映画「グリーンブック」
現在公開中の映画「グリーンブック」は、非常にお薦めの作品ですので、ぜひともご覧ください。
舞台は1962年のアメリカです。
ニューヨーク(アメリカ北部)に住むイタリア系男性と、アフリカ系男性が出会って、一緒に南部の州を旅行するのですが。
その旅行は、アフリカ系男性の演奏旅行なのでした。しっかりとした契約に基づくツアーです。
イタリア系男性は、教育もなく、仕事も失って、用心棒的なことをやっていたのですが、そこも2か月ほど閉店してしまうこととなり、要は失業してしまいます。妻や子ども2人の暮らしを支えるために、何かお金を得ることをしなければなりません。
そんなとき、音楽家(ピアニスト)が白人の運転手を探していると聞き、面接に出かけるのでした。
超一流の音楽教育を受け、素晴らしい演奏ができるアフリカ系男性。教養もあり、非常に品性も高い。
正反対のふたりが、1台のくるまで行動をともにします。
そのやりとりがとってもおもしろい。
コメディ映画かと思うほどです。
でも、60年代の南部は、まだまだあからさまな黒人差別がまかりとおる社会でした。
ちょっとびっくりします。
そして、これは、実話に基づくものなのです。
見た目(黒人であること)だけで差別される経験が、いくつも描写されます。
彼は、それにじっと耐える。
イタリア系男性も、最初は当時の社会と同じ感性を持っていたわけですが、徐々にふたりの関係にも、イタリア系男性の考え方にも変化が見えてきます。
タイトルの「グリーンブック」は、黒人差別が堂々と行われ正当化されていた南部への旅行にもっていくガイドブックの名前なのでした。
つまり、白人とは一緒に食事ができないので、黒人だけのレストランを示したり、黒人でも宿泊できるホテルが書かれてあったり・・・。
廃止されてずいぶんになりますが、南アフリカ共和国でもアパルトヘイト政策が近年まで存在していました。
そんなことが信じられない時代になってきたことは歓迎すべきことですが、40~50年前までは、こんなことが許されていたことを、忘れてはならないし、知らなかった人はしっかり学ぶべきだと思います。
彼が奏でるピアノの演奏も素晴らしいです。
なので、その部分も楽しめる、いろいろお薦めの映画です。
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