人口減の影響を真っ先に受ける離島だからこそ、出てきた知恵と行動力
この本、おもしろかったです。
ここ数年流行りの(?)「消滅市町村」問題の前から、人口減、少子化、高齢化に悩む地域での、地域住民自らの地域振興、産業創出の話だからです。
それだけではなく、隠岐には、行ったことがあります。
離島である隠岐だけではなく、隠岐から見て「本土」である島根県全体としても、都市部へ若者が出て行ってしまう、残ったのは高齢者が多く、Uターンしようにも仕事がないという共通した問題があるのですが。
離島であるがゆえの、小規模であるがゆえの、問題の切実さに突き動かされて、地元建設業の社長さんから町長選に出るように促される著者。
公共事業で潤っている建設業では、改革派の意見は忌避されがちなのに、社長自ら身を切る覚悟で出馬要請をしてくるということにも、驚きましたが、その後、地元の人たちが町長選で著者を支持し、町役場の職員も自ら給与削減を申し出て、地元振興を一体となってやっていくことが書かれてあります。
公務員がバッシングされがちな世の中で、こういう改革を自ら進めているところがあるということが、もっと知られてもよいと思います。
昇進昇格の制度も、推薦制としたことが、役場内の職員の活気にもつながり、よい仕事をすれば報われるという当たり前といえば当たり前のことが、当たり前に実現できているというあたり、年功で努力してもしなくても同じで、働かないほうが得していると思わせるような組織には、知った上で、自組織にも取り入れることを考えてもいいのではないか、と思いました。
本書のあとがきでは、島内にある県立高校を存続させるなければならないという切実な思いが語られています。
同著者の最新刊がつい最近出たことを知りました。そこで、高校のことが書かれているようです。
まだ読んでいませんが、きっと読みます。
そしたら、また、ここに書こうと思います。
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