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2012年11月20日 (火)

3割を超すことの意味について、考えてみたいもんです。

三割の壁
上野 本の中で、変化の一つの指標が「女性総合職採用比率が三割を超すこと」とありますが、この数字にとても興味があります。私はマスコミの女性採用比率をじっと見ていたのですが、九〇年代に大手新聞社が急速に女性社員の採用比率を増やし、順調に伸びていったのが、二割を超して横ばいになった。ロザベス・カンターという女性の経営学者によると、三割というのは組織体制を変える数だと言うんです。
海老原 私もそのような気がします。
上野 企業の関係者に「おたくには、女子枠ありません?」と聞くと、「はっきりしたことはわかりませんがあるんじゃないですかね」という答えが返ってきます。ですからおそらく三割以上には増やさないという暗黙の抑制があるのではないかと思います。
海老原 グラスシーリングはありますね。一部上場企業の新卒総合職に占める女性比率は二四%。アパレルのようにたくさん女性を採用する会社を除けば、実際は、実質二割を切っていますよ。一七~一八%じゃないでしょうか。
上野 増えても三割が壁になるという感触があるのですが。
海老原 その理由は簡単です。三割近くになると、女性を内勤に寄せられなくなるからでしょう。実際には、男女別のキャリアパスを築き、4R(HR〈人事〉、PR〈広報〉、IR〈財務〉、CR〈お客様相談〉)と呼ばれる女性が多い職場に偏らせている企業が多い。三割を超えたらそれができなくなり、男性主体の職場にも配属せざるを得なくなる。そこが分水嶺になると思うのです。
上野 そこが変わると、組織体質が変わる。女性のプレゼンスが増し、これまでのホモソーシャルな情報の回路が成り立たなくなるんでしょう。
海老原 揺れが起きます。
上野 三割の壁を超すかどうかが一つの分岐点になる。それには同感です。
 

ここ の対談の一部です。

 おもしろいと思いました。3割を超えると、影響力を持つ集団になるというのは、政治分野でも言われていることかと思います。
 それを知るのか知らないのかわかりませんが、企業の中には、3割を超えないように調整しているところがありそうだ、という見方。
 そして、企業の内部をよく知らないこの人(=私)のような人から見ても、ありそうだ、という感じがするんですよね。
 企業の従業員、それから、管理職比率を「見える化」するところまで、政府内部ではコンセンサスができたかできないかくらいのスタート地点ではありますが、だから、まだまだ、3割かどうかを議論するまでではないのかもしれませんが、しかし、管理職ではない女性従業員の全社的な比率とその部署ごとの比率を「見える化」することも、まずは、意味のあることのような気がしていました。
 もともと対談を読むのが、この人は好きなんですが、この対談、かなりおもしろかったですし、海老原嗣生という方のことも、今後注目していきたいと思います。  ォ~。

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コメント

 女性が男性社会を批判したい気持は分かるのですが、女性だけの会社を作ればそういう問題は始めからないでしょう。それが優良企業ににれば、実績となって社会も変わるでしょう。どうしてだれもそうしないのでしょう。
 それを目指している会社があったとして、優秀な女子学生は積極的に入社したがるでしょうか。そこも疑問ですね。問題は女性側にもあるという視点も必要ではないでしょうか。

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