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2020年7月24日 (金)

息の長い運動に

Photo_20200724110501

 先日の都知事選ですが、それを機に自分が都政に対してあまり知らないことを知りました。

 関心のある一部の領域については、多少は知っているつもりですが、都知事選の争点が何なのかとか、政策論争なき選挙に慣れ過ぎてしまっています。

 今回の選挙には、今さらですが、投開票日の宇都宮さんの発言などを聞いて、前回の都知事選までの経緯も書かれている著書を読みました。

 これまでに出馬した経験や、市民運動との関係、他の候補とのやりとりなど、いろいろなことが書いてありますが、一番印象に残ったことを記しておきます。

 それは、長期的な視点に立った市民運動を推し進める視点です。

 都知事に立候補するなら、東京に骨をうずめるつもりでずっと関わらなければならないとの明確な意思と行動に感銘を受けました。

 サラ金などの高金利で金を貸すことを合法としている法律を変えるために、30年もかけてこられたこともすごいですが、これも、始めた当時は、一生かかっても実現できないと考えていたそうです。

 都政に限らないかもしれませんが、市民運動から出した知事を当選させるための、地道な運動観にも、うちのめされる気がしました。

 政策について論争することを軽視し、有名人を持ち上げることで選挙を戦おうとする傾向が、与党野党ともにあると思います。選挙民がそういう選択をすることにも原因があると、私は考えますが、宇都宮さんは、その土俵に乗ることなく、どこかからスターを探してきて担ぐのではなく、市民運動を通じて発掘した運動経験を持つ候補を立てるべき、政策を提言できる候補を立てるべきと説きます。

 それが、どんなに時間のかかることでも、一度の選挙によって実現することではなく、選挙期間のみの運動で達成させることではなく、選挙が終わり、残念ながら、支持した候補が当選しなかったとしても、次の日から都政の傍聴を再開し、支持者たちの会を解散することなく、継続的に、都政を議論する機会を持っていく。

 つい近視眼的に、喫緊の課題を解決してもらいたい、あまり余裕のない市民のひとりに過ぎない私なので、とても、すぐに真似できる態度ではありませんが、世の中を変えていくということは、それくらいの長期的な取り組みが必要なのだと再認識しました。自分の代では変わらなくても、若い世代に引き継いでいく、そういう思想を持った人を、政治家に輩出できる私たちに、いつになれば、なれるでしょうか。

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