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2017年8月 7日 (月)

ロスジェネの切り捨て、確かに重要な視点ですね。

 本書では、「若者論」を論じるところから始まり、今の若者は擁護されているが、過去の若者、ロスジェネと呼ばれる1970年から1982年に生まれた人たちのことは、すでに切り捨て始めていると喝破しています。

 この人(=私)は、ロスト・ジェネレーションとして括られるその定義では、上と下では12歳も年齢差があるので、これらの方々を一括して論じるのは難しい気がしておりますが、しかし、特に上のほう、団塊ジュニアについては、40歳を超えたあたりから、就労支援の対象から除外され、引きこもりも調査対象から外されるのを見てきて、違和感は抱いていたのでした。

 経済政策の失敗により、世代的にワリを食うことが一生を通じて決定的になっている世代を、もう若者ではないからと放置することを決めた(と本書の論者たちは言っていますけど)左派の論壇知識人に対する批判は、一読の価値はあると思います。

 個々に挙げられる今の若者は擁護し、過去の若者はバッシングしたあとネグレクトすると名指されている方々については、この人は、知識がない部分もあり、判断できないこともあるのですが。

 ただ、団塊ジュニア世代などは、生産人口の中心的層であり、現在子育て真っ盛りの世代でもあり、放置するには、あまりに将来に対してリスキーだということは強く賛成できるのです。

 団塊世代がすべて後期高齢者になるとされる2025年問題よりも、もっと先に、現役世代なのに、まともに暮らせない人口のボリュームゾーンであることを、政策担当者も、研究者も、あまりに無視しているのではないかと思いました。

 40歳を超えて、自宅に引きこもっている人たちの実態を把握しないで、今後、どうするつもりなのでしょうか。

 40歳を超えて、就労しているにもかかわらず、まともな就労収入を得られない人たちが、生産人口を終えるのをそのまま待っていたら、もっとずっと人口の少ない、より若い世代の人たちだけで、どう支えるのでしょうか。

 団塊ジュニア世代でもいいし、ロスジェネでもいいですが、ここ20年の状況を鑑みれば、今より早急に公的支援が必要なのではないでしょうか。

 そんなことを考えました。

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