運動の利点を具体的に強調し、運動嫌いにも運動してみるかと思わせる本。
かなり前に流行ったので、御存知の方も多いかもしれませんが、この人(=私)は、存在を知りつつも、実際に読んだのは最近なのでした。
もっと、単純な本かと思っていましたが、様々な研究を詳細に紹介しつつ、運動がもたらす効用をいっぱい挙げてくださっています。
始業前の運動習慣を取り入れたことで、子どもの成績が上がった学校の取組など、子どもの頃の運動の効果から、高齢になったときのことまで、生涯を通じて運動が肉体的な健康だけではなく、脳にもよい影響を与え、それが精神にもよい影響を与えるということが全般的に言いたいことだと思います。
学習障害などの子どもにとっては、学習前に運動することが、集中力を高めて静かに学習できる状態をもたらすようですし、やや精神的に不安定な大人にとっても、同様の鎮静効果をもたらすようです。
昔は動かないことを推奨されていた妊娠中の女性に対しても、運動することを薦めています。もちろん、主治医との相談はした上で、なのでしょうが。
運動が、疲れやストレスや不安定な気持ちからの回復を促すというのも、すごい利点ですね。疲れると、つい、休んでしまうのですが、本書によれば、むしろ、運動したほうが疲れがとれるようです。
運動習慣は、若いうちからあったほうがいいのですが、いつからでも、今からでも始めることが大切なようです。
それが、身体の健康だけではなく、脳を鍛えることにもなり、精神を良好に保つことにもなるということでした。
ここでいう「運動」とは、有酸素運動のことを意味する記述が多いように思いましたが、それだけに限らず、また、症状や悩みによっては、かなり負荷のかかるハードな運動を推奨していたりします。
本当はもっと運動時間をたくさん持ったほうがいいのですが、でも、たとえば、週に1時間半のウォーキングでも、何もしないよりも、ずっとよいそうです。
結局、本来は、活動的にできているはずの人間のからだを、あまり動かさずにじっとしていたり、運動不足を放置していることが、様々な身体の不調ばかりではなく、認知能力や精神的な活力、意欲の減退を起こすようです。
いまさらですが、でも、始めるのに遅いはないようなので、また、何か定期的にできる運動を始めることを考え始めました。
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