
- 「個人と企業の持続的成長のための働き方改革」が発表されました(2014.05.29)
- 議事録を発見。(2014.04.28)
「働き方・働かせ方。」カテゴリの記事
- 『死なないノウハウ 独り身の「金欠」から「散骨」まで』(2025.01.03)
- 日本に住んでる世界のひと 読書日記(2023.01.09)
- 4月の所感(2022.04.30)
- 久しぶりに、読書感想(2021.09.27)
- 3月もあと2週間を切りました(2021.03.19)
コメント