ふわふわさんは?
あれ、今日はふわふわさんは?
外出した。
えっ、ふわふわさんは、外に出たことのない箱入り猫さんじゃなかったのですか。
そうだけど、同居している人間が出かけるっていうから
はぁ、
付き添って一緒に出かけた
ふ~ん、そうなんですか
それは、猫でいう、「外出」にはあたらない
ま、猫さんの外出は自分の足で歩くことですもんね。
お盆だから、人間が墓参りに出かけるのに、家を留守にするから、
こんな暑い中、猫さんをひとりで留守番させるのは心配ですもんね
うんにゃ!
え?
ふわふわは、留守番もできるけど、人間たちだけで出かけさせるのがちょっと心配で、
はい、
人間に付き添ってあげたんだよ。
はぁ
同行支援というじゃないか
あ~、ひとりではいろいろ用事をできない困難を抱えた人間を、助ける人間が、用事のある病院なんかに一緒に出かけてあげることですね。
そうそう、お盆の墓参りにも、猫の支援が必要なんだよ。
そうなんですね。
うん。
お墓参りでしんみりした気持ちを和ませるための同行支援ですか?
うんにゃ。
え、違うんですか。
墓で、人間を外敵から守ったり
えっ
道中で、人間を悪いやつから保護してやることが主なつとめだね。
えっ、猫さんが保護されているのかと思っていました。
えっ、どうして?
だって、留守宅におひとりで置いておくと、熱中症になったり
クーラーして出かけるよ、ちょっと気が利いた人間なら。
あ、そうですね。
でも、さみしくて、心細かったり
だから、人間が道中さびしかったり、心細くならないように猫が同行支援するんでしょ。
ほ~。
ォマェは、人間のくせに、猫に同行支援してもらうことはないの?
はい、たいがい、ひとりでできるもんですから。
ふ、ふ~ん、
今回、人間に猫さんが同行支援されるということを初めて聞きました
そう、ちょっと勉強不足なんじゃないの?
はい、そう思いました。
だからね、人間は弱いから、猫が保護してあげないといけないんだよ。
ほほ~、新鮮なご意見です。
だいたい、生まれたそのままの姿で暮らすことすら、できてないじゃないか。
はい、毛皮がありませんのでね。
そう、猫に保護されずに、どうやってやっていくつもりなんだか。
・・・なんとか、自力で服が買えますし。
ま、そうかもしれんけど、
はい
でも、元気なときはいいけど、
熱が出たときとかですか?
そうそう、そういう時はどうするの?
まぁ、熱の高さにもよりますが、ちょっと様子を見て
うん、それで
休んで下がらないようなら、病院に行きますかねぇ。
猫からの支援は?
考えたことありませんでした。
でも、熱でだるいのに
はい、自力で受診するって言ったって
はい、待ち時間が辛いです。
そうでしょう。
はい、そういうとき、猫さんにどう支援してもらえるんですか
それは、隣で寝て待つ姿勢を示してみたり
はぁ、
膝の上に乗ってあげたり
はぁ、
外敵から守ってみたり
この場合、外敵じゃなくて、体内の病気が問題じゃないかと思うんですけどね。
でも、それに加えて、外敵が来たら、おしまいだろう。
ま、そうかもしれません。・・・ただ、
ん?
私が勉強不足なんでしょうけれども、
うん、何?教えてあげるよ
最近でも、自力で病院に行って待っている時に、
うん、
人間で、猫さんに同行支援されている方を見かけたことがありませんが
そうなの?
はい、本当に、病院に猫さんが一緒に来てくださることは可能なのでしょうか。
それは・・・
はい
提携病院に行っていないのでは?
はっ
猫さんに同行支援がしてもらえる提携病院があるんですか
そうだよ、じゃないと、猫が病院にいたら、危ないだろう
危ない?
うん、猫にだって、人間からうつる病気とか、そういうのもあるかもしれないし
ははあ
何?
猫さんから、病気で弱っている人間に移る病気もあるんじゃないでしょうか。
あのね、
同行支援をすることのできる猫は
はい
立派な猫の中でも
はい
選ばれた、より立派な猫なんだよ
ほ~
大丈夫?
え?
変な声出して
大丈夫です。
だから、同行支援をするために、猫は健診も受けてるし、予防接種とか、ともかく、人間を保護するための任務についているのに、人間に被害を与えるようなことがあるわけないだろう!
