『プロメテウスの罠2 検証!福島原発事故の真実』
内容紹介(ネット書店より)
福島原発事故の再検証をテーマに、朝日新聞に長期に渡って連載されているルポルタージュ記事の書籍化です。
第1弾は、2012年の3月に発売して大きな反響を呼び、10万部突破のベストセラーとなりました。
本書はそれに続く第2弾です。
震災や原発事故に関して、被害を直接蒙らなかった人々の間には、一部で風化も始まっていますが、被災者の生活は破壊されたままです。
また事故原因や、政府、官僚、東京電力の事故対応の検証や責任などはいまだ解明されてはいません。
一方で電気料金の値上げ、原子力発電所の再稼動、発電量に対する原発依存度の割合など、問題はさらに深刻度を増しています。
福島原発事故は日本人にいったい何をもたらしたのか、気鋭の記者たちが検証を続けています。
特徴
●プロメテウスとは、ギリシア神話に登場する、人間に火を与えたといわれる神。
おかげで人間は文明を発達させることができたが、皮肉にも文明の発達で手に入れた原子の火に、自ら悩まされることになった、という意味です。
●この検証記事は、原発事故に関する新しい事実を次々に発掘し、国会でも取り上げられるなど、大きな反響を呼んでいます。
●本書は、連載記事の第7シリーズから第12シリーズまでのぶんについて、一部加筆のうえ、一冊にまとめています。
第1巻が出たときに、この人(=私)は紹介しているのですが(ここ)、7月に2巻を出しつつも、いまだ紙面での連載も続いています。
2巻あとがきにも、いつまで連載を続けるのかはよくわからないようなことが書かれてあります。
最初の地震が起きた後、津波の高さの予測において、気象庁での判断がもっと違ったものだったら、最初から大津波警報を出すことができたなら、沿岸部で亡くなった人の数はもっと少なかったかもしれないというような記述がありました。
また、消防団として埋まっていて動けないかもしれない人たちの気配を感じつつも、原発の爆発によって、捜索することができなかった話などは、心が痛みました。
地震だけだったら、津波だけだったら、地震と津波だけだったら・・・、もっと助かった人はいたのだろうということが、本書を通して伝わりました。
原発問題、いまだ、終息の気配がありませんが、今後も注視していくしかありません。
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コメント
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えふさん、こんばんはですだよ
助けたくても助けられなかった命、いったいいくつあった、または今でもあるのでしょうか?
人間も家畜もペットも。
深刻な原発事故を経験し、まだ事故は継続しているし新たに起こらないとも限らないのに、政治経済関係の人々は原発維持が大命題なようです。
財界のお偉いさんは、もお年だから「そんなの関係ねぇ~」(←古っ!)?
先日、某不動産仲介業の方とお話したんです。その方福島市出身なんです。
でも「結局、脱原発はムリでしょうね」とおっしゃった。
諦めというか、「どうせ・・・」という気持ちなんでしょうけど、1人1人の意識の中で、そのハードルを越えないといけないですね。
その意味で「プロメテウスの罠」のような本の存在は貴重ですね。
私、原発や再エネの本を買って、まだ読んでないものがあるので、すぐには買えませんが、買うか借りるかして、いつか読んでみたいと思います。
投稿: miauleuse | 2012年9月17日 (月) 20時52分
miauleuseさん、
コメント、ありがとうですだよ。
脱原発のイメージ、確かに難しいです。だって、気が付いたら、原発依存の社会に暮らしていたんだっていう人が大半でしょうから。
原発のない世界をイメージすることが難しいので、諦めを感じてしまうように思います。
ジョン・レノンの『イマジン』みたいに、原発のない世界を想像してごらん、という歌でも作ってはどうでしょうか。創造ですね。
『プロメテウス2』ぜひご一読ください。まだ連載もしているので、3も出るでしょう、きっと。連載しているうちに、原発のない世界のイメージが作られていくことを祈りたいですだよ。
投稿: えふ | 2012年9月19日 (水) 21時05分