うまいです。
シングルファーザー家庭で育ったジュールと、シングルマザー家庭で育ったリリーの恋愛関係を軸に、父、母との関係、親子、それから、これから形成するかもしれない家庭を考えさせられる作品。
父が42歳の時に生まれ、今30歳のジュール。父は72歳で、ときどき健忘症の症状が出て、どこにいるのかわからなくなるが、携帯で息子に連絡してきて、迎えを待つ。
健忘症は、例外的に、しばらく、数時間すると、消えるらしく、完全に自分のことがわからなくなるわけでもない、という特異な現れ方をする。
シングルファーザー家庭と、シングルマザー家庭が誕生した経緯がだんだんと明らかになりつつ、結婚に向けて相手の家族に会うことで、いろいろ葛藤も生まれていく。
9歳と7歳で、母と父を失ったふたりが、どういう事情を抱えているかは、読んでいくとわかるけど、結構重いです。
うまいなぁと思いました。
ぬー。
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