2023年2月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28        
無料ブログはココログ

Chabo!応援してます。


散歩の収穫。

  • こういう色もよいですね。
    散歩をしていて見つけた風景や動植物を記録しておくアルバム。不定期だけど、できるだけ更新を目指す。コメント歓迎。

田舎の風景

  • 東京に戻ります。
    2008年9月8日~11日までの、田舎での時間。

« フリースタイル。 | トップページ | 続・なごむ~。 »

2013年7月16日 (火)

砂漠の花。

デザート・フラワー [DVD]

 なんと凄まじい半生なのでしょうか。

 FGMを真正面から取り上げた商業映画です。これまでにも、90年代には、アフリカ系アメリカ人女性であるアリス・ウォーカーなどが中心となって『戦士の刻印』が映像化され、2000年代になってからは、アフリカ人男性監督の『母たちの村』が映画化されて女性映画祭などで上映されるなどしてきました。前者はVHS、後者はDVDになっておりますが、レンタルビデオ屋で借りられるものかどうかはわかりません。女性センターなどで見ることができるかもしれませんが。

 この作品は、原作があって、それを映画化したものなのですが、前二者との違いは、FGMを受けた本人が書いているというところです。

砂漠の女ディリー

 原作はこれです。

 ソマリア出身で、トップモデルにまで上り詰めた女性、ワリス・ディリー。ソマリアの名前は意味があるそうですが、ワリスは「砂漠の花」。

 映画は、それを英語で言ったものなのですが、その名のとおり、ワリスの半生を描いているものです。

 当然、その半生を取り上げるということは、FGMを施された経験を抜きには語ることができません。

 しかし、映像化するのは、かなり困難を伴うことだったのではないかと思います。

 この人(=私)が観るに、かなり工夫を凝らしたと思われる描き方になっていますが、それでも、直視するには辛い場面がいくつか出てきます。

 それにしても。

 わずか3歳でFGMをされなければならず、13歳のときには祖父と同年齢の人の第4夫人にされそうになり、そこを逃げ出し、砂漠の中を街に向かって彷徨う辺りも、よくぞ無事で・・・と思うところです。

 その後、単独でイギリスに渡航し、6年間も定住することなく暮らしていたようなストーリーです。

 その後、偶然出会ったイギリス人女性との友情が育っていくのですが、詳細は、実際に見てみてください。

 この人が、知識はありながら衝撃だったのは、そのイギリス人女性と同じ部屋で寝起きするようになってからしばらくして、ワリスが初めて、「FGMをしない女性がいる」ということを知る場面が描写されていることです。

 つまり、3歳で有無を言わさず、何の説明もなく、FGMをされた後、そのことについて何も説明されず、口にしてはいけないこととして扱われ、「しなければ、結婚できない」とされ、他国の女性たちが、FGMをしなくて、ワリスが日常的に苦痛を感じている排尿時の痛みや時間の長さを経験することもなく、明るく闊達に、場合によっては結婚していない恋人との性行為を楽しんでいるということも、その時に初めて知ったのでした。

 その後、痛みを訴えて受診した病院で、イギリス人男性の医師から「元に戻すことはできないが、痛みをとるための手術をすることはできる」と説明されるのですが、そのために、母国語で説明したほうがよかろうとのその医師の判断で呼ばれたソマリア人男性(医者がどうかはわかりませんでした。コメディカルかも)からは、イギリス人医師の通訳をするようなやりとりで、母国語による罵りを受け、非常に傷つけられます。

 ソマリア人男性の立場からすると、自国文化を従順に引き受け、その生を生きていくのではなく、手術によって苦痛を取り払おうとすることは、許せないことのようです。ソマリアでのFGMを肯定する発想がよく描かれていると思いました。

 そういった文化の中で育てられてきたワリスが、最終的には、FGM廃絶の声を挙げることになる流れは、感動的だと思いました。

 その地の文化からすれば、FGMのことを口にすることも、性的な話題を口にすることも、女性には禁じられていることで、もし、その禁を破れば、女性として最も蔑視される「娼婦」として扱われるという風土なのです。

そのことが、このような過酷なことを数千年にわたって続けさせてきた理由ですが、声を挙げて、その詳細を話す当事者が出てきたことにより、国際的な取り組みも進んできているような気がします。

 実は、2,008年に、国連の10機関が共同で声明を出しておりました。

 タイトルは、「女性性器切除の廃絶を求める国連10機関共同声明」です。言語は英文ですが、日本語でも検索すると出てきます(たとえば、ここ )。英文は、ここ です。

 一日でも早く世界中のすべての女児がFGMから解放されることを願ってやみません。

« フリースタイル。 | トップページ | 続・なごむ~。 »

社会のしくみを学習。」カテゴリの記事

映画」カテゴリの記事

コメント

えふさん、テリ~~ブル!

初めて知りました。FGM

テリーブルですだよ!!!

映画の予告動画をYoutubeで観たら、関連動画として
これ(http://www.youtube.com/watch?NR=1&feature=fvwp&v=b-tE3ZXdcp8)もあったので観てみました。

これを良いことと信じて行っている大人の女性たち。
自分たちもして(されて)きたのだから、当たり前のこととして自分の娘たちにも行う?
これを独自の文化風習として尊重するには、あまりにも個人の健康や自主性が軽んじられていますね。

これ以外にもまだまだ知らないことがあるのですね。

1つ新しいことをしりました。
ありがとうございました。

miauleuseさん、ありがとうですだよ。

  YouTubeで映画の予告動画が見られるのですね。これは、知りませんでした。おっしゃる動画も観ましたけど、本当に痛ましい事ですね。
 他に、ワリス・ディリー本人がインタビューに答えているものもありましたね。ご本人を初めて見ました。

 もしご関心があれば、映画本編のほうもぜひご覧になってほしいですだよ。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« フリースタイル。 | トップページ | 続・なごむ~。 »