SHE SAID 映画日記
#me too 運動のきっかけとなったセクハラ事件に基づくストーリー。
2017年に米紙ニューヨークタイムズに掲載された記事が発端となり、映画界で権力を握る男性が、若い女性たちを性的に侵害していたこと、それを黙らせるために様々に画策していたことが明らかになった。
#me too運動として理解されていることではあるが、記事に実名で証言することを決意する数名の女性たちが、その決意を固めるまでは、それほど簡単な道のりではなかった。その状況、心理が丁寧に描かれている。
#me too運動として、情報が伝わったときには、その後の状況ではあるので、語られるまでの葛藤や苦悩はそれほど認識されていなかったかもしれない。
どこでも、同じような二次加害の言動があるのだと改めて感じたのでした。
原作は、その名を暴け―#MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い― であり、ピュリッツァー賞受賞記事の舞台裏にいた二人の女性記者の調査報道の困難の様子もよくわかる。
加害者の周囲にいて、法的に加害者を守ってきた男性たちも、記者の度重なる説得に理解を示し、最後には協力的になる。
報道された後、8~12件をもみ消したとされていた以上の、80名以上の女性たちが、me tooと名乗り出た。
一人の加害者が、非常に多くの被害者を生み出す事例は、これまでにも、指摘されていることではありますが、被害者を黙らせることによって、更なる被害者を生み出していく性犯罪・性暴力の仕組みの一方で、沈黙を破る決意をする被害女性の勇気が印象的だった。
被害場面は非常に配慮されてはいるが、つらい思いや経験のある人は、コンディションがよいときに鑑賞したほうがよいかもしれない。
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