あ、ム！おはよう。おかえり。

えふ：あ！

お：ぁ、昨夜はどうも

え：はい、おはようございます。

ム：お母さん、お母さん、怪しい人間と知り合ったの？

お：そうよ、昨夜、ォマェを心配してたのよ

え：そう、お戻りになったようですね

お：はい、ご心配をおかけしました

え：いえ、よかったですね

お：ォマェ、ご心配をおかけしたのだから、どう言うの？

ム：ごめんなさ～い

え：いえ、でも、よかったですね

　

お：ぇぇ、本当に、お陰さまで。

え：どこに行ってたの？

ム：えっと、お母さんと一緒に散歩しているときに

え：うん、

ム：怪しい人間がいて・・・

え：怪しい人間？

お：まぁ、このムったら、人間はなんでも「怪しい」って興味を持つんですよ

え：へ～。

ム：怪しい人間が、気になって、じっと見てたの

え：それで？

ム：・・・気がついたら、お母さんとはぐれてた

え：・・・そう

ム：うん、それで、怪しい人間に連れて行かれそうになって

え：えっ！

ム：急いで逃げたら迷子に

え：あ～

お：それで、夜中まであちこちうろうろして、やっと明け方に帰ってきたんでしょ

ム：うん、

お：だから、いつも、人間は全部怪しいわけじゃないから、じっと見るのもいいかげんにしなさいって言ってるでしょ

ム：は～い・・・

え：ムも、今回のことで、いろいろわかったんだよね？

ム：うん

お：もうほんとに、この子は

え：でも、安心しました。ほんと、よかったですね

お：はい、

え：夜中も、朝になったら確認しなきゃって思ってたんですよ

ム：ォマェも、ムのこと、じっと見てる？？

お：こら、「ォマェ」とか言わないの

え：いいですよ、そう、お互いにじっと見てるよね

ム：・・・ォマェはムのこと、怪しい？？

え：いえ、そういうふうには

ム：ふ～ん

え：ただ、毎日、通りすがりに「今日も元気かな」って思ってるんですよ

ム：ふ～ん

お：ね、ムよ、そんなに怪しまなくても大丈夫って言ったでしょ

ム：うん、でも、怪しい人間と怪しくない人間の区別が、まだ、わかんない

お：そうね、いろいろ勉強していきましょうね

ム：は～い

え：えっと、じゃあ、これから、出かけますんで

お：いってらっしゃい

ム：いってらっしゃ～い