それなりに、なんとかなりそう。

在宅で看護や介護を受けながら、最期を迎えることができるのか。
この点について、上野さんが小笠原医師に対して、さまざまな角度から質問をして応答してもらう形式の本です。
施設で介護を受けながら亡くなるのか、病院で亡くなるのか、「おひとりさま」には、在宅で死ぬ選択肢はなさそうに、そういう常識の中に、生きているわけですが、そうでもなさそうです。
というのも、家族がいることが、むしろ、在宅ひとり死を妨げる種々の要因になっているようなのです。
最期まで、延命治療を受けるのか、それを拒否するのかを、本人が家族に伝えていても、日常的にそばにいない家族が、突然、オピニオンリーダーとなり、病院に入院させられ、延命治療を受けたことで返って苦痛の中で絶命するという事例がいくつも紹介されます。
在宅ひとり死は、介護保険のサービスを受けながら、その地域に、それを理解し、訪問看護と介護の連携をしながら、訪問医療を提供する医師がいて、あと、在宅ひとり死を邪魔する家族がいないことで、実現するようです。
でも、富裕のおひとりさまにしかできないことでは?
という疑問が湧くのですが。
でも、実際には、生活保護を受けながら、在宅ひとり死をした方もいらっしゃるようですし、そこまでではなくても、介護保険の範囲内で、かなりの程度カバーされ、最期の数日だけ、自己負担になる程度で、数十万から100万円程度であれば、在宅ひとり死は可能なようです。
具体的な事例や制度の説明があるだけでなく、死生観が語られているように思います。
どう死にたいか、それを、邪魔をしないように家族に伝えておくとか、そういう点では、どう生きるかとまさに表裏のように思いました。
この取り組みは、在宅での介護・医療が提供できる地域が全国に広がり、その地域にいてこそ、利用可能なのですが、でも、病院や施設ではなく、住み慣れた自分の家から旅立ちたいと願い人にとっては、福音だと思いました。
介護保険が、この人が亡くなるころまで、同じ感じで続いていてくれるといいのですが。
いろんな社会保障が破たんしないように、社会保障費については注意を払わねばなりません。
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