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2014年1月23日 (木)

自立しない、しなくていいところが長所?~家族ペット~

家族ペット―ダンナよりもペットが大切!? (文春文庫)

 仕事の関係で読んでいる資料の中に出てきたため、これは今頃読みました。

 単行本『家族ペット――安らぐ相手はあなただけ』が2004年5月に出ていて、それを改題し、加筆・訂正したものが本書だそうです。

 本書は、2007年6月に文春文庫として刊行されています。

 「家族」の範囲をどう捉えるかは、時代や文化によって異なりますが、通常は人間だけを対象として考えられてきたのだと思われます。

 著者の発見は、ヒトではない小動物を、場合によっては、爬虫類などのペットを家族として認識している人々がいるということでした。

 このこと自体は、この人(=私)も以前から知っていたのですが、本書では、人間の子どもの代わりでもなく、子どもが居ても居なくてもペットの存在が重要なものであること、そして、その重要性や人間の子どもとの相違点などを整理してあって、なるほど、と思いました。

 人間の子どもは、自立していく/自立すべき存在であり、将来をよりよく生きていってもらいたいために、学校の心配や就職の心配をしなければなりませんが、ペットは、自立していく存在ではないのです。

 ですので、受験や就職活動について気を揉んだりする必要はありません。

 また、ペットの種類にもよりますが、ポピュラーな犬猫は、人間の個体を識別し、愛情を遠慮なく表現してきてくれるところが、世話をする人間のほうの情緒的な充足につながるのだそうです。

 それらのことから、ペットを家族と見なす人々にとっては、そのペットは「かけがえのない」存在であり、自立しないからこそ、世話がいるからこそ、さらに大切な存在になっているのですね。

 自立を目指すべき人間の子どもの養育と、自立しなくていいペットとの違いを明確にしてあったことが、この人にとっての新鮮な気づきでした。

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