日本に住んでる世界のひと 読書日記
最近、外国籍住民のことが気になっています。
ちょうど、毎日新聞の書評を読んだこともあり、さっそく、書店で手に取ったらおもしろそうなので、読みました。
書評は、『日本に住んでる世界のひと』=花田菜々子 ← こちらで読むことができます。
最近、外国籍住民のことが気になっています。
ちょうど、毎日新聞の書評を読んだこともあり、さっそく、書店で手に取ったらおもしろそうなので、読みました。
書評は、『日本に住んでる世界のひと』=花田菜々子 ← こちらで読むことができます。
『告白 岐阜・黒川 満蒙開拓団73年の記録』
川 恵実 (著), NHK ETV特集取材班 (著), 田中佳奈 (写真), 2020年3月
本書は、2017年8月の放映されたNHK ETV特集「告白~満蒙開拓団の女たち~」を制作したディレクターの、2016年8月から始まる取材をもとに構成されたものである。
番組では伝えきれなかったこと、その前後の出来事、新しい証言も加えられている。
伝えずには逝かれないという決意を感じさせるご本人のお話や、その息子たち世代の男性たち、慰霊祭を続ける黒川分村遺族会会長のタブーを破って、犠牲になった女性たちのことに触れる発言を始めた理由などが記述されている。
いろいろあって(簡単な言い訳、省略法です!)、なかなか更新できませんが、あれこれ活動はしております。
それほど多くの読書ができているわけではないのですが、ここに紹介することは、もっとずっとやっていない・・・。
そんなわけで、久々に、少し短めに書いておきます。
本書は、タイトルのとおり、水道を民営化(※)して、しかし、うまくいかず、公営に戻すという経緯をたどった諸外国の事例をもとに、周回遅れで民営化しようとする日本の現状に警鐘を鳴らしています。
「民営化」を推進する人たちの主張は、先行事例を見ると、否定されているのです。たとえば、安くなるとか。
そして、再公営化をしたことで、以下のことが起きました。引用しておきます。
興味深いことに自治体によるインソーシングにより、賃金の上昇で人件費が大幅に増えても、多くの場合全体にサービスコストが低下することが私たちトランスナショナル研究所の調査でわかった。自治体にとって費用と時間のかかる、競争入札がなくなり、高額な企業契約の対価がなくなるためだ。地域目線のバリュー・フォー・マネーの高い政策と言える。
あるいは、「ミュニシバリズム」の精神にのっとって、多くの自治体が協力し合いながら、技術の共有を行い、インソーシングを始めたら、どうなるか。それも、水道という一分野ではなく、さまざまな分野で行えば、小さな点は線となり面となって力になっていく(pp.156)。
先日の都知事選ですが、それを機に自分が都政に対してあまり知らないことを知りました。
関心のある一部の領域については、多少は知っているつもりですが、都知事選の争点が何なのかとか、政策論争なき選挙に慣れ過ぎてしまっています。
田中美津さんの代表作に、どこにもいない私、どこにもいない女性のことが出てくる。
小説ではないが。
マジカルグラマという語は、マジカルニガーから着想を得た言葉だとのことだが、どこにもいないおばあさん、という意味くらい。
「かわいくて、愛されるおばあちゃんになりたい」とかいう人がたまにいるが、こういうのをマジカルグランマというのではないかと思う。
ステレオタイプと言ってもいいのかもしれない。
75歳の正子は、結婚前の若い頃に女優をやっていて、監督と出会い結婚した後は、子育てなどして、家庭にいたわけだが、夫とはここ5年は口を利くこともなかったという家庭内別居状態。実際、豪邸なので、夫ははなれに暮らし、顔をあわせることもなかった。
正子は、自活する見通しを立ててから、離婚しようと、女優としての復帰にかけ、おばあちゃんの役を得るために、実際よりも老けた見た目にするのであった。
マジカルグランマを演じたCMで一躍有名になったのに、夫の家庭内孤独死へのコメントから、好感度を劇的に下げて仕事を失っていく。
この作品では、マジカルグランマのほかに、マジカルゲイなど、人々が作り上げる、どこにもいない存在のことがうまく描かれる。
かなり率直な表現で、妊娠から出産に至る自身の変化を描いておられます。
突然キレたり、情緒が激しい方のようで、びっくりしましたが、その背景には、著者の母親との関係が強く影響していることも書かれます。
ちょっと信じられないことが多いのですが、そういう母もいるのでしょう。
毒親とか毒母とかで、最近、自分の母や親を批判してもいい風潮が出てきました。
このこと自体は、AC運動の盛り上がりのあった2000年前後くらい(?)と似ているように思いますが、そのときは、愛されるべき子どもの時代に、愛がなかったとか、足りなかった話だったように思います。
でも、今の毒母・毒親との関係で苦しかったことを語りだしたブーム(?)は、むしろ、間違った愛され方というか、親のほうでは、愛ゆえの行動としているだろうことが、うける子どもには非常に苦しいものだということを言えるようになった、という点で、かなり画期的なことだと思います。
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