・・・え、えっと、選ばれた立派な猫さんに対して、大変失礼なことを申しました。
うん!
すみませんでした。
ま、いいよ。知らないんだもん。
はい、もっと勉強しないといけませんね。
だけどね、同行支援猫は、人気があるから、
はい、
だけど、選ばれた立派な猫だって、そんなにたくさんいるわけでもないから、
はい、
このことは、誰にでも知らせることができる情報じゃないんだよ。
そうなんですね。
うん、
じゃあ、私のほかにもまだ知らない人間がいっぱいいるということですか。
そうだよ、だって、猫に保護されたい人間はいっぱいいるんだから
そうですか。
人気のある猫は、任務だけじゃなくて、
はい
どうしてもという人間の家に一緒に暮らしてあげるというボランタリー精神溢れることもしているんだよ。
ほ~。
だから、ふわふわは、内緒だけど、その任務もやるし、同居もしてくれる、選ばれた猫の中でもさらに立派な猫なんだから。
だから、あんなにふわふわされているんですか?
いや、毛皮は、生まれつき。なんで、あんなにふわふわしているのかは、本猫も知らないらしいよ。
そうなんですね。
あんなおもしろい外見だけど、ふわふわはふわふわで、いろいろ大変なんだよ。
ほ~、と言いますと?
たとえば、ふわふわの同居している人間は、もう子どもたちも巣立って、年数の経った大人たちなんだけど
はい、
たまに、「あ~、おばあさん、疲れたね。でも、ふわふわがいるから、もう少しがんばらないといけないね」とか、言ってるらしい。
ふ~ん
もうひとりの人間のほうも、「そうですね、おじいさん、私たちが居なくなると、ふわふわは、何もできませんもんね、箱入りだし」と言っているらしい。
ほう。
だから、ふわふわも、本当は、同居の人間がいなくても、やっていけるんだが
はい、
そして、ふわふわも、猫としては、結構シニアなんだが
はい、
同居している人間の前では、子どものように、振る舞っているらしい。
そうなんですね
そう、そこに居るだけで、人間の支えになっているんだ
・・・あ~、精神的支柱なのですね
だからね、
はい
同行支援の話をしたけど、
はい
本当は、同居しているにもかかわらず、
はい
特に役に立っているように見えないように気をつけながら
はい
シニアなのに、子どものように振る舞って
ええ
同居している人間の生きる支えになっていることのほうが
何ですか?
尊い!
あ~、そうですね~。
そう、
なるほど、人間のほうが、ふわふわさんの赤子なのですね。
いや、さすがに、赤んぼうではない。
いえいえ、セキシと呼びます。
あ?
傍からは、ふわふわさんが飼われていて、いっぽうてきに、同居の人間から世話されたり保護されたりしているように見えるけれども、
うん
本当は、ふわふわさんは人間たちの精神的支柱だと?
そうだ
まぁ、そう考えると、一家の大黒柱とも言えるかもしれませんね。
ふわふわも、本気を出せば、同居の人間のふたりくらい、養っていけるかもしれないしな。
はい。
秘めた実力を誇示することなく、何もできないようにふるまいながら、同居の人間の生き甲斐になっているなんて
ふわふわも、おもしろいナリして、なかなかやるだろう?
そうですね。
今度から、ふわふわを見る目がちょっと変わるだろう。
はい。
でも、言っとくけど、
はい?
ふわふわは、サマーカットには、
はい
しないから!
……
……
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えふさん、
伴侶動物の役割はこの先、益々大きくなっていくと思います。
でもいざ、残りの人生を伴走してくれる動物を飼おうとすると、「独居の高齢者は不可」のハードルが立ちはだかるのも事実。
1人暮らしだからこそ伴侶動物が必要なのに。
どうしたもんじゃろの~~~(「とと姉ちゃん」より拝借したせりふ)ですわ。
投稿: miauleuse | 2016年8月21日 (日) 23時40分
miauleuseさん、
そうですね、必要なのに、必要としてはいけない
もどかしさ・・・。
たぶん、伴侶動物の行く末に責任を持てる仕組みを
作ればいいんじゃないですかいのう??
後見人でもつけておけば、先に人間が旅立った
場合にも、動物は別のところで手厚く任務を継続
してもらえるようです。
どうしたもんじゃろのう・・・?←とと姉ちゃん、
見てなくてごめん。
投稿: えふ | 2016年8月22日 (月) 21時59分