『ママだって、人間』『母がしんどい』
かなり率直な表現で、妊娠から出産に至る自身の変化を描いておられます。
突然キレたり、情緒が激しい方のようで、びっくりしましたが、その背景には、著者の母親との関係が強く影響していることも書かれます。
ちょっと信じられないことが多いのですが、そういう母もいるのでしょう。
毒親とか毒母とかで、最近、自分の母や親を批判してもいい風潮が出てきました。
このこと自体は、AC運動の盛り上がりのあった2000年前後くらい(?)と似ているように思いますが、そのときは、愛されるべき子どもの時代に、愛がなかったとか、足りなかった話だったように思います。
でも、今の毒母・毒親との関係で苦しかったことを語りだしたブーム(?)は、むしろ、間違った愛され方というか、親のほうでは、愛ゆえの行動としているだろうことが、うける子どもには非常に苦しいものだということを言えるようになった、という点で、かなり画期的なことだと思います。
先に、『ママだって、人間』を読んだ後に、同じ著者がそのすごい母について書いた作品があると知り、こちらも読んでみました。
苦しいです。
著者(子ども)の立場から描かれる、この母、それと父。
母がエキセントリックなだけでも大変なことだと思うのに、急にキレたり、ものすごくおかしな論理で子どもを振り回すところは、読むのに大変エネルギーを要しました。
今も強く残存していますが、「親を悪く言うとは、けしからん」という規範の中でも、こういう風に、毒母や毒親のことを話し合える場が増えてきていることは、すごくよいことだと思います。
愛でもなんでも押し付けるのは、やはり、よろしくありません。
自分にとってよきものが、相手にとってもうれしいこととは限らない。
でも、相手との距離がうまくとれないような関係では、そうも冷静に言えないような気もします。
難しいですが、穏やかな感情の中で、できるだけ暮らしたいものです。
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